午後 シンポジウムの記録

 

芝:あいさつ、シンポジスト紹介。

  「あたたかな人間関係づくり」がなぜ必要なのか?

新:大学生として過ごしています。・・・半年間の研究、これまでのふりかえりをしています。通小の子どもたち 荒い言葉、行動→自分たちを受け入れてほしいという思いを持っている。集団で来た際は、聞いたようで聞いていないことも。本当の解決になっていない。また癒されに来る。・・・あたたかい人間関係・・・子どもはかかわりのなかで成長していく。「私はみんなの中にいる」という集団意識が成長に必要。

田:あたたかい関係・・・気持ちがいい。その状態を教室につくるべき。創造的・クリエイティブなクラスにはあたたかさが必要。

山:附小「ひびき合う学校づくり」はじめ40人がクラスにいる意味を考えてほしいと思って学級づくりをしていた。しかし究極的には子どもひとりひとりが自分と向き合うために温かい関係が必要なのでは、と思えてきた。何でも受けとめてくれる学級こそ学習に集中できる。ひとりで自分の考えをもてる、考えられる、それが生かされて新しい考えが生まれる。それが大事なのでは。

 

芝:重要なことは?

田:どの子どもも好きになってあげられるために、先生とさらけ出した関係であることが大事。自分が余裕のある状態であることを(自然体を)心がけている。

新:家庭生活に規範のない子どもたちをどう支援していくか。できることとできないことがある。

「対話」・・・自分を受けとめてもらえる状態であること 

  子どもたちの心の声をしっかり聞いて、問いかける。

  「自治」・・・自分はクラスで何か役に立っているという意識を持たせたい。

 

芝:高学年女子の指導について

山:苦手です。5年生を担任している。先生理解もしてもらおう。学級は先生も含めてつくっていくもの。構えをはじめにつくることも大事。先生の言うことより子どもたちの関係が大事になってくる。授業で友だちが大事だと思えるような学習をする。自分に何か意見があるときは、子どもに言わず直接私に言ってくれるよう始めに言った。子ども同士・・・聴き合う関係をつくりたい。力を持っている子ども、授業の中で関係づくりをする。聞く・・・大事。最初にほめる。先生が真剣に聞くことが身につけさせる一番の近道。少々時間がかかっても「何が言いたいのかな」って思えるようになってくる。(しつけはし続ける)(最近)心が通じ合って心強い味方になってくれる。

田:苦手です。特別支援の考え方でその子をわかってあげようとすれば考え方は一緒。この人ぼくのこと好きだ、嫌いだはとてもよくわかる。(特別支援の子)二次的に傷ついていることが多い。診断名は関係ない、親の養育態度も。「得意な遊び」が一番かかわりを持てる要因。(1年生の子がフリートーク等に絵から参加できるようになった。)お母さんと数ヶ月お話ができない。学校で子どもを変えることで打開しようとしている。

新:昨年2月、6年女子。関係が悪くなったとき、日記を読むと保健室とは全く逆のことを(前向き)書いていた。安心した。どっちも本当の自分だろう。2つの面ということだろう。私の中のその子がこうだから、こうしないと,と思ってしまうと誤ってしまうかも。それぞれの人の中にもちがったその子像がある。自分の見方に固執せず、他の人の考え方も聞いて情報を集めて考えるべき。

 

芝:「1つの学級のがんばり(あたたかい学級づくり)をどう次の学年へつないでいけばよいか」

  「学校全体でどうとりくめばよいか」重要なこと。

山:教育は意図的・・・教職員の方向性(子ども像、どんな子どもを育てたい)方法、やり方は決めてはいけない。

  附小→アンケートをとって分掌ごとに考えていく。

フリートーク(1〜6年 全クラス 8:15〜8:30)マンネリだが聞く、分かってくる、その子を理解していく。自分たちの変容も実感できる。主体は誰か?音頭をとって先導していく必要がある。

教師がどう変われるか。

田:校長のスタンス、柔軟性が大事。校長「子どもにいいことをしよう」「あなたたちのアイディアでいいことをしなさい」→新しいことをどんどんやっていこうとしている。教師の仲も良くなる。職員同士のあたたかい関係も必要。

新:安心感がないと思っていることも言えない。そういう雰囲気をつくっていきたい。保健委員会・・・しんどい方々が来るが。けんかがおきる→けんかをさせない方法・・・別の場所にする。しかし、それでは子どもは成長しない。職員間で子どもたちのことについて共有し合う雰囲気がないと。やらされるのでは、子どもは育たない。「やりたい」と思える環境をつくっていきたい。

芝:養護教諭も一緒に考えていく環境作りを。

 

芝:「支えられた学びのよさ」はどういうところにあるか。

山:授業、学び合う関係、温かい関係「自分を変容させてくれるきっかけがたくさん生まれる」研究大会のビデオを中3に見せた。Tくんに対抗してKくんがたくさん発表した。TくんがいたおかげでKくんは本気になった。フリートークで言われたから毎日するようになった。自分の意見で友だちの意見が変わったことを楽しそうに話す子ども。先生からの授業だけではそのようなきっかけができなかったのでは。

田:温かい関係。エジソン、アインシュタイン・・・個人研究は今ではほとんどできない。発達障害のある子どもも協働していかなければならない。あたたかい関係が必要。

新:「生きる火種」1年のころから思っていることがなかなか言えない子どもが「自分の思っていることが言えることも協力」といったことに生きる。

 

【フロアに質問】

Q1:新開先生に。「規範意識の育っていない子どもに上から躾けると行動があれる?教師への批判はなかったか?」

新:大人全体への批判めいたことがあった。向き合って話ができない。批判できるほど成長していない。

Q1:子どもの話を聞いていると担任への批判が出てくる。子どもたちはこの先生は担任への批判を肯定してくれたと思う。担任は辛い。

新:担任はその裏に思いがあることがある。「何で担任の先生はそうしろといったんかねぇ。」と考えさせるようにしている。その思いを子どもが理解すると。考えながら受容。受容だけではない。

Q2:新開先生の話より 何を受容して、ここからは受容しないというの線引きは?

新:難しいところ、今の研究のテーマ。学校なのでカウンセリングではない。枠がない。学校、保健室のルールを明確化する必要があるか。歯止めがきかなくなるので。枠の中で安心する子どももいるか。規範意識のない子 その枠は教職員で協議して。

芝:学級のルールは分かりづらい。そろえるのは難しい。

全職員が全学級の学級経営案を持っている。

 

芝「創る会」に向けて期待するもの?

新:子どもと共に育っていきたいと思う先生方が集まって声が出せるのがいい。この会に参加してこんなことをやってみよう。ちょっと相談してみよう、つながりのある会になったらいいな。

田:小さい町でもできるぞっていうのがいい。島根以外からも人を引っぱってこられる会にしてほしい。

山:名前がいい。何でもできますよね。多種多様。あたたかい教師関係ができる会にしてほしい。また参加したい。

 

芝:みなさんのニーズが知りたい。HPでも。