◇賛否の問題と正しい対応!?
地域の人とお酒を飲むたび、様々な事を考えさせられます。
それは、生きるということ、地域への想い、家族問題、行政への誤解など様々ですが、よく勉強をしていて色々な意見を持っているからです。
その中で、人々の考えというのは、一個人のある一つの事項についての考えであっても、明確にこうすればよいとか、こうしたいというようにハッ
キリと言えないものが多いということに気づきます。
数学ならいざ知らず、社会での事柄など、人間が行うものですからハッキリと割り切れないのでしょう。
しかし、同じ視点で社会を見ると、少々おかしな話ではありますが、むしろ「賛成」あるいは「反対」と、物事の決定に際し常に賛否のどちらなの
か意見が求められます。
そして、その結果は、多数決によって決められていきます。
例えば、賛成6割、反対3割、棄権1割だとすると、賛成のとおり行うこととなります。
結局、3割の反対者がいる中で、賛成の事項を行うこととなるわけです。
つまり、決定された事柄は、何の不安もなく澄んでいるのではなく、反対者の意向も混ざり言わば不透明となるのです。
しかし、調べてみれば6割の賛成者の中もクリアーではなく、疑義を持ちながらも賛成する人も含まれています。反対者の中を調べてみても、同様
なことがあるはずです。
言い換えれば、賛成や反対と意志を決めるけれども、多くの場合、完全にどちらかであるとクリアーに決めているのではないということです。賛否
を問う事項が、複雑であればあるほど決めかねることは多いと思われます。
なぜ、クリアーに賛成とか反対とか言えないのか?
それは、完全にどちらであると言い切れるほどのデータがないか、理解が十分でないか、自己に自信がないか、何らかの不安材料があるからだと思われます。
棄権を投じる場合も、内容がわからないので棄権の場合もありますが、良い点や悪い点が両方に見えるので判断できない場合もあります。
つまり、ハッキリしないのには、それぞれに意味があるということです。
但し、参集している人間が、利害関係がなく純粋に良きことを求めているというのが前提にあり、賛否に加わる人のそのことに対する知識が正しく、ほぼ同等の
知識量を有している必要があります。
多数決で何かを決める場合は、常にこのようなものであると思われます。
便利と同時に多くの欠点もありますが、人間の集団生活においては、ある程度やむを得ない手法であると思います。
ここで大切なのは、賛成多数で可決された場合であっても、実際には様々な考えが混ざってのものですから、それで完了ではなく賛成者が危惧するところ、反対
者が疑義を持った部分を改善する方向で進めて行くことであると思われます。
こうしていけば、どのような決定事項も、時とともに益々良くなっていくことになります。
ここで見えてくるのは、賛否でどちらが良いかを決めることではなく、それを良きものへと改善していくたゆまぬ人間の努力、人間自身であるということです。
決定内容にかかわらず、常に良き方向へ改善すること、こうした間断のない取り組みが地球上を発展させさせるために必要なのだと思います。
2017.7.1日(土) K・W
◇報道に左右されない真贋を見抜く力が大切!
「ニュースの深層を考える 3 NHK報道の劣化が止まらない 〜加計学園問題等の報道の問題点〜」 (元NHK地方放送局長)執筆の記事を読みました。
まず、「憂うべきNHKの報道」と題して、「政治の劣化が到底許されないまで進んでいます。・・・・・同時に報道の劣化も深刻です。中でもNHK報道は伝えるべき
ものを伝えておらず、極めて憂いべき状態です。」と書いています。
加計学園の問題では、取り上げる時間数が少なく、政権の言い分をそのまま伝える放送が目立つとしています。
そして、NHKが遵守すべき放送法4条1項で言われる政治的公平、事実を曲げない報道、多くの角度から論点を明らかにする、ということと真逆であると言って
います。
具体的には、5月25日のニュースウォチ9の加計学園関連の前川前文部科学省事務次官の記者会見ニュースを取り上げ、時間も短く内容も不十分で、キャス
ターのコメントが、「僕たちが知りたいのは真実です・・・・・。」の言葉には驚愕したとして、「真実をハッキリさせなくてはならないのはNHK自らの仕事です・・・。」と
しています。
その他、東京新聞や朝日新聞などで、「共謀罪」という言葉を使っているのをNHKは、「テロ等準備罪」と言って本質を弱めている。前川氏の発言に絡んで、汗を
拭く姿を大きく写したり、人格問題を批判するなど単なる個人の主張に格下げしようとしている。
また、5月29日、共謀罪に懸念を示した国連の書簡について、参議院の国会質疑で出されているのに、当日のNHKニュースで取り上げない。など、多くの疑義
を呈しています。そして、これらを扱うNHKのニュース番組の最後には、「与野党間の駆け引きが激しくなりそうです。」とコメントを放送し、問題の本質を曖昧に
していると書いています。
ここでは、極めて簡単に一部を取り上げて書かせていただきましたが、概ねご理解いただけると思います。
私自身、これらの報道姿勢に疑問を感じ、同様に考えていた所が多いことから、本文を読んで意を強くした次第です。
執筆者は、元NHKの地方放送局長ですから、多くの事例を基に鋭い視点で、古巣の報道に対する問題点を明らかにしたものでしょう。
その後、7月2日の東京都議会選挙で自民党が大敗した関係なのか、NHKの放送姿勢が若干改善されたようで、やや中立的な表現を用いた放送となっている
ようです。
しかし、NHKの存立と政府の関係が強いことから、政府の意向に大きく影響を受けていることに違いはありません。
朝日、読売、毎日、サンケイ、東京などの新聞や民間の放送局も、それぞれの系列があり強い弱いがあるものの、それぞれに自局の利益のために偏った放送
に努めています。
報道関係は、世論さえも作っていく力を持つ存在です。私たちは、政治などで行われている本質が、偏った放送により妨げられないよう、こうした事実があること
を認識し、数種の報道を見比べながら、常に本質を見るよう訓練しなくてはならないと思います。
2017.7.22日(土) K・W