03年5月27日追加
クルマのバリアフリー化の現状について考える
最近、車椅子マークのステッカーが貼られたクルマをよく見かける。
これは身体に障害を持った人が乗っているという意味である。車椅子がないと生活ができ
ないお年寄りの方々が乗り降りしやすいようにシートが回転するクルマ、ワゴン車などで
はリヤハッチからスロープが出てきて車椅子のまま乗り降りできるクルマ、また、普段車
椅子がなければ生活できない方も手の操作だけで運転ができるクルマなどなど、福祉車両の
種類も多くなってきた。
パーキングエリアや病院の駐車場などでは車椅子のマークがあるところがある。
これは、
「身障者専用」と言う意味で、病院では通院のため、パーキングエリアではトイレの前など
にあり、スロープがあってトイレにすぐ行くことができるように配慮されていて、一般車両は
停めてはいけないことになっている。
ところが、現状は「車椅子マークが貼ってあれば停めてもいいんだ」と解釈しするドライバーが
いるという非常に悲しいものである。身障者スペースに停められて、いざ障害を持った方が乗った
クルマが停めようとしたら困るだろうし、それが一般車両だと知ったらたまったものではないだろう。
この前、高速道路のサービスエリアで休憩していた時のこと。身障者スペースに1台のRV車が
入ってきた。確かに車椅子マークは付いているが、降りて来た7人全員が健常者である。
しかも、車椅子が乗り降りできたりといった仕様ではなく、何の変哲もない普通のRVである。
結局、車椅子マークの本来の意味を何もわかっていないのだ。
実際、カー用品店を見てみると、車椅子マークは普通に売られている。これ自体がまずおかしな
事だと考える。誰でも簡単に購入できるということが間違っていると思うのである。
例えば、カーディーラーで福祉車両を購入する際、障害者手帳を提示しなければ売ることが
できない、カー用品店でも障害者手帳を提示しなければ買うことができないなどといった
ふうにできないだろうか。こうするだけでもクルマのバリアフリー化に貢献できるように思える。
だが、最終的に必要なのはドライバーそれぞれの意識である。「あそこに停めたら、もし
その間に福祉車両が来たら困るだろうな」というちょっとした心配りである。
車椅子マークの取扱い方についても重要だが、ドライバーそれぞれの心配り、協力が何より
重要であり、これが最終的にはクルマ社会のバリアフリー化につながるのである。