分離システムの考えや実践の仕方



 
  「ひとりごと」に載せた分離システムに関する事を纏めました。
 
 
 分離システムは活躍出来そうな♀鳩が居る時に餌を食い込ませても産卵等の弊害が無く、コンデションの維持&上昇が

 出来、長距離での活躍が期待できるシステムだと思います。
 
 
 〇鳩舎構造 

 ♂鳩部屋と♀鳩部屋を仕切る時、お互いが見えない状態にする必要は有りません。
 
 当舎では4cm程の間隔で丸いアルミパイプを縦方向に木枠に取り付けた物で仕切っています。

 金網で仕切ると相手側に行こうとして金網にしがみついたりして尾羽根等を傷つけるので注意が必要です。

 入舎口は♂鳩部屋・♀鳩部屋それぞれに取り付ける必要は無く、♂鳩部屋に一つ有るだけでも大丈夫です。

 通常飛翔時間は♀鳩の方が長くなるので、分離当初は♀鳩から先に飛ばし、♂鳩は♀鳩が居た部屋に移動し、♂鳩が

 居た部屋に♀鳩を入舎させます。 ♀鳩の入舎が終わったら今度は♂鳩を飛ばします。
 
 
 〇収容羽数
 
 分離システムを行うには収容羽数に注意する必要が有ります。
 
 当然止まり木に収容できる羽数内になりますが♂鳩は♀鳩よりテリトリーを広くとる必要が有ります。
 
 2023年春レース時、♀鳩部屋1.5坪+展望台0.5坪に止まり木は49個有り42羽を収容、♂部屋2.5坪+展望台1坪
 
 に止まり木85個有り40羽を収容していました。
 
 
 〇♂・♀の羽数差
 
 収容羽数の他に♂鳩と♀鳩との羽数差に注意が必要です。
 
 羽数差の少ない方が良いのは当然ですが♀鳩が♂鳩の1.5倍程多くても成績には影響有りませんでした。
 
 しかし、反対に♂鳩が♀鳩より多すぎる時は成績は良くありませんでした。
 
 (ナチュラルシステムに於いても
♂ 鳩が♀鳩より多すぎる時は問題です
 
 
 〇発情対策
 
 発情が強くなり過ぎると♀鳩同士がペアとなって産卵したり、♀鳩が家出する様になるので、発情が強くなって来たなと
 
 思ったら♀鳩と♂鳩を同時に舎外し、入舎後は10〜15分程一緒にしてから再び分離、その後飼料を与える様にします。

 ♀鳩同士がペアになってしまった時、期待の薄い♀鳩を♂鳩部屋に移動したり、選手鳩から外す方法を取ります。
 
 ♂鳩部屋に移動された♀鳩は多くの♂鳩達が群がってお互い邪魔するので産卵する事は殆ど有りません。
 
 
 〇訓練
 
 分離システムで2017年までは長距離レース前の中間訓練を単羽で行っていましたが2018年以降は一切の中 間訓練は
 
 行っておらず朝夕2回の舎外だけで成績が落ちる事も無く推移しています。 
朝夕1時間程度の飛翔で十分だと思います。
  
 訓練を行う場合は在舎している鳩の殆どを参加させ、長距離レースにノミネートした♀鳩を先に単羽で飛ばし姿が見えなく
 
 なるまで(1〜2分程度)次の鳩の状態をチェックしていました。
 
 単羽の放鳩が終わったら長距離レースにノミネートしなかった鳩達を一斉に飛ばし、10〜20分程経ってから♂鳩も同じ
 
 様に飛ばしました。
 
 
 〇水浴び
 
 分離システム期間中は鳩達をリラックスさせる為、小まめに水浴びを行います。
 
 長距離調整カリキュラムを見て貰えれば解る様に3〜4日に一度水浴びを実施しています。(温浴する必要は有りません)
 
 
 〇舎外と飼料
 
 レース後は早めに舎外を再開し、朝夕1時間程度1週間ほどは飛ばし込み、高蛋白・高脂肪の配合飼料を朝は多めに
 
 夕方は少なめに与えます。
 
 反対に長距離レース持ち寄り日前3〜4日は舎外は行わず休養させ、高糖質の配合飼料を朝は少なめに、夕方は多めに
 
 与え、失われた筋肉内のグリコーゲンを溜め込んでいきます。
 
 
 〇課題
 
 分離システムに於いてもWシステム的な真似事が出来ないかと思い、2021年から持ち寄り前日の夕方の飼料を目一杯
 
 与えてから10分程♂鳩と♀鳩を仕切りを開けて合わせる様にしています。