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久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』 693号
2025年 6月30日


693号ファイル

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東鷲宮立体通路工事の遅れ 費用膨張

  東鷲宮駅東口の立体通路工事が大幅に遅れています。
3月までに完成予定だった橋げた工事が遅れたため、6月市議会に予算の繰越し報告書が提出されました。
遅れた理由は《整備工事の継続に関する地元住民との調整に不測の日数を要し、年度内の完成が困難となったため》と書かれています。
しかし工事がこんなに遅れたのは、地元では最初から『必要ない』という声が強かったのに、それを無視して建設を強行しようとした見通しの甘さが原因です。
遅れた理由を住民のせいにするのは許せません。

 最初は2022年に市長が突然、桜田コミセンとこどもの遊び場をヤオコー2階に間借りで設置し、駅の地下通路から立体通路でつなぐという計画を発表しました。
その後、駅の地下道から上がるエレベーターとは別にもう1基設置し、エスカレーターも追加することになって工事費が膨らんでいきました。
結局、昨年の桜田コミセンの開設までに間に合わず、今年3月に予定していた通行開始も実現できず、昨年にはエレベーターとエスカレーターの入札に参加する企業もなくて、完成見通しが立たない状態に追い込まれました。
やっと4月に入札が行われ、市では秋以降に工事を再開して、来年3月に完成予定と言っています。

 立体通路の費用は当初は3~4億円と言われていたのに、昨年には4億9100万円に跳ね上がりました。
その後、エレベーター・エスカレーターの設置費用の増額などで、建設費用は5億3849万円にまで膨らみました。なお、
市では建設工事の他に、30年間の維持管理費1億3570万円、ヤオコーとの30年の賃借契約が終わった後の立体通路撤去費用2億円と説明していて、総経費は8億7000万円超にものぼる見込みです。


【6月市議会】 高額療養費の自己負担上限引き上げの撤回を求める意見書

 高額療養費の負担軽減を求める
 国への意見書を提案しました。
提出者/川辺、賛成署名議員/猪股(市民の政治を進める会)・渡辺(共産党)です。
最終日の7月7日に採決されます。

高額療養費の自己負担上限引き上げの撤回を求める意見書

 2025年の政府予算案には、患者が支払う高額療養費の自己負担額を8月から段階的に引き上げる「見直し」が盛り込まれていました。

 しかし、がん患者団体をはじめ多くの国民の強い懸念の声を受け、政府は上限引き上げを見送り、今年秋までに改めて方針を検討・決定すると発表しました。
しかし、これは一時的な「見送り」にすぎません。
政府は2028年度までに高額療養費の自己負担限度を見直すと明記されている「全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋(改革工程)」についても根本から見直し、徹底的な再検討を行うべきです。

 自己負担の上限が引き上げられれば低所得者だけでなく、長期の治療を必要とする患者やその家族は取り返しのつかない苦境に追い込まれます。
すでに、がんや難病を抱える患者たちから「治療を受けられなくなる」「生活が立ち行かなくなる」「生命をつなぐ治療を諦めざるを得なくなる」といった切実な叫びが寄せられています。
これは単なる経済負担だけの問題ではありません。生命の問題なのです。

 現状を見ても、税や社会保険料を合わせた国民負担率はすでに50%に迫っています。
可処分所得は減少し、賃上げは物価上昇に追いつかず、実質所得は3年連続でマイナスです。
そんな厳しい状況下で、高額療養費の負担増を実施することは、国民に「生命を諦めろ」と迫るのと同じです。

 高額療養費制度は、がんや難病と闘う人々にとって、生きるための命綱です。
この制度を後退させるのではなく、政府はむしろ拡充にこそ全力を尽くすべきであり、負担増の「見送り」ではなく撤回を強く求めます。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

久喜市議会

提出先
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 財務大臣 厚生労働大臣 あて 

【一般質問】 がん患者のアピアランスケア助成拡大を

 私は市議会で2022年から『がん患者のアピアランス(外見)ケア事業』を提案してきました。
市はこれを受けて昨年度から、がん患者がウイッグを購入する際に助成金1万円を支給する制度をスタートしました。
しかしこの間に他市での取り組みは大きく拡がってきています。
すでに県内46市町で助成制度が実現していて、他市町はすべて補助対象をウイッグだけでなく、補整下着や乳房補整具などにまで拡大し、助成金額も2万円以上などとなっています。
それなのにいまだに久喜市だけが、補助対象はウイッグだけ、助成金額も最低額の1万円にとどまっています。

 今や日本人の半分ががんにかかっていると言われていて、働き続けながら手術や抗がん剤などの治療を受けるのが普通のことになりつつあります。
ウイッグや補整下着がもっと容易に購入できれば、社会参加もしやすいのですが、値段が高いのがネックになっています。
他の市町では支援制度を拡大して、がん患者が治療を受けながら働き続けるのを積極的に支援してきました。
近隣の蓮田や白岡市、宮代町でもウイッグ3万円、補整下着等2万円を助成しています。
久喜市でせっかくがん患者への支援制度を作っても、内容はいまだに県内最低ランクで据え置いているのは恥ずかしいことです。
市長の決断で直ちに対象を拡大し、金額も引き上げるべきです。

【一般質問】 青毛堀の高田橋 早急に改修を求める

 昨年から一般質問で、青毛堀の高田橋の改修の促進を求めています。
手すりは赤サビと腐食だらけで穴も開いています。
市は私がブログなどで指摘した箇所だけ、3月と5月に応急的に補修したものの、全面的な改修は先送りされたままです。
高田橋は青葉地区と吉羽地区、久喜駅方面をつなぐ人道橋で、たいへん通行量が多い橋です。
市民からは『改修を急ぐべきだ』『サビや腐食の防止、ペンキ塗り替えくらいはしてほしい』という苦情が寄せられています。

 建設部長が、『高田橋は予防保全段階と位置づけている。改修計画の見直しを検討したい』、『サビの除去作業を進めるよう検討する』と答弁しました。
久喜市は公共施設の維持管理に金をかけないできたため、公共施設全般の老朽化が進んでいて、橋梁も例外ではありません。
一昨年には市長が、従来の事後保全から予防保全型維持管理に転換すると約束しましたが、先送り体質は変わっていません。早急に高田橋の改修をするよう求めていきます。


【一般質問】 市役所の4時半閉庁 再検討を求める

  市は7月7日から市役所の開庁時間を短縮し、午後4時半で玄関も閉めることを決めました。
目的は職員の働き方改革だと言いますが、そのために市民サービスを引き下げるのはスジが違います。
仕事をしている市民は今までは少し早く帰って市役所に来ることもできたのに、半日休まなければならなくなる人も増えるでしょう。
住民票等はマイナカードでコンビニで取れると言いますが、窓口で相談しなければならない用件もたくさんあります。
市民の都合はいっさい無視でいいのでしょうか。
民間のサービス業は従業員を早番・遅番に分けたりしてサービス水準を落とさない工夫をしています。
市長は4時半閉庁をいったん見送って、あらためて市民の意見を聞くべきです。

 市が作成したポスターや市ホームページには《電話受付も4時半までで終了》と書かれています。
市は市議会に対しては、4時半以降の電話は『緊急の場合は、警備員室で担当課につなぐ』と説明してきました。
しかし警備員が《緊急かどうか》を判断することはできません。
しかも警備員室は電話が1回線しかないので、ほとんどつながらなくなるのは目に見えています。
そこでこれまでと同様に電話交換室で交換手がつなぐべきだと方針の変更を求めたところ、総合政策部長が『当面の間は電話交換手が担当課につなぐ』ことにすると答弁しました。

 私は《電話も4時半で終了》の計画をいったん見送って、現状通り5時15分まで受けるように求めました。
部長は4時半で終了という方針は変えずに、『当面の間は交換手がつなぐ』と繰り返し、いずれは4時半ですべて打ち切ってしまうというホンネがミエミエです。
梅田市長は官僚の言うがままで、市民サービス引き下げを避けようと思わないのでしょうか。

★市役所の開庁時間短縮で市民サービス切り捨ては県内2番目に真っ先にやる!
 反対に、がん患者支援のような市民への思いやりの政策は県内最低レベル!
 梅田市長の政策判断、おかしくないですか。★







久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』 692号
2025年 6月 9日


692号ファイル

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【6月市議会】 学校やコミセンの外壁改修工事を追加

 6月市議会の一般会計補正予算で、コミセンや小中学校の外壁改修工事の費用が追加計上されることになりました。
久喜市では公共施設の維持管理を削減し続けてきた結果、公共施設や学校の外壁落下や雨漏りなどが、もうこれ以上放置できないほどに頻発してきました。
そこで一昨年から小中学校の外壁改修や屋上防水工事を集中的に行ってきました。
今年度当初予算でも多くの小中学校の改修工事が予定されていますが、いまだに改修完了のめどは示されていません。

 6月市議会の補正予算で、
(1)栗橋小、東鷲宮小学校の外壁改修工事の設計費708万円が計上されました。
これは教育部から当初予算で予算要求がされていたのに見送られていました。
(2)久喜中央コミセンも外壁改修工事費4595万円が予算化されました。
これも昨年までの建築基準法に基づく点検で異常が指摘されていたものです。
栗橋コミセンの老朽エアコンの改修工事6464万円も計上されました。これらはいずれも当初予算への計上を見送ったものの、結局は補正予算で対応せざるを得なくなりました。
2か月遅れでようやく改修が進められることになりましたが、市長と財政当局の判断が遅すぎます。

【6月市議会】 PCB廃棄物の緊急調査と処理

(3)市内の小中学校や公共施設の電気設備、配電盤などに有毒物質のPCBが使用されているおそれが指摘されています。
PCBはすでに製造や使用が禁止されています。
低濃度PCB廃棄物は2027年までにすべて撤去し、処理を行うことが義務付けられていますが、久喜市では実態の把握もできていませんでした。
2月市議会で指摘を受けたことを踏まえ、緊急に栗橋行政センターや栗橋中央コミセン、全部の小中学校の電気設備などのPCBの調査と撤去工事・処理を実施することになりました。
各施設のPCB対策で総額6790万円が計上されています。

 これまでに全国の多くの自治体ではPCB廃棄物の処理が進んでいますが、久喜市はこれから調査に取りかかることになります。


【6月市議会】 財政調整基金が20億円にまで半減

 6月市議会に提案された一般会計補正予算で、公共施設の外壁改修や、市の施設設備に残ると思われるPCBの調査、処理費用が追加計上されたされました。

 これらの公共施設の改修工事、PCB調査・処理事業の財源のほとんどを、財政調整基金2億3000万円を取り崩してあてることにしています。本来は当初予算に計上して、歳入の範囲内で補助金や他の事業の見直しなどで財源を確保するべきでした。財政調整基金を安易に取り崩すべきではありません。
 財政調整基金は災害時などに備えて積み立てておくべきものです。久喜市の財政規模で30億円程度が適正とされていますが、今回の取り崩しで、24年度末残高39億8660万円から25年度末は20億5389万円に半減する見込みです。またすべての基金の総額も約65億円から37億円へと大幅に減少しています。

【6月市議会】 公共施設計画の見直し 検討委員会を設置

 公共施設個別施設計画検討委員会を開催するため、委員報酬が補正予算に計上されました。

 市は昨年2月に、久喜地区の地域集会施設をすべて廃止する計画を決定しましたが、東町集会所などの周辺住民と利用者から「広域的に利用されている施設なので存続させてほしい」という要求が上がっていました。
存続を求める3000名を超える署名が集まって、市長と話し合いを重ねた結果、久喜東コミセンの分館として存続することになりました。
また6月2日には本町集会所の周辺住民や利用者から市長に4000名の署名で存続を求める要望書が提出されています。

 これらの集会施設の廃止は「公共施設個別施設計画」で明記されているため、検討委員会で計画変更の手続きを経なければなりません.
今後、検討委員会委員を公募して委員の選任を行った上で、計画の改正を諮問することになります。

東鷲宮の立体通路 さらに建設費膨張か

 東鷲宮駅東口の立体通路は、橋が架かれば通行できると説明されていましたが、4月から工事がストップしたままです。
昨年にはエレベーターなどの工事も入札ができず業者が決まりませんでしたが、やっと4月にエレベーターとエスカレーターの入札、5月に橋の屋根部分の入札が行われました。
これらの設備は工場で製作して現場に搬入し、秋以降に工事を再開して、来年3月までにすべてが完成してから通行できるようにする予定です。

 最初は建設費は3~4億円と言われていました。
その後、エスカレーターが追加されて、測量費や地質調査が必要になったり、公共事業の工事費の高騰も続いているため建設費が膨れ上がっています。
これまで橋桁の製作に2億5500万円、建設工事費約5億円、30年間の維持管理費1億3000万円、30年後にはコミセンの賃貸契約が終わるので立体通路の撤去費用が2億円余で、総経費は8億3600万円と説明されてきました。
あらためてやり直しの入札を執行した結果、機械設備と建設費が大きく増額となったようですが、まだ金額は公表されていません。


高田橋 腐食が進む手すりの改修は

 青毛堀川の高田橋の手すりが赤さびだらけ、腐食も進んで支柱に穴が開いています。
何度も取り上げてきましたが、市はその都度、指摘された腐食部分だけを補修してすませています。
しかし実際には補修した箇所以外にも、手すりの継ぎ目が腐食してぼろぼろになっている箇所もあります。
老朽化が進んだ高田橋の全面的な改修を進めるべきですが、これまでのところ、改修の見通しはまったく示されていません。

 高田橋は吉羽・久喜駅方面と青葉地区をつなぐ歩行者・自転車道ですから通行量がたいへん多い橋です。
散歩中の市民は、『手すりが赤サビだらけで触りたくない』『子どもがケガしそうで、手すりに触れないように言っている』と話していました。
また『どうして赤サビや腐食防止の対策をしないのか』『指摘された箇所だけ補修して済ませるのでなく、橋全体のペンキ塗り替えくらいしてほしい』との声もあがっています。


市議会で「ふるさと住民登録」を提言してきた

  政府が進めている地方創生の基本構想案が示されました。
その目玉の一つで、居住地以外の自治体の関係人口を増やすため、「ふるさと住民登録」の制度を創設することが盛り込まれました。

 その自治体に居住していなくても、出身者やふるさと納税をしてくれた人に登録してもらって、「ふるさと住民票」を発行している自治体があります。
実は私自身も高知県馬(うま)路(じ)村(むら)の「特別村民」になっています。
一度も訪れたことはないのですが、ユニークなまちづくり政策に興味を持って登録したら、手作りの「広報」や記念品が送られてきて、ふるさと納税をしたこともあります。
人口900人未満ですが、村外の特別村民が1万人以上も登録しているそうです。
私は市議会で『久喜市の出身者やふるさと納税をしてくれた方々とのつながりを深めるために、「ふるさと住民票」や「特別市民証」の発行』を提案しています。
2017年くらいから何度も提言してきたのですが、市は『研究する』という消極的な姿勢に終始してきました。
今後、国が「ふるさと住民登録制度」として導入する方向になりましたが、久喜市でなぜもっと早く導入できなかったのかなあ…。


★市民の政治を進める会で5月に、《深谷市の自動運転バス導入実証実験》、さいたま市の《シェアサイクル・マルチモビリティ実証実験》の取り組みを視察してきました。★