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当舎の目標は長距離レースで沢山の鳩を帰す事です。 その為には如何する事が一番確立が高くなるかを 指導してもらった事柄を実際に行なって検証し、また今までに経験した事柄を篩いにかけて来ました。 但し、その確立が高くなる事柄も「鳩が何故帰ってくるのか?」を基本的に考えて来た結果の積み重ね です。 |
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多くの人達は長距離になると鳩は巣箱に帰ってくるのだと考え、ペアにして抱卵や雛抱き或いは卵抜きで レースに参加していますが、分離でレースに参加している当舎には巣箱なるものは有りません。 また、止まり木に於いても3坪の部屋に♂♀がいて管理していた状態から2つに仕切って♂と♀を分離 する訳ですから、今まで止まって居た止まり木から離れる事になります。 東北北部ブロックの長距離レースにおいて、2008年の全滅レース以降2009年から今年まで長距離 レースにおいて、帰りの良い時も悪い時も連続して複数羽帰していることからも「巣箱」に帰ってくる のでは無いことがわかると思います。 |
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長距離レースに於いてはその鳩の帰巣本能が優れているとかその鳩の系統が優れているとか、またまた その鳩の体型などが優れているとかext兎角鳩の個体に関する事が決め手だと考え、鳩の各部(目・ 頭部・体型・手持ち・胸・腰・主翼・副翼・等々)について研究している人たちが多い事に驚きを隠せ ません。 鳩を飼育して50年ほど経ちますが、鳩を手に持って見ても鳩の良し悪しは一向に解らないで現在に至って います。 但し、間違いなく飛ばないと言われる欠点の有る鳩は解ります。 多くの人達はレースでの活躍を願い、優秀な鳩達を集める事に夢中になっていますが、本当にそれだけで 長距離を帰って来る鳩が出来るのでしょうか?・・・。 優秀な鳩が居れば長距離を帰って来る確立は 高くはなるでしょうが・・・。 それは多くの人達が行っている事です。 |
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長距離レースに活躍した鳩(帰還した鳩)では小型の鳩が多いとレース鳩誌や他のブログで良く目に しますが、果たして小さい鳩の方が優秀なのでしょうか?・・・。 小さい鳩を作出しようと人為的に餌を変えて与え、まだ羽毛が十分に伸びず皮膚が見える状態で親鳩から 離して巣立ちさせる事が本当に優秀は雛鳩が出来ると考えているのでしょうか?・・・。 当舎に於いて、長距離レースに活躍した鳩(帰還した鳩)で「小さいな」と感じた鳩は殆どいません。 手で持てないほどの大柄な鳩はいませんが、レースで参加した時には大きめだなと感じる鳩が殆どです。 元々、大き目(中型の部類)の鳩が好きなので、管理も自ずとその鳩達に合わせて行う様にしています。 鳩と人間では鳥類と哺乳類としての違いは有るものの遺伝的には似たような性質があると考えています。 例えば白人・黒人・黄色人種は見た目にはっきりと特徴が現れ、その特徴は代々受け継がれて行きます。 体型に於いても遺伝が大きく影響する事は否めないと考えています。 小さな鳩になる遺伝子を持つ雛鳩に いくら栄養価の高い飼料を与えても、ある程度の大きさ以上には成長せず、反対に大きな鳩になる遺伝子を 持つ雛鳩に栄養価の低い飼料を与えても、その鳩が1・2才と成長していけば、ある程度の大きさの鳩に なってしまいます。 1食当り15g×羽数分の飼料を与えられた場合、食べる速さが同じとし仮定した時、当然大きい鳩も 小さな鳩も同じ量の飼料を食べる事になります。 ところが、大きい鳩と小さい鳩では必要とする エネルギー量は違ってくるので、大きい鳩の方は飼料の量が足りなくなり、成長が段々遅れていきます。 その結果、小さい鳩の方が活躍する機会が増える事は当たり前なのです。 小さいから優秀なのでは有りません。 |
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若い時から訓練を行うと、帰巣本能に目覚めレースでの帰りが良くなると一般的に考えられていますが、 本当でしょうか?・・・。 本当に必要な事なのでしょうか?・・・。 7月でもう既に訓練を何回も行っている鳩舎がいる事を他のブログなどで拝見するに驚きを隠せません。 当舎に於いては秋レース前の訓練は例年9月23日頃に1回目の39K訓練を行い、連合会の100Kレース には参加せずその当日に2回目の53K訓練を行っています。 その後は訓練などはせず、連合会の200K レースに参加させておりますが、決して帰りは悪くはありません。 殆どの人達は短い距離からの訓練から徐々に距離を延ばして、数多く訓練を行っているみたいですが、 長距離志向の当舎にとっては無意味なことです。 有視界で方向判定すると言われる短い距離の訓練では 長距離レース時の方向判定能力の向上には繋がらないと考えています。 (短距離を早く帰したい人には 有効な方法かもしれませんが?・・・。) |
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若鳩時に舎外失踪やレース失踪した鳩は能力的に劣っていると思われ、迷い込みの連絡をしても、対応に 苦慮する事が多々有りますが、当舎の経験から優秀な若鳩でも精神的に不安定な時期があり、その時に 失踪する確立が高くなると考えています。 例として、2006年に作出した原鳩の直仔が近所の鳩舎に迷い込んでしまった時、返して貰い種鳩として 使った所、多くのシングル入賞鳩や長距離鳩を作出する事が出来ました。 又、ある年の秋レースにおいて、迷い込みの連絡を貰い、送り返してもらった若鳩3羽の内、翌年の 600Kレースで2羽が帰還し、その内の1羽は次の年の1000K難レースで活躍しました。 以上の経験から若鳩は精神的に非常に脆い所があり、失踪させない管理が大事であると考えるように なりました。 |
終わりに |
50数年レースに参加し、此処10年程の成績を踏まえて考えるに長距離を帰す為にはやはり 「鳩が安心して過ごせる鳩舎が有るから」が一番重要ではないかと思われます。 猛禽類の攻撃が激しくとも毎日の様に舎外をさせられ命からがら逃げ帰り、短い距離から何回となく訓練を 行う為に嫌でも掴まえられ、至る所で猛禽類の攻撃を受けて帰還していたのでは、苦労の絶えない 長距離レースになればなるほど帰還する確立は低くなる事は明らかです。 人間のアスリートの様に鍛えれば活躍できる確立が高くなる物では有りません。 自然界の影響を諸に受けてしまう鳩レースに於いては鳩を鍛えれば鍛えるほど鳩を虐める事となり長距離 レース帰還は遠のいて行きます。 |
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