基調提案  温かい人間関係を中核にした学級づくり

山口市立大歳小学校 教諭 石川幸男先生

 

話のポイント 

 1 学級への思い

 2 学級の雰囲気を子どもたちと共に創る

 3 いつも自分を振り返りながら

 

 

1 学級への思い

  〜こんな学級だったらいいな〜

   ○ 楽しさいっぱい  やさしさいっぱい  笑顔いっぱい ― 声を掛け合う

   ○ 自分も他人も大切にできる ― 人の話を最後まで聞く

   ○ 支え合い,高め合い,ぬくもりのある学級

       大切なのは,その人の思い     心地よい教育  心地よい空間

    (具体的な取組)       自分から進んで言える

 

                あいさつ

      □ ルールとマナーの大切さ   家の約束→学校のルール→社会のルール

            守ることに意味がある

            時間,自他共に大切にすること    みんなで決めた約束

            毎日が気持ちいいね。 守ることが当たり前の意識へ。

     □ やさしさを大切に

           やさしさをベースにした生活の営み

                勉強,遊び,学校生活の中で必要なもの

                人とのかかわりにつながるもの

           みんなはひとりのために,ひとりはみんなのために

                みんなのことを考えるときに思いやりが必要

           みんなちがってみんないい

                違った考えを受け入れることの難しさがある

      □ 友だちとのかかわりを楽しみながら

          一緒に学ぶこと,一緒に話すこと,一緒に遊ぶこと,一緒に○○すること

          時には言い争ったり,けんかになったり 

どうすればみんなが気持ちよく過せるだろう。

失敗したことをよかったとおもえるように

いいところを見つけ合いながら

 
      □ みんなで考えながら創っていく学校

           友だちのすばらしさを発見し広げていく

           協力,考え,チャレンジ

           学校ならではの教育

2 学級の雰囲気を子どもと共に創る

  ・小規模校を経験して

     相手(友だち)を理解した上での言動

     友だちと一緒に高まる自分を意識

      お互い理解しながら共学びをしていく,友だちのおかげでわかった,友だちと一緒にできた

     学びの振り返りを

 ・これまでの取り組みから

     健康観察  クラスのみんなが友だちの健康のようすを知る時間

     号令  同じ空間で一緒に勉強する,みんなにするもの

     授業の内容や形態の工夫―子どもたちの様子に合わせて→一人ひとりのパワーアップ

     休み時間,下校時の声かけ

     VTR視聴

<社会科の時間>

<帰りの会の様子>良かったことの紹介,日直のスピーチ,質問・感想など

            係りのお知らせ,みんなへの呼びかけ

友だちとの間でトラブルが起こったとき

  自分たちでできること,助けてほしいこと,聞いてほしいこと

みんなで一緒に考えること

失敗やトラベルをみんなの成長の糧として共有

目で,耳で,体全体で,心の目で

 ・現在の学級から

    男児B  口が悪い,傷つくことを言う

    女児C  勝気,一位病,思い通りにならないと涙

          女児C「悪いところも,なおすところもわかる」

          教師 「気付いているからいいじゃん」

 

3 いつも自分を振り返りながら

  □ まずは,大人であり,教員であり,担任である自分が

  □ ひとりの人として(集団に対して,個に対して

  □ 個々の背負っているもの

  □ 真正面から,真っ正直に,とことん

  □ 時には,理屈抜きに感情で

  □ 無意識から意識した「教育」

 

4 終わりに

  ■ ひとりの大人としての自分

  ■ ひとりではない自分

  ■ 大人の人間関係

  ■ 夢,将来

  ■ 学ぶって  心豊かになるために

 

 

Q&A  司会:吉谷先生

 

 Q 子どもたちが,よりよい学級を創ろうとするために取組んでいることは?

 A 子どもの方から話を聞く,どんなクラスでありたいかを考える時間をとり,子どもたちと話し合いながらめざすものを創っていく。めあてをそのままにしない。見直していく。

 Q 学級目標をどのように子どもたちと共有するか?

 A 学級目標は押し付けものではないし,子どもたちだけが考えるものでもない。落としどころを見極める。

 Q 落としどころ − どんな場面?

 A 子どもたちはこだわる,対立が生まれる。違いや同じところを確かめ,確かめ子どもたちが納得できるように導いてみる。時には引っぱることもあるが,子どもたちが納得できるところ。

 Q 石川先生の子ども観が凄い。子どもたちに寄り添っている。どうして,Cさんに対してこんな言葉をとっさにかけられたか?

 A 友だちと一緒に高まろうとする意識の表れ

 Q 話し合いやすくなった帰りの会について

 A 担任が聞くだけから,3学期はわざと子どもに介入してきた。

   心がニヤニヤ,言っていいんだ。授業中に手を挙げるようになった。オーバーに気持ちを表現した。

 Q 帰りの会での実践は,いいとこ見つけ,プラスみんなで解決する時間があることがいいし,子どもたちにかえすことはよい。トラブルにどう対応しているのか。

   口の悪い子をどのようにとらえ,対応されているのか。口が悪くなる原因は。

 A B児はストレスをかかえている。両親は共働き,一人っ子。何も考えてないかもしれない。経験をすれば変わってくるかもしれない。傷ついていることを許さない。

 Q 中国からの転入生への対応は

 A 同級生であるが,ちがいはある。言葉であること。それはみんな同じ。できるようになったことを一緒に喜ぶ。かかわりを多くもてるような機会をとっていった。