◇〝チ。〟を見て今を想う!
皆さんは、〝チ。〟という漫画をご存じでしょうか?
私は、〝チ。〟と聞いて、初めは何だろうと思っていました。
しかしこれは、天動説から地動説の正しさを立証しようという、世代を超えてリレーする人々の物語なのです。
作・画は、魚豊(うおと)さんで、小学館から漫画本が第8集まで出されています。
NHKの総合テレビにおいても、2024年10月より毎週土曜日午後11時45分から放送されていました。
私は、数冊読んだだけですが、お台場にある日本科学未来館企画ゾーンにおいて、展示会が行われていたことから見に行ってきました。
展示内容については、国立天文台上席教授の渡部潤一さんが監修されていることから本格的なものです。
平日に関わらず、若い人を中心に多くの方々が来場されておりビックリしました。
真正面からの天文学習より、人の心が交錯する漫画の影響の強さを改めて感じました。
入口では、「天文助手用」と「天文学者用」の小冊子が配布され、このどちらかを選んで展示を見ながら設問に答えるものとなっています。
内容としては、第1章として「地動説との出会い」、第2章「地動説の証明」、第3章「地動説の普及」で、それぞれに関連する設問が出されています。
〝チ。〟は、―― 地球の運動について ―― というサブタイトルがついていて、時代背景としてギリシャのプトレマイオス(85~165年)による天文学が1500
年間変わることなく、キリスト教による天動説に力を得て続いてきたことを伝えています。
このようななかで、天動説では説明できない現象があることから、地動説を唱える研究者が次々と出現し、リレー形式で研究成果を伝えながら真実へたどり着
くさまが描かれています。
異端裁判による死刑が盛んに行われる時代において、死の恐怖のなか人知れず地動説を完成させる理論を追求する姿は、人々の胸を打つことでしょう。
こうした歴史を経て、コペルニクスやガリレオの時代へと引き継がれていくのです。
これらの動きは、正に現代のアダムスキー支持者の姿のように感じました。
他者には、なかなか言えないものの、その真実を疑わず何らかの方法で伝え引き継ごうとするところが重なって見えたのです。
太陽が熱を持つとされる現代では、逆二乗の法則により地球より太陽に近い惑星は灼熱の地で、地球より遠方へ行くほど惑星は極寒の地とされています。
そんななかアダムスキーは、惑星により多少の違いがあるものの、どこの惑星でも人間が住める環境にあると伝えているわけですから、それを信じる私たちは
現代の〝チ。〟の姿であると思います。
しかし、科学ではなく合理的に考えても、この広い宇宙で、生命の育たない惑星が無数に太陽の周りを回っていること事態あまりにも不自然なのです。
また、現在、宇宙創成について、かつての理論が揺れていることも事実なのです。
私たちも、〝チ。〟に登場する異端の恐怖の中で研究する先人たちのように、アダムスキーが伝えた真実を絶やすことなく引き継いでいかなければいけないと
改めて考えた次第です。
2025.6.2(月) K・W