◇世界貢献・・・支援の姿!
歴史を振り返れば、他国を支援するとの名のもとに、不平等条約、主従関係の構築、資源等の略奪など、いわゆる先進国が後進国に対して行ってき
たことでした。
しかし、こうした事実は、先進国が歴史を修正してきたことから、美化されて伝えられていることが多いものです。
そうした中、JICAによる「法律人財育成強化プロジェクト」が目に留まりました。
これは、次のようなものです。
「ラオスの司法省、法科大学、裁判所、検察院、ラオス国立大学のメンバーを対象に、民法起草や法令に関する執務資料作成に向けての支援を日本
の学識経験者、検事、弁護士、JICA職員がチームとなって行うというものである。特質すべきは、民法起草や執務資料作成の完了を最終目的と
する支援ではなく、支援を通して今後、ラオスの司法制度を担っていくラオスのメンバー自らで新たな法整備や法運用をスムーズに行っていくこと
を目指した人材育成が主眼とされていることである。」
私たちの感覚では、現職の司法関係従事者が、法整備や法運用をスムーズに行うために支援を受けるのは理解しにくいものですが、ラオスは法整備
が遅れていて、1975年に国家体制を樹立、憲法公布が1991年であり、現在までに80程度しか法が制定されていないようです。
法が未整備で、法の解釈もバラバラでまとまらない中、支援は始まったということで、スタート時は、通訳を解しても議論ができず、その後、日本
サイドでラオス語を習得し、ラオスの法をラオス語で理解するように努め、4年かけて共通認識をまとめたということです。
その結果、「法整備支援プロジェクト」から次の段階の「法律人財育成強化プロジェクト」に進行したそうです。
正に、この辺の支援の仕方は、宇宙的であると思います。スペース・ピープルが、地球人に対して行う支援もこれに似ていると感じます。
国が、他国に対して行う支援というものは、あまり好ましくないものがあるようです。そこには、自国の利益を優先する考え方が強く出てきてしま
います。しかし、本国の支援を受けているとはいえ、国益を優先する必要のない団体等による支援は、支援として好ましいものが多いようです。
未成熟な人や国を、平和的に生活し自立していけるすべを教える支援は、本当の意味での支援なのだと思います。私たちも、他者との関係において
そのことを意に留める必要がありそうです。
2015.5.6 K・W
◇消滅都市の脅威!
「地方消滅」あるいは、「消滅可能性都市」という言葉が、新たな脅威として日本に突き付けられています。
これは、2014年1月に国立社会保障・人口問題研究所が、「日本の将来推計人口の中位推計」を発表したことを受け、日本創生会議・人口減少
問題検討分科会が提言(2014.5.8)したことによるようです。これによると、現状まま人口が推移すると、2010年現在の日本人口1億
2806万人であったものが、2050年には9708万人、2100年には4959万人と激減するということです。この推計に基づき、201
4年5月には、「消滅可能性都市896のリスト」が出版され多くの自治体に衝撃を与えています。
そもそも、こうなることはかなり前から推計されていました。しかし、それを脅威として国をはじめ声高に叫ぶ人がいなかっただけでしょう。
近々では、介護保険制度の保険料試算での取り組みがあります。介護保険制度は、2000年にスタートしましたが、その保険料の試算には、高齢
者人口の推移を見定め、合わせて十数種類ある介護サービスの利用状況の推計により行っているものです。
その時点で、高齢者人口と合わせて、出生率を勘案していますので、当時、出生率1.42人程度であることから、人口減少は推計されていまし
た。ただ、各市町村により差が大きいことから、地方側で人口減少を日本的な危機と感じるのは、読みがたいものがあったと言えるでしょう。しか
し、それを総括する国は、知っていなくてはならないものです。
当時私は、戦争にのみ人は滅びない、子供を産まないだけでも滅んでしまうと考え、一部の人には話していましたし、そのようなことを書いたこと
もありました。
人口の減少が、一部の地方都市の消滅ではなく、日本人の消滅に繋がる可能性がある重要な問題であると認識する必要があります。
しかし、こうなったには多くの理由があるでしょう。
若い女性が東京に集中し、地方で減少するということが言われていますが、この他にも若い世代の給与が安いこと、逆に子育て、教育に経費が掛か
ること、異性への高望み、晩婚、未婚の増加、結婚する必然性の欠如、自己実現のみが重視されているなど色々推測されています。
勿論、そのような理由はあるでしょう。しかし、結婚して子供を育てることの素晴らしさが、自然に伝わるような家庭や社会であれば、少々の経済
的問題や我がままなことを超えて、温かい家庭を築けるのではないかと思います。そのような認識に至る教育が、欠落していることを如実に示して
いるのだと思います。
このような問題に対し、国の責任は否定できませんが、第二次世界大戦に敗れて以降、日本の背後に潜む悲惨な状況、多くの日本人に知らされてい
ない裏側の事情を感じないわけにはいきません。
2015.5.25 K・W