◇見える物重視の世界
ある程度、当然と思われるかもしれませんが、私たちの世界は、目に見える物を重視して組み立てられています。
人は、誕生と同時に物体に囲まれていますから、自己の人体と他者、つまり周囲の物体との関係において体験し学んでいくものです。
ですから人は、それらの物体を求め、活用し、新たな物体の創造も行います。
こうして、物と自分との信頼関係も構築され、そこに生きがいや満足感を感じているものだと思います。
これらは、学問としての物理学を生み出し、その領域内のことは絶対に正しいと考えられています。
しかし、現代において、このことが、一般社会の様々なところで強化しているように感じています。
人が、物理的な面を強化している例は、その最大がお金で、お金さえあれば何でも可能と考えるところにその姿があります。
確かに、その人にとっては、目に見える世界、物質的なものがすべてなのかもしれません。
成果主義が信奉されること、そしてUFOの存在を信じられないのも、その一つだと思われます。
そこには、精神的な面は見られません。
見えにくい物を〝見える化〟することも、この一端だと考えられますし、一時、盛んに行われたISO取得についても、その流れにあったと思われ
ます。
これらは、決して悪い事ではありませんが、行きすぎや、見えないものを否定するようなことがあってはならないと思います。
行政や会社においては、財政当局が絶大な力を発揮します。
金銭管理等は、お金が数値化されているので、見やすく何よりわかりやすいものです。
予算化要望に際し、目に見える物理的なもや例年取り組んでいることは、説明しやすく予算化も容易ですが、将来の計画に向けた新たな試みなどに
対する予算は、よほど具体的な数値などにより説得力を持たせないかぎり、あっさりと切り捨てられてしまいます。
しかし、精神的な面がそうであるように、目に見えないものを〝見える化〟するのは、容易ではりません。
可能だとしても、内容により時間が掛かる場合もあるでしょう。
また、物質的なものは、管理が容易で積み重ねにより進歩させることもできますが、目に見えないものは、そう簡単に対応できないものもあるでし
ょう。
そのようなことから、この世界は、いわゆる物理的な面が優位となっているのです。
そこに、別な側面がないわけでもありません。
17世紀に活躍したフランスのルネ・デカルトが、科学の領域として目に見える物のみを重視し、目に見えないものを排除してから、この考え方が
今日まで続いているのです。
しかし、私たちは、目に見えないものから、目に見える物が生み出されることを知っています。
そして、その重要性も誰よりも知っているはずです。
今後も、上述のような問題点も理解しながら、目には見えない〝意識〟の世界を、心の目で感じながら歩んで行きたいと思います。
2020.10.2(金) K・W
◇驚きの書物!!
10月に入って、数冊の本を購入しましたが、その内2冊は、10日で読んでしまいました。
これほど早く読むのは、通常ない分けですが、それほど読みやすく興味深い内容であったということです。
1冊は、「語ることが許されない 封じられた日本史」(保江 邦夫 著)というものです。
保江氏は、大学で天文学、大学院で理論物理学を学んだ理学博士という、バリバリの物理学者です。現在、ノートルダム清心女子大学の名誉教授に
なっています。
この物理学者が、ひょうんなことから歴代脈々と引き継がれてきた伯家神道(はっけしんとう)の秘儀の継承者になり、天皇家の祭記に関係するよ
うになったというものです。
そこに至るまでの記述において、「キリストは日本に生き延びていた」、「ユダヤと日本との関係」、「青森のキリストの墓はテンプル騎士団のメ
ンバーのもの」、「徳川家康が天下人になれた理由」、「キリスト教と浄土真宗(親鸞)」、「明治維新の真実」、「天皇の霊力」など、初めて聞
く話も多く、ノンフィクションにしては、内容があまりにも現実離れしているものです。しかし、色々と参考になるものでした。
もう1冊は、「世界史に残る不世出大神人 松下松蔵と宇宙の大気」(宮崎 貞行 著)というものです。
著者の宮崎氏は、官庁と大学に奉職し、現在は、見える世界と見えない世界をつなぐ物語を研究しているようです。
本書では、安藤弘平という大阪大学の電気工学を担当していた教授の体験から展開して、松下松蔵、福来友吉、浅野和三郎、塩谷信男、さらに政木
和三、本山博のつながりを紹介しています。
この先頭の松下松蔵が本書の中心人物です。彼は、明治6年3月、農家の長男として生まれ、体が病弱であったためか、運動よりもお寺で説教を聞
いたり、神社に参拝するのが楽しみであったということです。
親の手伝いで、塩田(えんでん)の仕事を行っていたということで、近所では大変な親孝行として知られていました。
松蔵46歳の時、人の役に立つことを願って祈っていると、突然、一升ほどの血を吐き、その後、徐々に能力が開花して難病を治していったという
ことです。
その治し方は、首をこっくり、こっくりと傾げ「よし治った」というもので、本当にそれで治っていたということです。
病人に質問もせず、病因を透視し「これが悪いな」と病所を当てるということです。そして、「もう治った!」というと、完治させていたというこ
とで、正に、イエスに劣らない能力と言われています。
スペイン風邪が大流行した大正8年には、毎日、200人以上の患者さんを治したということです。
遠隔でも同じ能力で治していたというから凄いものです。
但し、疑い深い人は、治りが遅かったようです。ここは、よく言われていることと同様です。
また、「宇宙の大気(だいき)」というのは、宇宙そのものを生み出した根源的なエネルギー、霊気のことで、松蔵は、この根源的な「大気」を、
これから深く科学的にも哲学的にも研究するよう求めていたということです。
彼によると、宇宙の大気が頭頂から流入して、人間の内臓を動かして人は生きていると言っていたようです。
この「宇宙の大気」は、おそらく「宇宙の意識」に通じるものでしょう。
本書の松下松蔵。
これほどの人を、私は、今まで知りませんでした。
この2冊は、やや心霊的に書かれているところがありますが、そこは解釈の問題であり、まったくのノンフェクションであります。
日本という特殊な国、そして、アダムスキーの宇宙論を軸に、読んでみるのも役に立つのではないかと思います。
2020.10.26(月) K・W