女王陛下の007号
1966年作
イアン・フレミング原作
さいとう・たかを著
エミリオ・ラルゴの妹、ソフィヤの依頼で、犯罪組織ユニオン・コルスがボンドの命を狙いはじめた。
しかし、兄の敵であるはずのボンドに何度も命を救われたソフィヤは、ボンドを許し、いつしか惹かれはじめていく。
そして、ボンドが兄の敵である事を誰から聞いたのか、ソフィヤに尋ねたボンドは驚くべき事実を知る。
陰で糸を引いていたのは、死んだはずのミスター・ビッグだったのだ!
さいとう・たかをによる007シリーズの劇画化第3作。
相変わらずかなりの改変が加えられていて、原作通りなのはユニオン・コルスのヘリ部隊で雪山のてっぺんにある敵の本拠地に攻め込んで行くシーンぐらいのもので、あとはほぼ“たかをオリジナル”。
特に「ボンドの結婚」と「ヒラリー・ブレイ卿に化けて敵基地に潜入」という、原作の重要な要素が無くなっているので、もはや別物と言った印象です(笑)。
トレーシーも脇役扱いで、物語の中盤を待たずに登場しなくなります。
ことごとく原作のヒロインを使わないのは、ヒロインだけは自分好みの女性にしたかったのでしょうか、さいとう・たかを(笑)
前2作に比べると、劇画度はアップしています。
絵も細かくなり、アクションシーンのモンタージュなど映画的手法が以前よりも効果的に取り入れられています。