- 制作者(webmaster)
 
	- 野嵜健秀(Takehide Nozaki)
 
- 公開
 
	- 2002-03-01
 
- 改訂
 
	- 2006-07-10
 
 
HTMLのポイント
HTMLには、細かい決りがたくさんあります。しかし、いくつかのポイントをおぼえておけば、よろしくないHTML文書の書き方は避けられます。
HTML文書の記述形式
HTML文書の基本構造
多くのサイトが、「HTML文書の基本構造」について、不適切な解説をします。
取敢ず、ここで、HTMLの仕様書の暗示する「正しい」HTML文書の基本構造を示しておきます。
	<title>〜タイトル〜</title>
	
	<h1>〜見出し1〜</h1>
	<h2>〜見出し2〜</h2>
	<h3>〜見出し3〜</h3>
	<p>〜段落〜</p>
	<p>〜段落〜</p>
	……
	<h3>〜見出し3〜</h3>
	<p>〜段落〜</p>
	<p>〜段落〜</p>
	……
	<h2>〜見出し2〜</h2>
	<h3>〜見出し3〜</h3>
	<p>〜段落〜</p>
	<p>〜段落〜</p>
	<h3>〜見出し3〜</h3>
	<p>〜段落〜</p>
	<p>〜段落〜</p>
	…… 
見出し1以下は、既に存在する自然言語による文書の基本構造にほかなりません。title要素は、ユーザエージェントに対して唯一、明示しておかなければならない文書情報です。
この「基本構造」にプラスするかたちで、マーク附けをすすめていくのが安全です。
タグと要素
全ての要素は開始タグと終了タグによつて明示されます。
	- HTMLでは、開始タグ・終了タグが「ある」場合にも、「省略できる」場合があります。終了タグの「ない」要素も存在します。
 
	- XHTMLでは、全ての要素に開始タグと終了タグが存在しますし、はっきり記述する必要があります。空要素にも終了タグを記述します。これはXMLの決り事です。
 
ブロック要素とインライン要素
文章には、語句と文とがあります。文章をマーク附けすることによつてできあがるHTML文書にも、インライン要素とブロック要素があります。
HTMLの要素には、文書の大まかな構造を示すブロック要素と、個別の語句の意味を明確にするためのインライン要素とがあります。
	- HTMLの要素には、常に入れ子関係がある。
 
	- インライン要素は常にブロック要素の中身になる。
 
	- ブロック要素には、他のブロック要素の中身になり得るものと、なり得ないものとがある。
 
マーク附けの要点
明示する事の多い要素、明示すべき要素
	- title要素のみ、常に明示する事(HTML)。
 
	- h1〜h6要素で、見出しを明示する。
 
	- 一つの形式段落を一つのp要素として明示する。
 
	- a要素は多くの場合アンカーの出発点に使用する、と取敢ず覚えておく。
 
使用すべからざる要素、記法
世間一般で「良く使用される」要素として紹介されるものの中には、使用しない方が良いものもたくさんあります。
	- br要素は、多くの場合、使用しない方が良い要素です。
 
	- font要素は、絶対に使用しない方が良い要素です。
 
	- 「tableによる整形」を意図したマーク附けは、注意が必要です(絶対に駄目とは申しません)。tableでHTML文書を「整形」する場合、table関係のタグを全部とりはらつても全く問題のない形に、マーク附けをしておく必要があります。
 
	- フレームを使用する事はおすすめしません。閲覧者の環境を限定しない形で、適切にHTML文書を作成し、サイト全体を維持し続けるのが、非常に面倒だからです。もちろん、手を抜けば簡単にサイトは作れます。しかし、それでは必要最小限のユーザビリティすら確保できない可能性があります。手抜きはおすすめしません。
 
	- divやspanの開始タグ・終了タグを省略しても、マーク附けがValidである様にHTML文書は記述しなければなりません(私見)。body直下に置かれたdivの直下に、生のテキストやインライン要素をいきなり記述するのは、好ましい事ではありません。。
 
汎用性
あなたは、今、あなたの目の前にあるブラウザにだけ、自作のHTML文書を「対応」させれば良いのですか――よくよく考察してみるべきです。ブラウザによるHTML文書の整形結果は、HTML文書を記述する時点では、無視して良いのではないですか。
	- プログラムにおもねらない事、自分の意図を明確に表す事だけを目指す事。
 
	- 正しいHTML文書を書いたら、それをプログラムが適切に表示するのは当り前だと信ずる事。
 
	- HTML文書の整形はスタイルシートの機能であると理解する事。
 
	- HTML文書の整形を自分で指定する時には、自分が全ての責任をとる覚悟をする事。即ち、プログラムが適当に処理してくれる事を期待せず、自分で全てのスタイルを詳細に指定する事。特定のブラウザのデフォルトスタイルシートを想定(あるいはそれに期待)して、中途半端なスタイルシートを作成しない事。
 
指針
	- より正しい記述をする事を目指す。
 
	- 仕様上「invalid(誤り)」である上に、特殊である事が明かな「裏技」は使用しない。
 
	- 大原則を優先し、些事に拘泥しない。
 
	- 便宜主義に流されない事。常に理想主義的な態度をとる。
 
	- より良いものを望む人に対して失礼にならない様にする。誤りを知りながら開き直る失礼な人に対しては、こちらも失礼な態度になるのは已むを得ない。
 
ある意味「精神修養」的な、あるいは、精神主義的な観もある意見ですので、現実には妥協せざるを得ない場合もあるかも知れません。