製作年度:2011年 アメリカ映画 配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
監督:ジョナサン・リーベスマン 出演:アーロン・エッカート ミシェル・ロドリゲス
2011年10月 映画館にて鑑賞
春の公開予定が延びてようやくお披露目となった宇宙人侵略もののこの映画。地球侵略三種の神器といえば、レーザーガン、バリアー、次世代マシンとなっているのだが、この映画に出てくるエイリアンは何を血迷ったかポンコツ飛行機に実弾兵器、バリアーはなくてただの鉄板装甲と観ていて「米軍なめすぎ!!」と思ってしまう程お粗末な装備。「ID4」から10年以上が経つのに「その武器で今更なにしに来たの?」と。宇宙人もしっかりオーディションして欲しい。登場も相変わらず空からやってくるというお決まりパターン。そろそろ次元空間を切ってワープしてくるやつとかいてもいいような…。武器だけならず侵略計画もいまひとつ。全円盤を制御する管制塔の守りがやったら弱い上に遠い宇宙の母船から操作していた「ID4」と比べて地面に降ろしてしまっているセンスのなさ。仕組まれているのがばればれの無気力試合に冷める。ストーリーはエイリアン映画というよりは、戦争映画撮りたいけど最近テロないし、中東戦線もあらかた終わって描く敵がいなくなったからエイリアンにしようみたいな乗りを感じる。内容は期待しないで米軍万歳な作りになるのは分かっていたが、トランスフォーマーを凌ぐおめでたっぷりには駄目エイリアン設定に加えて更に引いてしまう要素。劇中何度も「NO退却」というスローガンともいえる台詞が出てきて、「家族と祖国を守り…」、と字幕で読ますこの押しつけがましさといったら。徴兵制のない日本人にはどうもここまで熱くなる意味がピンとこない。海兵訓練所の娯楽教習ビデオならまだしも、どまじめに全世界ヒットを狙って作った一般市民向けSF映画です。これが「OK」なら「腹切り」と「神風」をバカにはさせないよって。マイケルベイとブラッカイマーが作るならもう何も言わないけど、他の誰が撮ってもこういう乗りになっちゃうのね。売りの銃撃戦の見せ方なんかもすでに「ブラックホークダウン」があるので新鮮味は薄かった。「コールオブデューティー」とか「ギアーズオブウォー」が大好きなレベルの人が作った映画かな?