製作年度:2012年 日本 配給:ワーナー・ブラザース映画
監督:窪岡俊之 原作:三浦建太郎
2012年7月 映画館にて鑑賞
知る人ぞ知る大人気ダークファンタジー巨編の漫画を三部作構成にした映画版2作目。漫画は私も28巻位までは持っているが最近買っていない。一コマのクオリティーが凄すぎるあまりなかなか新刊が出ないので完結してから一気に読むことにした(たぶん終わる頃にはじいさんになっているかも?)。
第2部は名場面100人斬りとボスコーン将軍との一騎討ちが見所。てか3部の2作目でまだそこって、もたもたしていると15年前のテレビアニメ版の時みたいにまた最後が未消化に終わりそうな気が…。もうここの部分はアニメ化済みだしクオリティーもそんなに悪くはなかったので蝕より後の部分の話を観たい気もする。とはいえ10年も経てばセル画の塗り方も変わるし、CG効果も加わり21世紀仕様になっていて見違える程鮮やかになっている。安易な焼き直し編集版感はない。キャラデザインはちょっとみんな口が「へ」の字過ぎて昔の方が好きだったりした。声優は売り出し中タレントの起用がないのには好感が持てる。女優の起用がないのには観ていて納得。今回の映画版、スタッフが盛り上がるところを間違えたのかどうかは不明だが、エロシーンが一般用アニメにしては妙に濃い。エロもあっさりとした洋画のようなものではなくて、どこか粘着気質。シャルロット嬢の声とかエロ過ぎた。これでは「金曜ロードSHOW」で子供店長が紹介できないではないか。まあ自分は楽しめたからいいけど。戦闘は迫力があって、バイオレンスの度合いも原作に忠実なのはよかった。血が緑だったり、ぼかしが入ったらどうしようと思った。ストーリーは原作を縮めてカットが多くなるのは分かっていたから、鑑賞前に原作を読み返すことはしなかった。普通に一本の傭兵道として観れば楽しめる。しいて要望を言えば120分にして脇役の人達にスポットを当てて欲しい気はした。もっと名前で呼んであげて鑑賞者に性格とキャラをここで覚えさせないと、蝕の時「え?お前誰?」ってなってしまう。あれがすごいのは読者と10巻あまりに渡って一緒に強くなり育ってきた仲間がわずか一瞬にしてカオスに引き込まれる絶望感に鳥肌が立つこと。「剣が効かねーよー」「え?これってみんなドラゴンボールでなんとかなるんでしょ?」って。
日本が誇る傑作アニメになるかは3作目にすべてがおわずけということで、どうなるか楽しみではある。過去のTVアニメ版同様またオオカミ風の使徒はカットの予感。あとエンドロールの音楽が地味過ぎはしませんか?オープニングはゲーム版同様のアップテンポ感が「戦うぞ!」ってテンション上がるけど…。原作コンテンツは神作品なだけに大事にしていった方がいい。