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YJOCVA機関紙29号

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山梨青年海外協力隊協会通信
                    VOL.29 2011 1月

編集・発行 山梨青年海外協力隊協会  〒400-0422 南アルプス市
      (青年海外協力隊ОB会)        会長 平岩正幸
ホームページ http://www.fsinet.or.jp/~yjocva/

国際協力体験キャンプに参加して
落合みどり(S53-前-1次 ガーナ・理数科教師 )

 夏休み直前の恒例となりました山梨青年海外協力隊協会主催の「国際協力体験キャンプ」が,7月19日・20日(土・日)で行われました。
 今回で17回目となるキャンプ。ベテランOBが都合により参加できないという事で多少不安がある中で,数名の若手OBが参加し,与えられた分担作業もしっかりとこなしてくれました。これぞ「協力隊OBたるもの!」と思いました。さらに昨年同様,県立大学生3名が加わり,我々スタッフの一員としてしっかりとサポートしてくれました。
 今回参加した小学生は全員で39名,それに留学生や研修生・隊員OB/OGを含めて総勢68名のキャンプでした。梅雨が明けず,前々日まで雨が降っており,天候が危ぶまれていましたが,キャンプ初日に梅雨明け宣言され,すっきりとした青空に恵まれ,夏のキャンプにふさわしい2日間でした。
 留学生や研修生は約1ヵ月間の語学研修があったとはいえ,上手な日本語で子どもたちと話をしながら電車での往路を楽しく過ごしていました。  冒険ハイクにおいては,林間学校でできなかったから・・・を理由に参加した子どもたちもおり,多少足場がゆるんでいてドロンコになりながらも満喫していました。各国の料理作りにおいては、手伝ってもらうには日本語で説明しなければならず,そのことが面倒くさいからと独りで作ろうとする研修生もいましたが,子どもたちは慣れない火起こしや野菜切りを積極的に行い,時間通りにたくさんの各国料理がテーブルに並びました。  さて,2日目午前中に行われるこのキャンプのもう一つのメインである「国際協力講座」。例年であれば,『貿易ゲーム』が恒例なのですが,今年は思い切って「貿易ゲーム」を止めて,『○×クイズ』と『協力の四角形』にしました。ここ数年リピーターが目立つようになり,貿易ゲームでいいんだろうか−という話が持ちあがってくるようになってきていたのです。  昨年参加してくれた県立大生が今年も参加してくれるという事で,今年は,この『○×クイズ』を全面的に中心となって行ってもらう事にしました。班人全員が知恵を出し合い,協力して得点につなげていく−中間発表でヒートしながらのゲーム展開となりました。途中得点が加算されない『協力の四角形』をはさみ,最後は研修生たちと『ジャンケンゲーム』で得点を競い合いました。研修生のそれぞれの国の言葉での『ジャン・ケン・ポン!』の掛け言葉を紹介してもらい,その掛け声でジャンケンして勝ったら得点が得られるゲームで,これも県立大生が考えてくれたゲームです。子どもたちの心をうまくとらえ,日頃より国際協力に関心ある大学生なので,今回のこういう企画を今後も取り入れてもよいのではないかと思いました。
 今回のキャンプでは,思いがけないハプニングや怪我・事故もなく,国籍や世代を超えて参加者が全員協力し,楽しむことができたという夏休みのスタートとして想い出深いものになったと思います。







隊員活動報告

伊藤 理絵(H19-1 キルギス共和国 養護)

 19年度1次隊でキルギス共和国に養護隊員として派遣されました。北杜市出身の伊藤理絵です。現在は山梨県国際協力推進員として、活動させていただいています。 『キルギス共和国』ってご存知ですか?


小さいけどいろいろな魅力の眠る国です。シルクロードも通っている国です。夏の気温は甲府のようにとっても暑く、40度くらいになります。冬はとっても厳しくマイナス20度くらいまで下がります。観光地は「イシククル湖」という湖です。キルギス語『暑い水』という湖です。厳しい冬でも凍ることがないというとても不思議の多い湖です。
 私は、養護隊員という職種で派遣されました。首都のビシュケク市にある特別支援学校のような機能の私立学校で活動しました。
 障害があっても強く頑張る子どもたちに助けられ、わたしは活動していました。彼らにチャレンジすることの大切さを教わりました。いつもいつもわたしのことを笑顔で迎えてくれる彼らに感謝です。
 暑い日も雪の日も。道が凍っていて、滑って転んだ日も…。毎日彼らに会いに行くのが私の楽しみでした。  また伝統的な遊牧民で、羊が国道を通るたびに車が止まる。歩行者でも車でもなく、羊優先道路に驚くこともたくさん。毎日が発見と驚きでした。魅力あふれるキルギス共和国にぜひ皆さんもいってみませんか?



名取正司 (H18-2 ジンバブエ 土木)
プロフィール
 1978年山梨県生まれ。大学卒業後、東京都内にある発電プラントの建設会社に入社し5年間勤務。退職した後2006年、協力隊員(土木)としてジンバブエに赴任。2008年帰国、山梨県内の機械メーカーに就職し設計を担当する。本業の傍ら山梨通訳ボランティアネットの立ち上げに関わり、現在は、通訳ガイドボランティアの他事務局のHP作成に携わっている。

協力隊時代の主な活動内容
 配属先は、ジンバブエの首都ハラレにある、ハラレ総合技術専門学校土木建築学部土木工学科。土木工学講師として学生に、パソコンを使用した製図(Auto-CAD)の実習やプロジェクトマネジメントを教えるかたわら、ペットボトルを使用した太陽光温水器の製作や学校案内マップの看板製作などを企画した。また他校の講師を集め、Auto-CADのワークショップを開催するなど指導員への技術移転にも取り組んだ。
 協力隊に参加するまでボランティア活動と呼べるものに参加したことはなかったという名取正司さん(ジンバブエ・土木・H18年度派遣)。「ジンバブエの人たちは外国人である私に対して本当に親切に接してくれました。
帰国後は恩返しとして日本にいる外国人のためになることがしたい」。そんな思いから、帰国するとすぐに山梨県国際交流課と国際交流協会が実施した英語と韓国語観光ボランティアガイドの研修会に参加。そのときの参加メンバー数人が中心となり、山梨を訪れる外国人観光客を対象に活動する通訳ボランティアの会を設立しようという動きが出てきた。
 英語、韓国語、中国語を担当する3つのグループを作り、その代表者を決めることになったが、25人ほどいた英語のグループではなかなか立候補者が出なかった。「山梨県の観光を盛り上げる絶好のチャンスだ」と感じていた名取さんは、英語が得意なわけではなかったが、思いきって代表に立候補。「ボランティアなんだから、やる気があればなんとかなる」という協力隊経験で得た信念があった。

勇気ある行動が生んだ成果
 会の名前は「山梨通訳ボランティアネット」。英語グループの代表に就任すると名取さんは早速、会員たちの意見の取りまとめや日本政府観光局へ会の設立申請などに走り回った。
会員の年齢や経歴はさまざま。その意見のとりまとめに心労もあったが、名取さんの意気込みはメンバーにも伝わり、2009年7月、山梨通訳ボランティアネットが無事設立を迎えた。
発足時の会員は約30人。「海外滞在や旅行を通じて現地の人にお世話になったから、日本にいる外国人に何かしら恩返しがしたい」「ガイドをすることで地元山梨のことをもっと知りたい」「語学力を維持したい」など参加者の動機はさまざまだ。  毎月1回の定例会では、活動の報告会や反省会のほか、勉強会を行ってお互いに語学力やガイドの方法についてスキルアップを計っている。会のメインイベントは、毎年4月に行われる甲府市の「信玄公祭り」。40回目を迎えた今年は、横田基地から来たアメリカ人観光客たちを会のメンバー18人で案内した。「もっと山梨のことを詳しく説明したい」「もっとスムーズに、もっと面白くガイドをしたい」。祭りの後にはさまざまな課題がメンバーから出されたものの、観光客からもらった感謝の言葉にはみな充実感を覚えていた。 「ボランティアガイドは、プロのガイドと違って語学力が不十分な分、相手とわかり合おうとする異文化交流のモチベーションが高いのがメリットだと思います」

自分の得意分野をいかした活動
 このボランティア活動には「自分のため」だと思って取り組んでいる名取さん。ひとつひとつの活動が自分を成長させる貴重な経験だと考えているため、面倒な作業を負担するのもいとわない。名取さんはパソコンに強いという特技を生かし、会の設立当初からデータ管理や会のホームページ作成・運営を担当している。「ホームページの運営などはとても手間ひまのかかる作業ですが、自分の得意なことで貢献できているのでやりがいも大きいです」  「地元の山梨でこのような国際交流のボランティア活動ができるとは思ってもみませんでした」。会ではこれからさらに新しい活動場所を開拓し、より幅広く山梨の魅力を伝えていきたいと夢をふくらませている。

パソコンを使用した製図方法を指導する名取さん(写真中央)。学生たちは数少ないパソコンを共有しながら実習に取り組む。



2010年7月号 クロスロードより


2010年度 関東ブロック評議員会
会長 平岩正幸(S60-2 ドミニカ共和国 電子機器)

 2010年度の関東ブロック評議員会は、群馬県が幹事県となり、11月20日と21日の一泊二日で水上温泉で開催されました。
 山梨からは、私と高石さん、石原さんの3名が参加しました。昨年は山梨が幹事県だったのでいろいろと大変でしたが、今年は気楽な気分で参加しました。
高石さんは、前日から東京で育てる会の会合があり、現地集合で合流しました。
 初日は、OB会活動のさまざまな面からのグループ討議を、グループに分かれて討議し最後にそれぞれのグループでの結論を発表しました。
 民主党に政権が変わって、事業仕分けが行われたことは皆さん知っていると思いますが、JOCVのさまざまな事業も事業仕分けの対象となり、今回はそういう面も大いに討論対象になるのかと予想していましたが、事業仕分けに関する話題は、経過報告程度でした。
 討論では、OB会活動は厳しい経済環境で予算も減っていく中どうしたら活動を活性化できるかということを中心にさまざまな意見がでました。また、具体的な話としては、協力隊OBと直接話ができる場の提供をするという目的で動き始めた、「協力隊ナビ」について各OB会により、取り組み方が異なるので、さまざまな意見交換がされました。 それから、予算がだいぶ減った中で実施される、「エッセイコンテスト」についてもさまざまな意見がありました。
 このところ、尖閣諸島での中国漁船の衝突事件や、北朝鮮の韓国の島への砲撃事件など近隣諸国も情勢が流動的です。日本国内も、若者の就職難や格差問題は拡大しつつあります。 若者がますます、内向きになって外国にいきたがらないような現代にあって、JOCVのように草の根レベルで、現代の世界を見て、肌で感じてくる人は貴重な存在ではないでしょうか。水上に集まった人たちとの、交流でJOCVのますますの発展を願わずにはいられませんでした。 2日目にJOCAからの今後の方針や、事業報告、質疑応答のあと昼には解散になりました。
 水上は、谷川岳の玄関口なので帰りに谷川岳を観光して帰りました。ロッククライミングで有名な一の倉沢も久々に間近でみることができて、感動しました。2日間、天候にも恵まれ、すばらしい関東ブロックだったと思います。




いってらっしゃい

 6月18日(金)県庁にて平成22年度1次隊県知事表敬訪問が行なわれ5名の新隊員が小沼副知事と会見しました。
 同日夜壮行会が行なわれ久しぶりにJICAから山本副所長をはじめ3名が参加し総勢30名ほどの参加者が新隊員を激励しました。

左より 氏名 隊次 派遣国 職種 住所
新隊員 坂下 緑 H22年度1次隊 バヌアツ 小学校教諭 甲斐市
新隊員 藤原 瑞穂 H22年度1次隊 ネパール 栄養士 北杜市
新隊員 市川 裕美 H22年度1次隊 ブータン 青少年活動 笛吹市
副知事
新隊員 田中 康博 H22年度1次隊 モザンビーク 青少年活動 甲斐市
新隊員 渡辺 俊一郎 H22年度1次隊 モザンビーク 理数科教師 南都留郡富士河口湖町
帰国隊員 西岡 真紀 H19年度3次隊 メキシコ 養護 北杜市
(県外在住) 野村 正竜 H22年度1次隊 サモア 理数科教師 北杜市




9月17日(金)県庁にて平成22年度2次隊県知事表敬訪問が行なわれました。

左より 氏名 隊次 派遣国 職種 住所
新隊員 平 顕誠 H22年度2次隊 セントスシア 作業療法士 南アルプス市
新隊員 中山 辰則 H22年度2次隊 ニジェール 青少年活動 北杜市
副知事
新隊員 渡邉 良子 H22年度2次隊 ラオス 助産師 南都留郡富士河口湖町




12月17日(金)県庁にて平成22年度3次隊県知事表敬訪問が行なわれました。

左より 氏名 隊次 派遣国 職種 住所
新隊員 古澤 輝由 H22年度3次隊 マラウイ 理数科教師 甲府市
新隊員 滋賀 隆昌 H22年度3次隊 中華人民共和国 日本語教師 南都留郡富士河口湖町
新隊員 原田 匡剛 H22年度3次隊 ジプチ 小学校教諭 上野原市
副知事
新隊員 五味 文子 H22年度3次隊 ベリーズ 美術 甲府市
新隊員 田村 雅子 H22年度3次隊 タンザニア 理数科教師 山梨市
帰国シニア 飯島 好美 H20年度2次隊 タイ 手工芸 甲府市



壮行会は夜6時30分から志麻の郷湯村で行われました。今回は最後に新隊員、帰国隊員で持ち寄った民族楽器を使って「武田節」を歌い、大変盛り上がった壮行会でした。


編集後記
 年末には発行したいと思っていた機関誌ですが、年を越してしまい申し訳ありません。
 今年は「やらなければならいことは先送りしないですぐ処理する」を目標にしていきたいと思います。今回、2010年度の関東ブロック評議員会に参加しましたが、気になっていたモロッコ隊員時代のOBに出会えたことが収穫でした。(石原)