◇人類を襲う災害の意味を考えよう!
最近、人類を襲う災害や災厄が増えているようです。
歴史を振り返えれば、大災害や感染症による甚大な被害は少なくないわけですが、最近では、それがたびたび起こっているという状況です。
そこから私たちは、何を考え学ばなければならないのでしょうか?
例えば、大地震や豪雨などの自然災害は、人間生活の反動として考える部分もありますが、ほかに、人が本来住むべき適地について考えさせているように思い
ます。
かつて、大きな被害のあった地域には、〝言い伝え〟が残っている場合もありますが、世代が変わるたびに失われていったようです。
昔の人々の生活は、水があって、食物の栽培しやすい地域に住んでいましたから、それが今日まで続いているのです。
しかし、未成熟とは言え、現代科学などにより、居住地として、あまりに川に近い場合や急傾斜地の下にあるなど、問題はある程度わかっているのです。それを
「防災マップ」として作成し配布しているわけですが、問題は、生活者が簡単にその場から移動できないという点です。
移動を阻害するのは、愛着という問題もありますが、ほとんどは経済的な面が大きいようです。
また、感染症では、スペイン風邪のような全世界に多数の死者を出した例も少なくありません。
今回の新型コロナウイルスは、その性質から、人間生活の様々な場面で修正を余儀なくされています。
人間社会の中で、仲良く生きるために必要なコミュニケーションやスキンシップ。さらに、プロスポーツ活動や文化芸術活動を含めた経済活動など、こうしたもの
の在り方を考え直す必要性が出て来ています。
これは単に、代替手段を考えるという単純なことであってはならないと思います。
人類に迫る自然災害の数々は、人間が〝生きる〟ということについての理由、必然性など、常に問われ続けていると理解しなくてはなりません。
人は、健康に生まれ、両親をはじめ周囲の人々に愛され、学び、成長し、成人しては、人々にその感謝として、仕事など社会貢献活動を通して返して行かなくて
はなりません。これは、人間生活の基本的な在り方ではないでしょうか?
しかし、その基本そのものが、様々な理由からずれて来ているのです。
つまり、基本的な生活、本来の人間生活を阻害する要因が沢山あるということです。
そうした中での災害であり、災厄なのです。
これらは、人々の生活のいくつかを改善したくらいで、解決するほど簡単なものではないでしょう。
もっと、本質的な解決策が問われているのです。
このようなことを考えるたびに、〝人類に真の生き方を伝えた書〟、「生命の科学」の知識が、人類には求められているのだと感じずにはいられません。
2020.8.10(月) K・W
◇終戦の日に想う
去る8月15日。戦後75年目となる全国戦没者追悼式が、東京都千代田区の日本武道館において、天皇皇后両陛下をお迎えして行われました。
先の大戦における戦没者数は、約310万人と公表されています。
この日は、「戦没者を追悼し平和を祈念する日」とされ、天皇陛下より、「先の大戦において、かけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族
を思い、深い悲しみを新たにいたします。」とお言葉があり、「今後とも、人々の幸せと平和を希求し続けていくことを心から願います。」と述べ
られました。
そして、「過去を顧み、深い反省の上に立って、再び戦争の惨禍が繰り返さぬことを切に願い、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、全国民と共に
心から追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります。」と結んでいます。
戦後、毎年、このような追悼式を行い、亡くなった人々の悲しみ、深い反省、そして、本国と世界の平和を祈っています。
これは、先の大戦が、日本は仕掛けた国であり、敗戦国であるという歴史を認めてのものです。
過去の過ちを繰り返さないという想い、そして世界平和を希求することは、全世界から是認されなければなりません。そして、繰り返し述べること
で忘却しない、してはいけないと伝えるものです。
このような姿は、世界平和にとって重要な事であり必要なことだと思います。
一方、世界に目を転じれば、敗戦国はもとより、勝利国であっても、国を挙げて、このような行事を行っているのだろうかと考えずにはいられませ
ん。
全世界には、196の国があるとされます。
その国の方針や在り方を決めるのは、その国の憲法ですが、その中で、日本のような「平和主義」を据えた国々は、それほど多くはありません。
中南米のコスタリカは、軍隊そのものを持たないと謳っていて、日本より進んでいると言われますが、憲法上の表現が国により様々で、比較は単純
ではありません。
憲法に「侵略戦争の否認」を掲げているのは、フランス、ドイツ、韓国、バーレーンなどの国。「国際紛争を解決する手段としての戦争放棄」は、
アゼルバイジャン、エクアドル、ハンガリー、イタリア、そして日本とのことです。
世界平和に関する中心的な項目を見て、はっきり戦争を肯定しないと読めるのは、9か国ということになります。ここにコスタリカを加えても、
10か国しかありません。割合としては、世界の国々の5%程度しかないということです。
これは、国の根幹をなす〝憲法〟ですから、ある程度参考になる数字です。何とも、心もとないものですが、これが現状なのだと、知らなければな
りません。
実際には、憲法に「平和主義」を掲げていても、国民の「平和主義」に対する正しい〝理解〟、そして、それを支える〝精神が充実しているのか〟
ということが重要なのだと思います。こう考えると、さらに不安な状況でしょう。
残念ながら、世界の国々の方針等を見るかぎり、今後とも、武力衝突や戦争は、避けて通れないものと考えられますので、唯一、核攻撃を受けた敗
戦国として、日本の使命を見直し、そのうえで行動していくことが必要であると強く感じています。
2020.8.22(土) K・W