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千葉県の落花生について


千葉県は、
農業産出額では全国4位で、
シェアトップの作物も多くありますが、
その中でも群を抜くのが 「落花生」 です。

2015年 (平成27年) の収穫量は9,590トンで、
全国の収穫額の78%を占めています。

 現在、日本の主な産地は千葉、茨城、神奈川などで、千葉県の約8割に続くのは茨城県での約1割で、 この2県で全国の生産量の9割を占めています。

 また、国内で流通する 「落花生」 の9割は中国産などの輸入品が占めており、安価なイメージが定着していますが、 国産品価格は輸入品の5倍以上と高価となっています。


落花生の都道府県別収穫量と千葉県市町村別収穫量(調整中)
落花生の都道府県別収穫量と千葉県市町村別収穫量

 千葉県内の産地は、「八街市」 (やちまたし) が首位で、2位が 「千葉市」 となっています。 「千葉市」 は、首位奪回を目指して、「落花生」 をもっと知ってもらおうとキャンペーンを始め、「ウイ・ラブ・ラッカセイ」 を合言葉に収穫体験などのイベントを催しています。

 千葉県では、「落花生」 は茹でて食べられたりしており、ギフトの定番にもなっています。また、「成田山の節分会」 では 「大豆」 に加え、「落花生」 も撒かれています。


成田山節分会(調整中)
成田山節分会



もともと、
「落花生」 は南米が原産で、
我国では、1874年(明治7年)に政府が米国から種子を導入し、
本格的な栽培が始まりました。


牧野萬右衛門(調整中)       金谷総蔵(調整中)
牧野萬右衛門                 金谷総蔵  ・

 2年後の 1876年 (明治9年) に、山武郡南郷町 (現山武市) の農家 「牧野萬右衛門」 が試作に取り組み、 これが千葉県内での栽培の始まりとなりました。

 その後も匝瑳郡鎌数村 (現:旭市 )の名主だった 「金谷総蔵」 が栽培や販売に尽力したことが知られています。

 背景には県北部の北総台地は火山灰が多く、作物の生産に適さなかったことがあります。 「落花生」 は、やせた土地や干ばつに強く、栽培の手間もかかりませんが、名前の通り、花が枯れて落ちて実をつける為、 当初、農家には 「縁起が悪い」 と抵抗があったようです。

 このような栽培の歴史と土地の条件に加えて、昭和の品種改良などの後押しもあり、全県下で生産されるようになりました。

 特に、1953年 (昭和28年) に県農業試験場 (現:「県農林総合研究センター」) が育成した 「千葉半立」 (ちばはんだち) は栽培が容易で、収量も安定したことから県全域に広がりました。


県農林総合研究センター(調整中)     千葉県の落花生収穫量と全国シェア(調整中)
         県農林総合研究センター          千葉県の落花生収穫量と全国シェア

 現在でも、県内の作付面積の66%を占め、主力品種で、輸入品の増加や栽培作物の転換などから 「落花生」 の生産は 全国的に減少していますが、産地となった千葉県は相対的にシェアが上昇しています。

 「千葉では自信をもって落花生をギフトにする人が多い」 ようで、千葉県が 2014年 (平成26年) に実施した世論調査では、県産品を土産物や贈り物にするなら落花生・同加工品を選ぶという回答が 55% (複数回答) と第一位となっています。

 また、「全国落花生協会」 は、1985年 (昭和60年) に、11月11日を 「ピーナツの日」 と制定して、 収穫体験などのキャンペーンを展開し 「落花生」 への関心を高めています。

 これは、11月になると収穫された 「落花生」 が市場に出回るようになること、「落花生」 は 1つの殻に2つの実が入っているので、11月11日という数字の並びがイメージに合うことから定めたものです。



それでは、「落花生」 に纏わる話を紹介しましょう。

[1] 八街市の 「落花生」 :

落花生モニュメント

 千葉県下で最も 「落花生」 を生産している 「八街市」 (やちまたし) は、日本で一番美味しい 「落花生」 が採れる 「落花生の郷」 として知られており、日本有数の生産量を誇っており、JR 「八街駅」 には、「落花生のモニュメント」 が飾られています。(右の写真)

 「八街」 に 「落花生」 が導入されたのは 1896年 (明治29年) 頃で、文違区、住野区で栽培されたのが始まりと 言われています。

 「八街」 は周辺の土壌が 「落花生」 の育成に最適と言われ、農家の人々の献身的な努力で、 「落花生」 栽培は明治末期から急速に発展し、大正初期には特産地となりました。

 1949年 (昭和24年) には、耕作面積が全耕地の約80%を占め、日本一の生産を誇るようになり、 1953年 (昭和28年) には、全農家数中、「落花生」 栽培戸数は95%を占めるほどになりました。 

 ところが、長年にわたる連作障害と価格の不安定から、1955年 (昭和30年) 以降は作付けが年々減少し、 「しょうが」 がこれに代わって生産され始め、その後は、メロン、レタス、ピーマン、キャベツ、カリフラワーなど、 洋菜を含めた野菜の生産が盛んになり、都内をはじめ、周辺都市への野菜の供給地として、現在に至っています

 しかし、現在でも、「落花生」 の生産量は、常にトップクラスを誇っており、1958年 (昭和33年) に 千葉県農業試験場落花生育種研究室 (農林省指定落花生育種試験地) がこの地に移転して来て、 落花生の品種改良・加工方法の改善などが行われるようになってから、 「八街」 の 「落花生」 は日本一と言われるようになりました。

 2000年 (平成13年) に千葉県農業総合研究センター育種研究所畑作物育種研究室 「落花生試験地」 と改称され、 現在も日本唯一の落花生専門の試験研究機関 (農林水産省落花生指定試験地) として、おいしさ、 栽培のしやすさを第一に、付加価値の高い魅力的な品種の育成を目指して、品種改良の試験を行っています。

落花生の種類

 「八街」 で最も多く作られているのが 「ナカテユタカ」 で、作るのが易しく、早生種で 「千葉半立」 (ちばはんだち) より15日ほど早く収穫できます。

 「落花生」 試験地が育成した新品種 「郷の香」 (さとのか) は、ゆでた落花生の食味と風味を長期間にわたって 保持し、大量流通させることを目的に開発されたもので、これをレトルト加工した、ゆで落花生が誕生しました。

 また、数多い品種の中でも 、「千葉半立」は「落花生」 の王様で、風味・コク・味とも一番で、 消費者から高く評価されているようです。


落花生の花(調整中)     野積(ぼっち)(調整中)
 落花生の花                    野積(ぼっち) ・

 「落花生」 は、夏に黄色い花を咲かせ、その花がしぼんだ後、地中にもぐり込み、実となります。 そして、秋になると地中で育った豆を掘りかえし、畑に高さ2m、直径1mほどに積み上げて、 ひと月ほど北風に当てて乾燥させます。 その一風変わった光景は 「落花生」 の 「野積」 (ぼっち) と呼ばれ、この地域の風物詩となっています。

 また、「ピーちゃん」、「ナッちゃん」 と名づけられた市のイメージキャラクターが各種イベント会場や市の行事に登場して、 「落花生」 のPRに活躍しています。


[2] 「落花生」 の食べ方:

 「千葉県民はピーナッツで大きくなった」 と言われるほど、「落花生」 が良く食べられています。 生産量全国トップを誇る名産地だけに、千葉オリジナルの楽しみ方もあるようです。


味噌ピーナッツ(調整中)       鰯のピーナッツ がらめ(調整中)
      味噌ピーナッツ                 鰯のピーナッツ がらめ

 最も有名なのは 「味噌ピーナッツ」 で、地元では 「みそピー」 として親しまれています。 よく煎って香りを立たせた 「落花生」 に、味噌と砂糖をからめただけのシンプルな食べ物で、 甘辛い味わいが子供達にも人気で、学校の給食にも出されています。 また、千葉でよく食べられるイワシとコラボした 「鰯のピーナッツ がらめ」 も給食での定番の献立となっています。

 「ピーナッツ」 は料理で使っても他の食材の邪魔をせず、香ばしさを与えることから何にでも良く合い、 「道の駅」 では、カレーやパン、シフォンケーキ、カステラなどにピーナッツを使ったものがあり、 その他にも粉末にしたピーナッツを 「小豆 あん」 に足したり、「おしるこ」 を作る材料にしたりする珍しい食べ方もあります。

 産地の 「八街市」 や 「千葉市」 では、老舗のピーナッツ専門店がいくつもあり、ピーナッツ専門店は 「殻付き落花生」 に始まり、「煎り落花生」 や 「ゆで落花生」、「ピーナッツバター」、「和菓子」、「甘納豆」 など、 ありとあらゆるピーナッツ製品を取り扱っています。地元では手土産はもちろん、自宅用にまとめ買いする姿が良く見られます。

 千葉県では、ピーナッツを品種によって食べ分けており、全国的に広く普及していて 「煎り落花生」 になる 「千葉半立」 や、 サッパリした甘みが特徴の 「ナカテユタカ」 などは代表的な品種です。


千葉半立(調整中)       ゆで落花生(調整中)
    千葉半立                      ゆで落花生

 この他に、農家や生産地域である千葉県ならではの食べ方として、「ゆで落花生」 があります。 現地では生の落花生が手に入る為、塩ゆでしてそのまま食べます。 「ゆでたピーナッツ」 は食感が柔らかく、強い甘みが特徴で、2001年 (平成13年) から 出回り始めた大粒で食味の良い 「ゆで落花生」 向きの品種 「郷の香」 の登場で、「ゆで落花生」 は 千葉の観光地の直売所で売られるようになっています。


[3] 「ラッカセイ」 とは:

 「ラッカセイ」 (漢字: 「落花生」、学名: Arachis hypogaea、英語:peanut または groundnut ) は マメ亜科ラッカセイ属の一年草で、別名 「ナンキンマメ」 (南京豆) や 「ピーナッツ」 と呼ばれています。


ラッカセイの花(調整中)       ラッカセイの種子(調整中)
  ラッカセイの花                     ラッカセイの種子

 特徴は、草丈は25cm〜50cmで、夏に黄色の花を咲かせます。受粉後、数日経つと子房柄 (子房と花托との間の部分) が下方に伸びて地中に潜り込み、子房の部分が膨らんで地中で結実します (=地下結実性)。

 花が落ちるようにして (花が受粉して落ちて) 地中で実を生むことから 「落花生」 という名前が付けられました。

ラッカセイの花(調整中)
「ラッカセイ」 の成長

 「ラッカセイ」 の原産地は南アメリカ大陸で、最も古いものは、紀元前2,500年のペルー、リマ近郊の遺跡から大量の 「ラッカセイ」 の殻が出土しています。

 そして、紀元前850年頃のモチェ文化の墳墓の副葬品に 「ラッカセイ」 が含まれていることから、「ラッカセイ」 が 生活の中で重要な位置を占めていたことが分かっています。

 その後、メキシコには紀元前6世紀までに伝わっていましたが、16世紀のスペイン人修道士の記録では、 アステカ族は 「ラッカセイ」 を食糧ではなく薬として利用していたようです。 また、カリブ海の島々でも 「ラッカセイ」 の栽培は行われており、そこでは重要な食糧とされていたと言われています。

 大航海時代の始まりで、「ラッカセイ」 はヨーロッパにも紹介されましたが、土の中で成長する 「ラッカセイ」 は それまでのマメ類の常識とはかけ離れた奇妙な存在と感じられたことや気候もあまり適さなかったことから、 ヨーロッパでの栽培はそれほど行われなかったようです。

 南アメリカ以外に 「ラッカセイ」 の栽培が広がったのは16世紀中頃で、 ポルトガルの船乗りたちが西アフリカとブラジル間の奴隷貿易を維持する為にアフリカに持ち込んだのが始まりで、 そのまま西アフリカ、南アフリカ、ポルトガル領インドに栽培地が広がって行きました。 ほぼ同時期にスペインへ伝わった 「ラッカセイ」 は南ヨーロッパ、北アフリカへと渡って行き、インドネシア、 フィリピンへもほぼ同時期に持ち込まれました。

 日本には、東アジア経由で 1706年 (宝永3年) に 「ラッカセイ」 が伝来し、「南京豆」 と呼ばれました。 ただし、現在の日本での栽培種は、この 「南京豆」 ではなく、明治維新以降に導入された品種です。

 18世紀以前の北アメリカでは、「ラッカセイ」 は家畜の餌か奴隷用の食糧として栽培されていましたが、 南北戦争による食糧事情の悪化により白人も 「ラッカセイ」 を食べるようになり、 「ピーナツ」 と呼ばれて愛されるようになりました。

 「ラッカセイ」 は油脂含有分が高く、「ピーナッツオイル」 などが製造されています。 不飽和脂肪酸、オレイン酸、リノール酸が多く、血中のコレステロールを下げ、動脈硬化の予防が期待でき、 広東料理などの中華料理に良く使用されています。 また、サラダ油、マーガリンの原料にもなり、工業用途では石鹸、シャンプー、塗料樹脂などの原料としても応用されています。

 しかし、「ラッカセイ」 は、蕎麦と同様に重篤な食物アレルギー (アナフィラキシー) を引き起こす可能性のある食材として 知られており、材料・加工品ともにアレルギー物質を含む食品として、食品衛生法施行規則により特定原材料に指定され、 「特定原材料を含む」 旨の表示が義務付けられています。

 しかし、飲食店では必ずしも表示されておらず、沖縄料理店でジーマーミ豆腐の主原料が 「ラッカセイ」 であると分からず食べてしまうなどの事例が起きています。

 現在、「殻付きラッカセイ」 の主たる生産地は、2004年時点で、中国 (1441万トン)、インド (590万トン)、 ナイジェリア (294万トン)、アメリカ合衆国 (211万トン)、インドネシア (147万トン) となっており、 中国が約4割、上位5カ国で全生産量の75%を占めています。

 また、日本における生産量は、2015年 (平成27年) の生産量は 「むきみ換算」 で、12,300トン、 輸入量は、98,867トンとなっています。


以 上

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