研修



※当研修の講師・インストラクターは、すべてSSのボランティア・メンバーです。


 【平成11年度年間研修計画】

 ボランティア各位へ

 平成11年1月より下記の要領で自主研修を実施しています。
講師・インストラクターは得意(専門)とする分野でSS memberが持ち回
りです。
他人に伝えることは、本人にとって最良の勉強ですし、冷や汗をかく
回数が多いほど、緊急時にパニックとなることを防ぎます。いかなる場
合でも冷静に対処することが、何より最優先とされるボランティア活動
ですから、折に触れ人前に出ることは研修の一環ともなります。

 年間2クールで各8回を予定しました。初回のため詳細は決めずに、
ボランティアとして最低限ここまでは身につけて欲しい、と考えられるあ
くまでもアウトラインだけを取り上げました。

研修1 ボランティア概論
研修2 在宅援助について
研修3 介護について
      介護実習1
研修4 介護実習2
研修5 介護実習3
研修6 看護について
研修7 看護の基本
研修8 精神的援助
ボランティアとは何か 2時間
施設と在宅の基本的な違い 1時間
介護とは何か 1時間
着脱・移動・清拭・他           1時間
ケースを想定しての学習 1時間
問題点の把握 1時間
困ったときの対応(尿・便失禁等) 1時間
看護とは何か 1時間
医療・薬剤について 1時間
人間を看る 2時間
心理面の把握 1時間
 研修6まで終了した時点で、次回以降どうしても取り入れたいものとして、
ボランティアからは次の2点の要求が出されています。

    @ 清潔と不潔の概念
    A 感染症とその対策

 今後、変更を加えより良い研修システムにしたいと考えています。
スキャナーよりの転写のため、見にくいのはご容赦 
平成11年度

研修1 ボランティア概論流れ

@   ボランティアの定義について

 自ら志願した者であって、必ずしも福祉にのみ従事するわけではない。すべての分野において存在する。古くは、ヨーロッパにおけるキリスト教布教を目的とした十字軍の兵士。

A   志願に至る動機(目的)

 個々別々である。いかなる動機であろうとも、それによってボランティアとしての優劣が決まるわけではない。

B   動機(目的)達成のための手段

  種々のボラ活動がある

C   結果判定
目的は達成されたか?
D   プラスα

 ボラ活動を長期に継続することによって、予期せぬすばらしい副産物が生じてくる。他人に対して、何かを与え提供しているはずなのに、逆にそれ以上の何かを与えられているという感覚。ボランティアのボランティアたる所以である。

E   討論

 個々人のボラ参加の動機


S.S 研修2

在宅ボランティアと施設ボランティア

        平成11年2月6日(土)
          10:00〜12:00

 一人では生活できない人を援助し、心の支えとなるのが“ボランティア”と思う。長い間ボランティア活動をさせて頂いて、在宅ボランティアと施設ボランティアと区別されることは、私自身とても嫌であった。なぜなら、ボランティアとは自発的に心からわきでる、強制されることのない行為と思うからで、この両者に基本的な違いはないのではないだろうか。

 ここに私のボランティアに対する心得をあげたい。
 
*心身ともに健康であること
 *いつも明るく、はがらかに
 *相手の立場にたつ
 *言葉づかいは丁寧に
 *服装は活動しやすい普段着(アクセサリー、香水はつけない)
 *約束の日時は守る(出来ない時は早く連絡)
 *家族あるいは施設に対してロを出さない
 *公平に接する(施設は特に注意)
 *秘密は守る

 感情は身体に良い影響も、悪い影響も与えるだろう。怒り・ストレス等は悪く働き、笑い・喜び等はプラス感情となって健康を保つのでは。ボランティア活動も相手がどのような状況の中にいるのか判断が大切で、独善的・慈善的なボランティアであってはならないと思う。私はいつも自己満足にならないよう自戒している。在宅ボランティアと施設ボランティアの違いをあえて言うなら、有償・無償の他に施設は在宅へ入る前のトレーニングだと思う。
 ボランティアは実行することにその意義があり、継続することにより学習と経験が積み重ねられる。私達は向上心と共に歩んでいきたい。


研修3

《介護の目的と原則》

目的 日常生活の介護を通して、生活の質(Q.O.L.)の向上に貢献する。

(Q.O.L.)とは・・・

 1)衣・食・住が満たされること
 2)病気の予防
 3)できるだけ健康で文化的な生活を営めるようにする。
 4)人間の人格や尊厳が尊重される。
 5)社会生活に参加する。(地域の行事に参加)
 6)残存能力を最大限に生かして、自立的に生きる。
  (一人で生活できる為の援助)

・原則:上記の目的を達成するために(人々が積極的に生きて行けるよう
    に肩をかす)
 1)全面的な受容と、して欲しい事を提供する。
     (相手の話を聞きその人全体を理解、資料は材料)
 2)利用者に学び、利用者を尊敬する。
 3)介護、援助の科学性と倫理性
 4)信頼を深める
      ・・・可能なかぎり老人に自己主張をしてもらう。
         明るい笑顛が一番役に立ちます。
                                                                                                                                                                                            


研修4

視覚障害者の歩行介助

○場所・・・室内
○障害物・・いす、段差
○二人一組・・Aは視覚障害者(アイマスク使用)、Bは介助者
       AB立場を換えて、各5分歩き回る

〈要点〉
   1.介助者のどこにつかまって貰うか、視覚障害者に確認する
   2.歩行中は障害物の位置、様子を口に出して伝える

〈学習内容〉
   1.視覚障害者が皆同じではなく、人によって介助の仕方が違うことを知る
   2.前方だけに気を遣うのではなく、介助者の体が二倍になったと思い、前
     後・上下、視覚障害者の外側に気を配る
   3.廻りの状況(信号・工事など)も伝える
   4.介助して貰うことによって(視覚障害者になってみて)どのような面に
     気を遣って貰いたいか知る
   5.介助者の勝手な思いこみで行動しない
   6.介助者が満足するための介助ではない


研修8 

 精神的な援助(本人・家族の心理面の把握)


@精紳と身体 『心はどこに宿るか?』
                    心臓から脳へ、時代とともに変遷
          「大脳の働きによる精神性の発露」
                    未だ十分に分かっていない

A人格とは  『赤ん坊に人格はあるか?』

B病気 「故障・不具合・異常」  身体の病気  通常は自覚症状がある
                     精神の病気  自覚症状が曖昧か、まっ
                               たくない

C神経の異常 『心身症』    狭心症・胃十二指腸潰瘍・喘息・アトビー

D精神の異常 『精神分裂』
          『躁鬱』
          『痴呆』
          『境界例』

上記古典的な分類分けの他に、『単一精神病』として捕らえ、症状のみが違
うとする見方がある。

E精神の働き
       自己作用              自問自答
       相互作用【コミュニケーション】  言葉・身振り手振り

       コミュニケーション(言葉)により、傷つき、
       コミュニケーション(言葉)により、癒される。

F言葉の嘘を見抜く
       幼児はどこが痛くても「ぽんぽんが痛い」というように、
       言葉をそのままに捕らえ、短時間で判断するのは、『危険』。
       真実の言葉は、出来る限りの情報収集(バックグランド)と、
       総体的な知識をふまえた上で判断する。
        『痴呆を含め、精神症状が顕著の場合は特に重要』

G安心・安楽の提供    プラセーボ効果(偽薬)
                『心のこもった嘘』
                『演技』

H感情コントロール
 
       哀しいからと無防備に『涙』を流してはならない。
       嬉しいからと、無条件に『笑って』はならない。

I同情はいらない、共感すべし

       哀れみを基点とした『同情』からは、事態を悪化させこそすれ
       将来へのエネルギーは生まれない。すべての事情を察知した上
       で相手を思いやる『共感』がなによりも必要。


研修9

地域で支えていくボランティア活動の意義

@ なにゆえ地域で支えるのか? その必要性について
      福祉とは?     ◇行政による福祉
                (保健所・福祉事務所の役割)

                介護保険    2000年4月導入

                ◇地域による福祉
                「民生委員の役割」
                ◎ボランティアの存在理由

A 地域ボラの活動

     実際の活動の幾つかについて
     今後どのような活動が可能か?

B ボランティアの定義

     ボランティアという言葉から何をイメージするか?
     ボランティアは何をするのか? また、すべきなのか?
     ボランティアのしてはいけないことは?
     ボランティアは有償か無償か? では、なぜなのか?
     ボランティアは福祉に限定するのか?
     福祉以外のボランティアはあるのだろうか?

C 広義のボランティアについて

     Volunteerの語源
     国際ボランティア
     NGOとODAのボランティアについて、その違い

D あなたは(わたしは)なぜボランティア活動をするのだろうか?