ツツジ |
始めてこの家に入居したとき庭に植えてあったつつじの1株を、入居の翌年くらいに鉢上げしたのがこの樹です。この家は造成地に建てられたので、庭植えといっても入居当時は植え付けてから半年も経ってはいなかったでしょう。
ところで、サツキの盆栽は独自の世界として広く普及していますが、ツツジは地植えの植栽ばかりで盆栽がありません。ツツジは玉作り風の樹形しか出来ないからでしょうか、それでも根張りはよいし樹形も工夫次第で変化が出せそうなものですが… 不思議なことです。
この樹は町田の家に越してきたとき庭に植えられていたツツジの株の1つだった。当時庭木らしいものは何もなくツツジの小さい株ばかりが植わっていた。
その庭に自分の好みの樹を植え足していくうちにツツジが邪魔になり、盆栽に手頃な株だったこの樹を鉢に上げた。多分1994(平成6)年頃だったろう。
コンピュータを導入したのは2000(平成12)年秋なので、それ以前は鉢に挿していた札の記録だけだったし、写真も撮っていない。
この樹は何故か花付きが悪く、地植えの時も鉢上げしてからも花を付けなかった。
それがこの年始めて咲いた。
花は濃いピンク色で、樹にそぐわない大きな花が1つだけだった印象がある。
年次索引 | 赤字は植え替えした年 | ||||
2001年 | 2002年 | 2003年 | 2004年 | 2005年 | |
2006年 | 2007年 | 2008年 | 2009年 | 2010年 | |
2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 |
植え替え前
根切り・土替え
植え替え後 枝抜きは無し
雑木盆栽の見所は「根張り」にある。
特にサツキなどは盤根が求められている。
このツツジも根張りに留意して育培してきた。
しかしこの樹の根は2本の樹が合体したような姿で、盤根とは言い難い。
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昨年も花が付かなかったが、葉だけはそこそこ元気が良いので、葉ダニに気をつけて薬剤散布をしていた。お陰で葉ダニは殆ど見られなくなっている。
しかし、今年も蕾らしい芽が全く見えない。多分根が鉢底に回り込んで、水も十分に通らないのだろうと推定していた。雑誌にはツツジは毎年植え替えないと髭根で窒息してしまうと書いてあるので、この際植え替えることにして、今年最初の仕事にした。
鉢を抜いてみると、矢張り根が板状になって鉢底に廻っている。しかしそれほど厚く巻いていると云うほどでもない。結局根にそれだけの力がないのだと思われる。
根を崩してみると髭根は余りない。そして盤根が出来つつあり、盤根の下側には根がまばらである。
更に根を丁寧に崩していくと、地表の近くには黒く腐った根がびっしりとついている。それは髭根だけが腐っているのであって長い根はしっかりと周りまで伸びている。そこで根をホースで水洗いしたが、此の腐り根は容易に取れない。仕方なくピンセットで長い時間をかけて、少しずつむしり取った。きっと樹もせいせいしたことだろう。
盤根の周りの長い根は、鉢の短辺に収まる程度に短く落とした。今度の植え替えでは、意図した事は十分に達成出来たと思う。これからは徒長してしまった裸の枝を如何にして詰めるかが課題だと考えている。
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4月22日から5月7日まで京都に行っている間に、モミジやトウカエデの小品盆栽は枯れてしまった。小さい鉢では水切れが致命的になる。
このツツジは2つ3つあった蕾と葉が萎れていたが、まだ枯れるまでには行っていないと思い、萎れた蕾だけ摘んで葉はそのままにして置いた。
その後一部の葉が自然に落ちたり、葉先が茶色くなったりしたが、何とか持ち直しそうだ。鉢の大きさで辛うじて生き延びたのかも知れない。
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鉢を抜いてみると鉢底石と赤玉土大粒のところからパックリと抜けて、髭根は全く見られない。
根土をすっかりほぐしてみたが、別に傷んだ根もないのに、綿毛のような細かい根が生えているのは僅かに1本しかなかった。
また双幹の一方の根元が膨らんでいたので剥がしてみると、木質が朽ちていて腐りかけている。洞をよく掃除して、癒合剤を塗り付けておいた。
根元のやや上から太根が1本出て下の根と重なりながら土に入っているので切り落とした。切り口も目立たず、根元がスッキリとしてよくなった。癒合剤を塗っておいた。
幹下から出て直ぐに水平に丸く巻いた太根があったので切った。
他に重なり根のようになっているが活きていない根を2本外した。
一輪だけ花が咲いた。
以前(1997)咲いた時はもっと色が濃くて朱色のように記憶したが、可憐なピンク色の花だった。
下の方に少し芽が出て来た
全体の高さを詰めるように考えているので、この下枝が大切なのだ。
今年は花後にも秋にも全然剪定をしていない。
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春の芽組みは葉艶もよく、元気に茂った。
枝が大分広がったが詰めてはいない。
葉裏には毎年葉ダニがついて困っている。
夏場は毎月でもダニ退治の特効薬を散布しなければならないが、いつも後手後手になって、葉艶を悪くしてしまう。
今年もまた葉色が黄ばんで艶も無くなり、元気がない。
その一方で
根張りはとても良くなってきた。
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今年も花は咲かないようだ。
何よりも枝が広がり過ぎてしまったのが問題だ。
これでは今年はウンと詰めなくてはならないが、枝が細長く伸びるばかりなのは、鉢が小さ過ぎるのかとも考えている。
咲かないと思っていた花が、数個だが漸く咲いた。しかし満足な花ではなく十分に開ききれないうちに終わってしまった。
枝は猛烈に広がってしまったが、去年は土替えをやっていないので根が廻っているだろうし、雨量が不十分だったことも影響しているのかも知れない。
これからはよい花が見られると喜んでいたが、月初から京都に行っている間に葉が茶色くなってしまった。
辛うじて枯れずに済んだのは、黒竹林の陰に置いていたのがよかったのだろう。/p>
枝が広がり過ぎていたのでこの際思い切って枝をすっかり落とし、太枝に新芽を期待して再生を図った。
余り日照りがなく雨が適当に降ったので、存外早く芽が出た。しかし矢張り枝先にばかり芽吹きが多く、葉が大きくなっている。
横に張り出した下枝が1本全然芽が出てこない。これが枯れると樹型が崩れてしまう。
根元の苔などをすっかり取ってしまった。
立派な根張りが見えてきた。
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去年の大剪定は成功したようで、葉がよく茂った。しかし芽が出なかった根元の太枝は遂に枯れてしまった。一番下の太枝なのでジンにするように3センチくらい残して置いた。
今年は早くから殺菌殺虫剤を使ったので葉は綺麗に揃ったが、もう根詰まりしたのか、蕾は全然気配もない。
そこで3年ぶりに植え替えをした。
根は、矢張りガーゼで包んだように詰まっていた。
一番の大幹の根元の洞(うろ)を覆っていた癒合材を剥いでみると、中は髭根のような繊維で詰まっていた。
ピンセットで丁寧にほじくり出すと、穴は根の下まで突き通っている。
根の土を完全に落とし、
最後はホースの水圧で綺麗に洗った。
髭根を全部取ったので、
白く剥げた根が多く見える。
植え替えの土は
赤玉土の大粒を下に敷き
中粒を根に馴染ませ
更に赤玉小粒と鶏糞と
細かくした木炭を
竹串で鋤き込んだ。
表面には苔を貼らずに、上から霧吹きで表土を湿らし、鉢底からの吸水と排水を繰り返して微塵を流した。
雨や如露で土が廻り込むことを期待している。
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根元の盤根がとても良く発達してきた。
洞(うろ)に塗り付けた癒合材はよく機能しているようだ。
軽く枝を整理した。枝は欲しいところには出ないものだ。
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今年もまたただ1輪だけ咲いた。不思議な樹だ。
1994年鉢上げとなっているから、盆栽にしてからもう16年経っている。
去年は植え替えなかったから今年は植え替えをしなければなるまい。
3年振りに植え替えをした。
3年前は、赤玉土と鹿沼土とを勘違いして赤玉土だけで植え込んでしまった。
そのためか長い間植え替えていないのに、鉢底にはあまり髭根が廻っていない。
その分幹の下だけに根が混み、土がほぐれない。
団子状のこの土を強引にほぐしたので、根を相当傷めてしまった。
しかし根は全体が平鉢状になってこの浅い鉢に適してきたし、根張りも盤根らしくなってきた。
根が粗くなったので、それに応じて枝を詰めた。
樹全体が大きく広がって枝はみんな間延びしているので、この際目をつぶって刈込み鋏で丸く刈ってしまった。
芽先が殆ど切られてしまったが、ツツジはこれでもすぐ新芽をふく筈だ。期待している。
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前回の植え替え以来1年半が経っているが、その時の刈り込みが過酷だったのか、どうも樹全体に活気がない。
異常気候のためかもしれないが、植え替えることにした。
根をほぐしてみると、網のような髭根は余り廻っていないし、根の張り具合に勢いが感じられない。
幹の下まで根をしっかりとほぐし、鹿沼土:赤玉土を約8:2として植え込んだ。
秋に植え替えるのは初めてだが、年内は冴えないで終わることになろう。来春の芽吹きが楽しみだ。
植え替え以来何もしていないが、古葉が落ちて枝が寒ざむとしている。
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昨夜「台風並みの低気圧」が吹き荒れて、盆栽棚に置いていた鉢から樹だけが吹き飛ばされて下に落ちていた。
根が浅く以前から樹がグラグラしていた。鹿沼土主体の用土で、表土に苔も黒土も置かず鹿沼土がむき出しだった。
最近は葉が少なく花が咲かないでいたのは根が張っていないためだったようだ。
落ちた樹の根も髭根らしいものが見られない。そこで養生鉢に植えて元気の回復を図ることにした。
土も「花と野菜の土」を主にして、前の鉢の鹿沼土を少々混ぜておいた。
植え替えが終わってから気が付いたが、丁度二股になっている根元部分に大きな腐りが入っていた。表皮は残っているのだが内部は芯まで腐っていて、触るとボロボロと剥げ落ちてくる。
2004年にもこんな経験があったので、腐りを削り落として癒合材を塗っておいた。
植え換えが奏功して少し葉に艶が出たようだ。枝先ばかりでなく懐から枝を茂らせたいと思う。
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この鉢は盆栽棚の手前に置いていたので、水遣りの度に樹に触れることが多い。するとまだ根が張っていないこの樹はグラグラと揺れてしまう。そんな状態で1年が経ってしまったのでなおさら髭根が生えてこない。しかし鉢底からアルミ線を通すことは出来ないので、昨年秋に鉢の上からビニール紐で樹の根元を固定しておいた。
昨日今日とよく乾燥したので鉢の土が乾いている。見ると土は鹿沼土と赤玉土がゴロゴロしていて全く根が土に馴染んではいない。これでは養生鉢に植え替えた意味がない。
去年癒合剤を塗っておいた腐れはどうやら止まっているようだ。
一方、腐れの反対側から見るとこの樹は
見事な根張りを見せているのだ。
またこの樹には年来ハダニが居て薬剤を散布しても殆ど効果が見られず、葉にはいつも黒っぽい斑点が付いていて艶がなく汚い。樹が弱っていることも原因のひとつだろう。
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