2020.7.31(金)〜8.3(月) 飯豊山

コロナ禍第2波により新規感染者が増加しているとはいうものの、2〜3週間前から計画して予約していたし、考えていてもなにも起こらないので、行くことにした。 2013年版の地図だから7年前から温めていた山だ。なかなか手ごわい山ではあるが、単独で行くことにした。スリルのある岩場を楽しみ、今真っ盛りの高山植物に癒され、これぞ登山の醍醐味を充分に満喫してきた。

2020.7.31(金) 1日目

名古屋を9:30過ぎの新幹線で出かけた。本日は東海道・東北新幹線経由郡山まで行き、レンタカーで飯豊山のふもと「いいでのゆ」までの行程としている。高速道路の途中「磐梯山」を望むことができた。いいね。いいね。と、独り言。

郡山駅から約2時間「いいでのゆ」に到着。翌日からの試練(笑)に備えて、ゆっくりとくつろいだ。


高速道路から磐梯山

 
 
前泊の「いいでのゆ」

2020.8.1(土) 2日目

宿を6時過ぎに出かけた。川入登山口(御沢野営場)の駐車場を6:45頃出発。いざ気合を入れる。林道を歩くと、樹齢何百年かの大きな杉の木が迎えてくれた。ここが登山口となっている。

登山口からは長坂尾根と呼ばれる急登となっている。下十五里、中十五里、上十五里、、笹平と約500m〜600mごとに休憩ポイントがあり、ゆっくりと高度を上げていった。かつての頃のような歩き方はできない。歳を感じる。

 
左から 川入登山口の杉の木、中十五里、上十五里
長坂尾根を登りきると今度は地蔵尾根だ。ピークの剣ヶ峰から三国岳までは、鎖場のある岩稜地帯で両方が切れていて、今回の最大の難所だ。足を滑らせると命がない。前も後ろもだれもいない。「ここで転落すると助けてもらえないなあ」と考えながら慎重に通過していった。

 
左から 笹平、地蔵尾根、剣ヶ峰

剣ヶ峰の難所を通過すると、三国避難小屋が待ち受けてくれた。(12:40) 本日の宿泊はここではない。もう一つ上の避難小屋だ。三国避難小屋で休憩していると、小屋番の人に「ここで泊まっていきなよ」と言われたが、「もう少しがんばる」と。

30分程度休憩して、切合避難小屋を目指した。ここからは標高差それほどないが、アップダウンを繰り返すので、これもまた疲れる。13時頃出発して約2時間、15時過ぎに切合小屋に到着した。

今夜はここでお世話になる。この避難小屋は食事の提供があるので、予約していた。明日登る本山方面、前衛の山をを見上げる。明日いい天気になりますように。

切合避難小屋

 
切合小屋から頂上方面

2020.8.2(日) 3日目

4時50分、東の空が輝いた。小屋の前からご来光だ。今日はいい天気に恵まれそうだ。小屋番の人もこの夏初めての晴天だという。5時からの朝食卵かけごはんをいただき、早速出発した。
登山道の一部、雪渓を通過する。重いのにアイゼンを持参していたが、50mほどでもあり、また傾斜もそれほどではないので、装着しなかった。
 

切合小屋からご来光

 
登山道から飯豊神社方面

草履塚、姥権現、と高度を上げていくと、飯豊山神社のある飯豊本山小屋に到着。ここまでくれば、あと20分程度で頂上だ。8時15分飯豊山頂上到着。長かった。それにしても本日は晴天なり。素晴らしい展望だ。南に北関東の山々、北に東北の山々。来てよかった。と至福の瞬間だ。


頂上が見えてきた

 
頂上にて

20分程度頂上での展望を楽しみ下山した。下山途中であっという間に頂上付近はガスに覆われてきた。ラッキーだった。あと1時間出発が遅かったら展望がなかったのだ。天気がいいゆえに温められた気流が上昇してきたのだ。10時45分頃には切合小屋に戻ってきた。デポしていた荷物をザックに詰めなおし、軽く食事をして本日の宿泊の三国避難小屋を目指した。

今、高山植物の真っ盛りだ。特に頂上付近から切合小屋までは多くの高山植物が咲いている。固有種の「イイデリンドウ」も見つけることができた。ニッコウキスゲは群落となっている。これもまた山登りの楽しみでもある。

頂上から御西岳方面

 
蔵王山遠望

14時過ぎに三国避難小屋に到着した。「今日はここまで!」だ。下山できる時間ではあるが、ゆっくりすることにしている。小屋番の方に「今日常連さんが来るので懇親会に参加しないか」とお誘いを受けた。この避難小屋は利用する人が少ないため、親密さがある。小屋番の方と新潟からこられた常連さんとですき焼きの懇親会だ。一人で来るとこんなこともあって楽しい。


三国岳避難小屋

 
 
小屋番の方と常連さんとですき焼き懇親会

2020.8.3(月) 4日目

食事を済ませて、6時前に出発した。本日は約3時間30分をくだるだけである。とはいっても剣ヶ峰を通過するので緊張は続く。御沢野営場には9時10分頃到着した。汗びっしょりになった。当然先日泊まった「いいでのゆ」に直行。郡山まで戻って予定の新幹線で返ってきた。

今回は、久しぶりに本格的な山に登ってきた。冒頭にも書いたが、やはり歳を感じている。トレーニング不足もあるが特に登りが辛くなっている。これからはゆっくりと楽しむ山登りだなあ、と。
飯豊山、懐の広い山だった。岩稜のスリルと高山植物に癒される山旅だった。
 
飯豊山で出会った高山植物の一部  
 
左から ミヤマクルマバナ、シラネニンジン、チングルマ
 
左から ニッコウキスゲの群落、イイデリンドウ、ハクサンシャジン