吉谷授業クリニックQ&A,協議(11:00〜11:30)

(指導者 右田  授業提供者 吉谷  司会 原田)

司会 吉谷先生は理由も言える子どもを育てたいと考えておられる。「理由を書くんですよ。」と意図をはっきりといっていた。直に言ったり線を引かせたりして。子ども同士を結び付けられたら,意見を価値付けられたら。さて,どなたか質問は?

Q1  一番盛り上がる瞬間の先生が期待される答えは?

司会 盛り上がる言葉について何かありませんか?

Q2  盛り上がる初めの部分はP61の「無理せんでもいい」からと思っている。先生の教材解釈を。

Q3  途中で授業は終わっている。終わらなければどういう予定だったのか。

吉谷 盛り上がりの瞬間,正直,絞り切れていなかった。高学年の国語ではクライマックスを検討しようという課題をだす,どういうふうに考えさせるか。主人公の気持ちをガラッと変わった瞬間でとらえさせる。変わった瞬間をどこか子どもに聞く。授業をどういうふうに終わらせるか,意見を闘わせる,お互いに意見を交換,最後二つくらいで結論が出ることもあれば,こっちが優先,教師の意見,どちらかが正しいというわけではなく,今回,はっきりしていなかった。子どもがこの文を読んで根拠がもてればいいなと思っていた。「何の出来事か,6の出来事」と思っていた。盛り上がりのところはよく把握しておらず,おばあちゃんの言葉は新しい視点。教材の新しい解釈ができた。ありがたい。

司会 盛り上がりという言葉をどうとらえるか,どう考えるかということが子どもたちと学ぶとき大切だと思う。P2F君の「わっしょい,わっしょい。」を取り上げればよかったのでは。どうお考えですか。

吉谷 テープを起こして気付いた。子どもって,盛り上がりをいろいろなとらえ方をしている。盛り上がるって言う言葉をしっかりととらえるとよかった。ほとんど6場面と思ったが,2の場面も盛り上がっていると感じた子どもがいた。後になって分かった。

Q4  場面の盛り上がり,物語の盛り上がり。悲しい気持ちは盛り上がらないと思う。悲しい気持ちは盛り下がるのでは?悲しいときに気持ちが盛り上がると使うのか?

右田 吉谷先生にお尋ね。気持ちを直接に問わない。山場,なぜその文が盛り上がっていると思うのか考えていく手法をとっていらっしゃる。先生として読みの手法で今までやってこられてこれからもそういう方法でやっていきたいと思っている?

吉谷 友だち同士で意見交換しながら,共に考え深め合っていけたらと思う

右田 盛り上がりという言葉は,子どもたちにとって少し抽象的では。子どもたちにまさるの気持ちの変化について,しっかり話し合わせたい。子どもと先生の盛り上がりの意図することが合ってなかった。子どもたちの学習力が合っていない。子どもたちにとって,難しい投げかけだったのでは。出来事を追う,場面の区切りではなかったか。お話の区切りで子どもが読んだのか,まさるの心の変化,気持ちがよく分かる叙述をしっかりおさえて,ぼくは,ここでこう思うよなど,作品全体の山場を探しているのか。よく考えて学ぶのか,区切りをつけて考えていくのか。盛り上がりを考えての観点で考えていくのはよいと思う。

Q5 ノートの感想より,いろいろな考え方ができるお子さんを育てていらっしゃると思い感動した。教科書の中の盛り上がりは心情の盛り上がりよりも,物語の盛り上がりをねらってらしゃったのか。

吉谷 心情の盛り上がりが物語りの盛り上がりにつながるのでは。

Q5 子どもの中には,盛り上がるといういろいろ考えがある。P58のぽつりとおばあちゃんが言った,P61のおばあちゃんがぽつりと言ったところに物語の盛り上がりのヒントがるのではなかろうか。

吉谷 国語での教材解釈に甘い部分があった。そのぽつりと言った部分の解釈を教えていただきたい。

Q5  ぽつり〜さみしそうにそのときに言った,P61,60でもおじいちゃんなくなってまさるは川遊びを続けていて,麦わら帽子があったはずなのに,“おばあちゃん”を強調!作者の意図があったのでは?

司会 心情の盛り上がりか物語の盛り上がりかなとわからないところが。

Q6  A君が印象に残った。その子が選んだ場面,ひまわり畑の余韻があっていいところを選んでいるな。理由が答えられなかったが,彼がきちんと理由を言えたらよかったんでは?

司会 理由を語れる子ども,こんな手立てをしたらということを何かないか。

Q7  全文視写をして,一人学びや一人調べしたことを書き込んでいく。自分の考えを整理していく。学期に単元一つでいいから,教材と対峙する。いろいろな学び方ができるのでは。それを見取ることでいろいろな観点から考えることができるのではないか。