製作年度:2012年 日本 映画 配給:ティ・ジョイ、カラー
出演:緒方 恵美 林原 めぐみ 監督:庵野 秀明
2012年12月 映画館にて鑑賞
エヴァンゲリヲン新劇場版の2作目「破」がとっつきやすい作りでビギナーにも幅広く支持されて新しいファンを多く獲得。あれから3年が経ち、待望の3作目が劇場で披露されたピアノの音が流れるもったいぶったCMに焦らされながらもいよいよ公開。
前2作を振り返ると予想以上に観やすかっただけに「おもしろいけど、どうもおかしい?」と、この安定した作りに逆に不安を覚える。どのタイミングでいったい爆弾を投げ込んでくるんだと思っていたら、従来通りやっぱりカヲル君が出てくると話がややこしくなってくる。ロンギヌスの槍が1本でもよく分からなかったのに、あの…2本になっているんだけども…。インパクトは起こしたいんだか、防ぎたいんだか…。使徒のランクナンバーが下がると何か悪いの?とか本領発揮と言わんばかりに謎が謎を呼ぶまさに「Question」なストーリー展開。往年のリアルタイムで観てきた世代の人は待ってましたとばかりの造語の連発で思わずニヤリか。サードインパクトはニアで防げても観客側へのサードインパクトは防げないのでした、ハグァ!!。
用語と話が分かりにくい部分はあるけれども、カヲル君からちゃんと言葉での説明もあるからまあヒントみたいなものは提示されているもよう。シンジ君が再び壊れ行く描写はうまく描かれているのでこの辺は見応えあり。14年後の設定ということでその他の登場人物みなさんの性格のヤサグレ加減がハンパないのはちょっと寂しい気がしたが、アスカがたまに垣間見せる不器用な思いやりなんかは心救われる。マリとの掛け合いも結構いいと思うのだが、マリ自身の詳細については今回も謎、なんかいつの間にか溶け込んでいるし。スピンオフ企画とか作れば観に行きますよ。あからさまなCGパートが多いのはちょっと気になるかなといった感じはある。3DCG技術は今は最先端に見えても10年後観たら「CGしょぼくない?」ってなるのが落ち。そうしたらまたリメイクしないといけないじゃない。ってまさかそれでまた集客を狙っているんじゃ…。スターウォーズ商法はやめてくださいよ。
何はともあれ次で完結だが、しっかりした結末で終わって欲しいとも思うし、懲りずに投げっぱなしジャーマンで激震を与えて欲しいとも思うし半々といったところだ。ここで4作目はまさかの総集編にして、「僕って最低だよ」で締めくくるのもこの際あり。
P.S.同時上映「巨神兵東京に現る」は特撮と懐かしいビルの爆発音で見応えはあったが、林原みぐみを使うだなんてそんな高級食材はちょっと違うんだよねって感じはあった。声が特撮にしてはエロいんだよな〜。平成ガメラシリーズまた作らないかな〜とか思ってしまった。