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展示車両 画像上(赤) RS-L型(北米向輸出仕様 左ハンドル)、画像下(黒) RS型(博物館2Fに常時展示) |
1955年(昭和30年)1月、初代トヨペットクラウンが発表・発売される。 戦後、1950年代に入ってから、日本経済は徐々に回復し、乗用車の完全国産化が始まろうとしていた。 その幕開けに誕生し、本格的な量産を行ったのがトヨペットクラウンである。 信じ難いかもしれないが、全長4,285mm、全幅1,680mmと、現在のカローラよりも小さいボディサイズで 登場したのであった。 エンジンは、この2年前から「トヨペットスーパー」に搭載されていたR型1,453cc 直列4気筒OHVエン ジンを採用、最高出力は48PSであった。 当初は1.5Lのみであったが、途中で、3R型1.9Lエンジン搭載車も追加された。 フロントにダブルウィッシュボーン式独立懸架を採用、タクシー用としてはフロントもリジッド式サス ペンションを採用した「トヨペットマスター」も発売されていたが、ダブルウィッシュボーンの耐久性に 問題ないことが後にタクシー業界からも認められたため、マスターは廃止となり、クラウンのタクシーが 世に広まったのであった。 発売から3年が経った1958年には、北米への輸出も始まったが、高速走行時のパワー不足の指摘などが 理由で、わずか2年で中止された。 価格は発売当時でおよそ100万円であり、当時の大卒初任給がおよそ1万円という時代であったことから、 乗用車が相当高価なものだったことがわかる。 開口部分を広く取るため、観音開きドアが採用されたことも大きなトピックスだ。 |