ウィニーのウイルスとは? 


 相次ぐ情報流出を起こさせているファイル交換ソフト「ウィニー」を狙ったウイルスとはいったい何か。
ウイルス対策ソフト大手のトレンドマイクロの黒木直樹上級セキュリティエキスパートに聞いた。

 愛媛県警や防衛庁など官公庁や三菱電機、NTT西日本などの民間企業から機密情報が
流出した事件には、ウィニーのウイルスが関与した。

 ウィニーは、ネットを通じてユーザー同士がパソコン内に保存するファイルを交換できるようにするソフトだ。
しかし、パソコン内のすべてのファイルを交換できるようにするわけではなく、ウィニーのソフト画面で設定した
フォルダにあるファイルのみが交換される仕組みになっている。

 ウィニーを狙ったウイルスの代表的なものに「アンティニー」がある。
これはウィニーそのものの機能を変えてしまうわけではなく、パソコンの中にある様々なファイルを、
次々とウィニーで設定した交換するファイル用フォルダに移動させてしまう。それによってユーザーの
気がつかないうちに、意図しないファイルがウィニーのネットワークで共有されてしまうことになる。

 ウィニーの利用者は、おおよそ60万人ともいわれている。
その数は、ウィニー作者である金子勇被告が逮捕されて以来減っている。なぜここにきて
情報流出が相次いでいるのだろうか

 情報流出事件としては、昨年も多少はあった。おそらく最近までは、流出していても表ざたにならず
そのうちファイルも消えてしまったケースもあったのだろう。最近になり相次いで情報流出事件が
報道されたために、ウィニーのネットワークに流れているそうした機密情報や個人情報を積極的に
探そうとしている人が増えているのではないか。

 ウィニーに関するムック本が多数出版されている。そうした本についているCD−ROMを使って、
本に書いているとおりに実行すればウィニーが使えてしまう。ムック本には、ウイルスについての
注意を書いてある場合もあるが、そうした部分は読み飛ばされてしまいがちだ。
あまりパソコンに詳しくない人でも、ウィニーを使い始めてウイルスに感染してしまっている可能性はある。

 ウィニーは日本国内を中心に使われているソフト。ウィニーを狙ったウイルスは、どういう狙いで
ばら撒かれているのだろうか

 どういう人がウイルスを作っているのかを特定するのは難しい。しかし、ウイルスを作るためのソフトウエアが
ネット上で配布されてしまっている。それほどが技術力のない人が、愉快犯的に作っている可能性もある。
ウイルスは利用者数が多いところに出現する。例えばマックやリナックスに比べて、ウィンドウズ向けの
ウイルスが多いのは利用者が多いからだ。
たとえ、ウィニーがなくなったとしても、人気のあるファイル交換ソフトを狙ったウイルスの出現はやまないだろう。

 官公庁はウィニー自体を使わないことを呼びかけている。利用者が最低限すべきことは何か

 ウィニー自体はファイル交換ソフトで、例えば無名のアーティストが自分の曲を皆に聞いてもらいたいというような
ときには有効なソフトだ。利用者は最低限ウイルス対策ソフトを導入し、常に新しい更新ファイルを
適用すべきだ。そしてウィンドウズについても最新の状態に保つ。ウィニーのウイルスは、ファイルの
アイコンを偽装している場合がある。アイコンをダブルクリックする前にきちんと確認すべきだ。

[2006年3月20日/IT PLUS]


朝日新聞 2006年07月25日20時15分
ファイル交換、1割が経験 利用者の実態調査
インターネット上で映像や音楽などをやりとりする「ファイル交換ソフト」を利用した経験のある人はパソコンユーザーの
1割を超すことが、日本レコード協会などが25日に発表したアンケートで分かった。
 調査はインターネットを使って6月に実施、約1万8600人が回答した。同ソフトを「現在利用している」人は3・5%で、
昨年から0・8ポイント増加。「過去に利用していた」人を加えると12・0%(推計約608万人)となり、2002年の
調査開始から初めて1割を超えた。同ソフトをめぐっては著作権の侵害が問題になっているが、ダウンロードした
ファイルのうち音楽の91・1%、映像の86・2%が著作権の保護対象と推定されるという。


ファイル交換ソフト、利用者は175万人
 「Winny」などのファイル交換ソフトの利用者は約175万人で、インターネット利用者の3.5%と推定されることが、
コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)、日本レコード協会などの調査で25日、わかった。
ダウンロードしたことのあるファイルの種類では音楽と動画が多く、ともに約9割は著作権保護の対象となるという。 
 6月13〜18日、ネット上でアンケートし、有効回答数は1万8596人。過去に利用した人も合わせたファイル交換ソフトの
利用経験者は、ネット利用者の12.0%、約608万人。利用をやめた理由は「セキュリティー・ウイルスなどが心配」が
過去利用者の46.2%を占め、「著作権侵害などの問題がある」は26.4%だった。 
 ACCSは著作権侵害をしている利用者を特定できるソフトウエアなども運用して対応することを検討している。


  読売新聞 2006年9月13日20時34分
NTTデータ社員のウィニー通じ、理研遺伝子情報流出
 NTTデータは13日、144人分の遺伝子情報を含む技術資料431件などが、同社社員の私有パソコンから
ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」を通じてネット上に流出したと発表した。流出した遺伝子情報は、DNAの
個人差を解析した理化学研究所(理研)との共同研究によるもの。すべて匿名化されているため、
個人は特定されないという。

 同社と理研によると、この社員は、昨年秋から今春まで情報をUSBメモリーに移して持ち帰り、ウィニーの
入った自宅のパソコンで業務を行っていた。パソコンがウイルスに感染し、約2か月前に情報が流出したらしい。
 同社では今月7日、流出に気づいて調査を実施。11日に理研に報告した。遺伝子情報のほか、同社社員や
共同研究者172人の連絡先なども流出していた。理研はDNAの個人差と、病気や薬効との関連を調べる
研究プロジェクトに年間約16億円を投じており、データはその一環。理研では同社が機密保持や情報セキュリティーに
関する共同研究契約に違反しているとし、流出情報に財産的な価値があるかどうかを調べている。
価値があると判断されれば、損害賠償の請求を検討する。


 朝日新聞 2006年10月28日11時57分
豊明市職員の私有パソコンから個人情報流出
 愛知県豊明市は28日、市消防職員(50)が自宅で使っていた私有パソコンから、市消防職員ら計237人分の住所や
電話番号などの個人情報がファイル交換ソフト「ウィニー」を介してインターネット上に流出した、と発表した。 

 総務省の指摘でわかったもので、流出したのは、職員が独自にファイルにまとめた年賀状用のデータ。
同市や近隣市町の消防職員の名簿のほか、市内の中学校のPTA連絡簿などがあった。
ウィニーがウイルスに感染して、数日前にネット上に流れたらしい。 
市では今年3月、全職員に個人的なウィニー使用について注意するよう呼びかけていた。


 読売新聞 2006年10月31日0時50分
高知医療センター 患者26万人情報、ウィニーで流出
 高知県は30日、高知医療センター(堀見忠司病院長)が保有する旧高知市民病院の患者約26万人分の氏名や住所、
生年月日、カルテ番号などの個人情報が、インターネット上に流出したと発表した。
ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」を介し、ウイルスに感染するなどして流出したとみられ、県は調査を始めた。

 同センターによると、同日午後、総務省から県情報企画課に連絡があり、流出がわかった。
同センターは昨年3月、同市民病院と県立中央病院が統合して設立された。患者情報以外に、市民病院の
職員だった634人分の名簿も漏れたという。
 同センターの森田荘二郎・医療局次長は「どこから流出したのかわからない」と話している。同センターは、
病院経営を民間企業に委託するPFI方式を採用した国内初の公営病院で、ベッド数は648床。


 産経新聞 2007/02/03 09:29
またしても…ウィニーで陸自資料流出

 陸上自衛隊の訓練などに関する内部資料が、陸自第14旅団(香川県善通寺市)に所属する3等陸曹の
私物パソコンから、ファイル交換ソフト「ウィニー」を通じてインターネット上に流出していたことが3日、分かった。
秘密情報は含まれていないが、防衛省は近く3曹や上司を処分する。

 防衛省によると、3曹は許可を得ないまま部隊内で私物パソコンを使用して業務用データを扱っていた。
このパソコンから取り出した内蔵ハードディスクを使い、自宅で新たに別のパソコンを自作。ウィニーを入れて
使っていて、昨年8月に資料が流出したという。ウイルスに感染したとみられる。同省では昨年2月、海上自衛隊の
「秘密」情報流出が発覚。職場から私物パソコンを一掃するなどの対策を進めていたが、昨年11月には
航空自衛隊員の私物パソコンからイラクに展開する米軍の情報が流出するなどしている。


 朝日新聞 2007年02月24日11時05分
ウィニーで被害者情報など流出 山梨県警

 山梨県警の捜査員の私有パソコンから、事件の証拠物件を提出した人の名前や住所など、少なくとも500件以上の
個人情報が入った捜査資料がインターネット上に流出していたことが、わかった。
捜査員はファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」を使用していたとみられ、県警は、パソコンがウイルスに感染し、
ウィニーを介してネット上に情報が流れたとみて調べている。 

 県警によると、資料には、証拠物件の提出者や所有者名が書かれたメモ、被害者の個人情報や過去に
検挙した贈収賄事件のチャート図などの捜査情報が含まれていたという。この捜査員は現在は甲府署に勤務。
一昨年春、長坂署から異動しており、県警ではいつ情報が流出したか調べるとともに、捜査員の処分についても
検討している。 

 昨年3月、岡山と愛媛の両県警で供述調書などの流出が相次いだことを受け、警察庁は全国の都道府県警に
ウィニーの使用を禁じる緊急の通達を出した。通達では、承認のないパソコンは警察に関する情報を削除した上で
撤去し、庁舎外にパソコンを持ち出す場合は情報を暗号化するよう求めた。 

山梨県警も同年10月から全職員に対し、業務上の情報を私有パソコンに保存することを禁止していた。 
県警は23日夜、情報が流出した事実のみ発表したが、詳細な内容については、「調査中」として明らかにしていない。


産経新聞 2007/03/12 12:54
納税、国保情報1万件流出 春日部市、交換ソフト通じ

 埼玉県春日部市は12日、少なくとも平成8−17年度の市民の国民健康保険や納税に関する個人情報計1万1216件が、
職員のパソコンからファイル交換ソフトを通じてインターネット上に流出したと発表した。
 市によると、流出したのは国民健康保険証番号や氏名、住所、生年月日の記録がある「特定疾病リスト」など
国民健康保険に関するデータ5196件のほか、税務課の「個人事業届出済証明書発行一覧」など税務関連のデータ6020件。

 支所勤務の男性職員(33)の自宅のパソコンがウイルス感染し「シェア」と呼ばれるファイル交換ソフトを通じて流出した。
職員は以前、私用ノートパソコンを役所に持ち込んで仕事をしており、自宅のパソコンにデータのバックアップを取っていた。
「業務が忙しく、自宅で仕事をせざるを得ない状況だった」と話しているという。

 記者会見した石川良三市長は「業務情報を庁舎外に持ち出すことは禁じていたが、このような事態になったことを市民に
深くおわびしたい」と陳謝した。


朝日新聞 2007年03月28日22時09分
三井生命、ウィニーで個人情報1501人分流出

 三井生命保険は28日、企業年金の顧客と同社社員ら1501人分の個人情報が、ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」を
介してインターネット上に流出したと発表した。氏名、生年月日のほか、顧客のうち276人については住所や年金の振込先の
口座番号も含まれていた。現段階で不正利用は確認されていないという。三井生命によると流出したのは顧客1392人分と、
同社と子会社の社員109人分の情報。システム開発を委託していた子会社の男性社員の個人所有パソコンから流出した。


朝日新聞 2007年04月02日12時35分
生徒143人分の情報、ネットに流出 福岡市の中学校

 福岡市東区の中学校を3月卒業した生徒143人分の氏名や住所などが、この学校の男性教諭のパソコンから
インターネット上に流出していることが分かった。このうち108人分については、計2年間の通知表の内容も流出した疑いが
あるという。ファイル交換ソフト「ウィニー」を入れたパソコンが、ウイルスに感染したとみられる。同校などによると、
男性教諭は卒業生が3年生だったときの担任の一人。データをフロッピーディスク(FD)で自宅に持ち帰り、このパソコンで
成績の評価などの作業をしていたという。氏名、住所、電話番号などは緊急連絡先として保存していた。
同校の校長は「個人情報の取り扱いに問題があり、生徒らに非常に迷惑をかけた。反省している」と話す。

 先月28日、市教委に情報流出を指摘する連絡が外部からあった。同校は今月1日までに、143人の保護者全員に
事情を説明して謝罪した。


朝日新聞 2007年04月09日20時54分
痴漢被害者情報、ネットに流出 地下鉄駅助役停職 大阪

 大阪市営地下鉄御堂筋線・なかもず駅の助役の男性(48)が昨年12月、同線の車内で起きた痴漢の被害者情報などの
データを自宅に持ち帰り、ウイルスに感染した私有パソコンからファイル交換ソフト「ウィニー」を介して情報をインターネット上に
流出させたとされる問題で、同市は9日、この助役を停職1カ月の懲戒処分にした、と発表した。処分は3月30日付。

市交通局によると、流出したのは、90〜05年に作成された痴漢や駅構内での転倒事故の報告書など文書ファイル約1470件。
痴漢の被害者ら約250人分の氏名、年齢、電話番号などの個人情報が含まれていた。調査の結果、流出した情報が
悪用された形跡はないとして、個別の謝罪はしていない。助役は仕事の参考にするため、なかもず駅の駅長室の
パソコンなどからメモリーカードにデータをコピーし、持ち帰っていたという。


読売新聞 2007年4月10日1時8分
陸曹の私物パソコンから駐屯地武器庫などの資料流出

 陸上自衛隊松戸駐屯地(千葉県松戸市)に勤務していた2等陸曹の私有パソコンから、ファイル交換ソフト「ウィニー」を介し、
同駐屯地の武器庫の見取り図や高射砲の機材整備などに関する資料がインターネット上に流出していたことが分かった。
防衛省も流出を把握し、調査を進めている。
 同省などによると、流出があったのは3月下旬。秘密情報は含まれていなかったものの、「部内限り」とされる情報が
流出したという。この2曹が、過去に業務で私有パソコンを使っていた時、パソコン内に保存していた資料が流出したとみられる。
陸自は2曹を厳しく処分する方針。同省は、昨年2月に護衛艦の秘密情報がネット上に流出した問題が起きたのを機に、
職場から私有パソコンを一掃し、業務用データはすべて私有パソコンから消すよう求める次官通達を出していたが、2曹は
データを消去していなかった。


朝日新聞 2007年04月19日19時05分
捜査員のPCから暴力団組員の個人情報流出 北海道警

 北海道警は19日、稚内署刑事課の男性巡査長(31)の私有パソコンから、暴力団組員や事件の容疑者ら
計約570人の個人情報や捜査資料がインターネット上に流出したと発表した。巡査長は以前公務に使っていた私有パソコンに
ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」を導入していた。道警は、パソコンがウイルスに感染し、ウィニーを介して情報が
ネット上に流れたとみている。
 道警によると、流出したのは暴力団組員約100人の住所や氏名、犯歴、家族構成のほか、容疑者を送検する際の
書類目録、同僚の個人情報など。流出は今月17日に分かったという。
 警察庁が06年3月、都道府県警に業務に使うパソコンでのウィニー使用を禁止する通達を出したのを受けて、道警も禁じた。
巡査長はウィニーを同年12月に私有パソコンに導入したものの、以前に入れていた捜査資料はすべて消去済みだと
思っていたという。道警は巡査長を処分する方針。


朝日新聞 2007年05月11日19時31分
富士通、638人の顧客情報がネット流出

富士通は11日、グループ会社の社員の私用パソコンから、顧客638人分の個人情報がファイル交換ソフトを介して
ネット上に流出したと発表した。01年10月から02年4月までにパソコンの修理を依頼した顧客の氏名、住所、電話番号などが
流出したが、これまで不正利用は確認されていないという。パソコンの修理を担当していたグループ会社員が内規に違反し、
私用パソコンに顧客データを保存。ファイル交換ソフトがウイルスに感染し、流出したという。4月末ごろ、富士通社員が
情報流出を発見した。


朝日新聞 2007年05月18日14時47分
全住民の情報流出、2万8千人約14万件に 愛媛・愛南

 愛媛県愛南町の住民の個人情報がファイル交換ソフト「ウィニー」を介して流出した問題で、同町は18日、
合併した旧5町村の全住民約2万8000人の住民票コードや国民年金に関する情報などが流出していた、と発表した。
これまでの判明分と合わせて、流出件数は約14万2000件になる。過去数十年間の死亡者や転出者情報も含まれ、
個人情報は約5万4000人分にのぼるという。

 同町によると、流出した情報には、住民基本台帳に記載された氏名、生年月日、住民票コードなどのデータや、
基礎年金番号などの国民年金に関する情報、選挙資格の有無などが含まれているという。

 谷口長治町長は「住民の不安を解消するため、職員を全戸に説明に回らせる。町民が住民票コードの変更を希望する場合は
速やかに手続きし、流出させた業者への法的措置も検討したい」と述べた。


産経新聞 2007/06/08 13:59
ウィニーで児童情報流出、関与認めた教諭自殺 千葉

 千葉県市原市教育委員会は8日、明神小など市立小2校の卒業生や在校生の個人情報がファイル交換ソフト「ウィニー」を通じ
流出し、関与を認めた明神小の男性教諭(34)が自殺したことを明らかにした。
 教諭は生前、市教委の調査に対し「ファイルは自分の物で、責任を感じている」と話していたという。遺書が見つかったが、
流出への言及はなく、市教委は「自殺と流出の因果関係は分からない」としている。市教委によると、流出したのは若宮小で
教諭が平成13−17年度に受け持った5年生や6年生248人の氏名や電話番号、成績表などと、明神小で18年度に
担当した5、6年生のうち21人の氏名と住所。これまで悪用された形跡はないという。

 市教委が1日「インターネット上に生徒の名簿や成績がある」と匿名の連絡を受け調査。その名簿に教諭の名前が
あったことから本人に説明を求めたという。教諭は18年度から明神小に勤務。先月23日から体調不良を理由に学校を
休んでいたが、6日早朝に千葉市の自宅で首をつって死んでいるのを両親が発見した。


読売新聞 2007年6月13日12時51分
警視庁情報1万件流出、巡査長の私物PCがウィニー感染

 警視庁は13日、同庁北沢署地域課の男性巡査長(26)の私物パソコンから捜査資料など約1万件の文書類や画像が
インターネット上に流出したと発表した。問題のパソコンはファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」のウイルスに感染していたとみられ、
供述調書なども多数、流出しているという。警察庁では今年3月、全国の警察官の私物パソコンについてウィニーの有無を
点検するよう指示し、警視庁も全職員を対象に調査を実施したが、この巡査長は「ウィニーはない」などと虚偽の報告をしており、
調査が不完全だったことも明らかになった。

 警視庁によると、12日午前8時ごろ、ネットの掲示板に「警察情報が流出している」との書き込みがあったため、調べたところ、
同日夜になって文書約9000件と画像約1000件の流出が確認された。文書の中身から、同庁では流出元を巡査長と特定。
13日朝から事情を聞いたところ、巡査長は「同僚からもらったデータをパソコンに取り込んでいた」と話した。
巡査長の私有パソコン2台のうち1台にウィニーがインストールされていた。流出したデータは、同じ地域課の上司の
巡査部長(32)がパソコンの外付けのハードディスクに保存しており、巡査長はこのハードディスクを借りたことがあった。
この巡査部長は以前、組織犯罪対策1課などに所属しており、外国人犯罪に関する捜査情報が流出した可能性もある。
同庁は、巡査長のパソコンが遅くとも今年4月にはウイルスに感染していたとみて、流出した情報の確認を急いでいる。

 北村博文・同庁人事1課長の話「情報セキュリティー対策を徹底しているさなか、このような事案が発生したことは誠に遺憾です。
今後、厳正に対処したい」


朝日新聞 2007年07月17日20時26分
内科医、患者情報をウィニーで流出 1343人分

 青森県おいらせ町の国保おいらせ病院は、以前勤務していた男性内科医(35)の個人用パソコンからファイル交換ソフト
「winny(ウィニー)」を通して患者を含む1343人分の個人情報がインターネットに流出していた、と17日発表した。 
 同町によると、流出した個人情報は主に01、02年に同病院に入院した患者の名簿や病名研究データ、医師や看護師と
家族らを交えた治療方針の説明資料など。名前や年齢、住所、性別のほか、病名や介護者の名前が含まれているものもあった。 
 内科医は01年4月から03年3月まで勤務。患者情報は「学会発表のための資料づくりに使った」と説明しているという。 
 内科医は、神奈川県横須賀市立うわまち病院にも勤務し、現在は静岡県伊東市立伊東市民病院に勤務している。
うわまち病院の患者6人分の情報も流出していたという。


産経新聞 2007/07/17 20:20
ウィニーで工事データ流出、国交省関東地方整備局 

 国土交通省関東地方整備局は17日、管内の事務所に勤務する30代職員の私物パソコンから、同局が発注する橋の
建設工事に関するデータなどが、ファイル交換ソフト「ウィニー」を通じてインターネット上に流出したと発表した。
個人情報は含まれていないが、同局は「工事個所や職員の特定を避けるため」として、事務所名などを発表していない。
同局港湾空港部によると、流出したのは工事発注額の積算事務に使う作業データの一部や事務所内の打ち合わせメモなど。
職員が自宅で作業するために持ち帰り、私物パソコンに保管し、消去し忘れたという。


読売新聞 2007年7月20日14時5分
警視庁1万件データ流出、北沢署巡査長を懲戒免職

 ファイル交換ソフト「ウィニー」が入ったパソコンから、約1万件に上る警視庁の捜査情報などがインターネット上に流出した問題で、
警視庁は20日、このパソコンを所有していた北沢署の巡査長(26)を懲戒免職、巡査長にデータをコピーさせた上司の
巡査部長(33)を減給1か月(10分の1)の懲戒処分にした。ウィニーを巡る警察情報の流出で、警察官が免職となったのは
全国で初めて。同署の崎田昭裕署長(57)ら2人も監督責任を問われて懲戒処分(戒告)となり、巡査部長に捜査情報を
渡した同庁組織犯罪対策1課の捜査員(36)ら5人も内規による訓戒などの処分を受けた。懲戒免職となった巡査長は、
同庁の指導に反してウィニーを私物パソコンに取り込み、昨年3月と今年3月、ウィニーが入ったパソコンはないと内部調査に
虚偽の申告をしていた。同庁は、流出データに犯罪被害者の情報などが大量に含まれていた重大性から、免職が相当と判断した。


産経新聞 2007/09/04 12:19
西日本新聞の監査情報、ウィニーでネット流出

 西日本新聞社(福岡市)の決算に関する監査データが、監査法人トーマツ職員の私有パソコンからインターネット上に
流出したことが4日、分かった。個人情報が約400件含まれているとみられ、トーマツが事実関係を調べている。両社によると、
流出したのは西日本新聞社の平成18年9月中間決算と19年3月期決算に関するデータ。トーマツ福岡事務所職員が私物の
パソコンに保存し、8月27日、ファイル交換ソフトのウィニーを使って音楽をダウンロードした際、ウイルスに感染し、流出した。
トーマツ広報室は「業務に関するデータを個人のパソコンに保管することは禁止していた。西日本新聞社や関係者に深く
おわび申し上げます」としている。


読売新聞 2007年9月11日20時53分
三重県警巡査の私物パソコンから捜査資料流出、個人情報も

 三重県警は11日、亀山署刑事課の男性巡査(30)の私物パソコンから、個人情報を含む捜査資料が、
ファイル交換ソフト「ウィニー」を介してインターネット上に流出したと発表した。県警情報管理課などの調べによると、
流出したのは警察関係情報のファイル1900件などで、交通事故当事者の住所や名前、生年月日など75人分の個人情報が
含まれていた。巡査は私有のハードディスクにデータを入れ、私物パソコンに接続していたという。5日午後、警察庁から
「三重県警の情報がネット上に流出している」との情報があった。後藤佳樹・首席監察官は「調査を終え次第、本人を
厳しく処分する」としている。


朝日新聞 07年09月25日20時37分
NTT東日本、病院患者ら1万2千人分の個人情報流出

 NTT東日本は25日、社員の個人用パソコンからファイル共有ソフト「Share(シェア)」を介し、約1万2000人分の個人情報が
インターネット上に流出した、と発表した。流出したのは、横浜市鶴見区にある横浜市東部病院の患者9951人分の名前と
4〜7月の診療費支払い状況、病院職員1146人分の名前と所属、同社社員620人分の名前、住所、電話番号など。
取引先など50社の業務関係資料もあった。NTT東日本は同病院の電子カルテシステムを受注していた。流出させたのは
30代の男性社員で、データ保管のため、7月ごろ自宅の私用パソコンに情報を移し、今月17日ごろ流出ウイルスに
感染したとみられる。問い合わせ先は0120・011273。


産経新聞 2007/09/28 11:20
卒業生1700人分の個人情報流出 旭川の私立高

北海道旭川市の私立旭川竜谷高校は28日、同校の男性教諭(33)の私用パソコンから、卒業生のべ1747人分の名簿や
定期試験の成績などの個人情報がインターネット上に流出したと発表した。同校によると、男性教諭は校内の規則に反して
データの入ったメモリーを自宅に持ち帰った。自宅のパソコンで仕事をする際に、ファイル交換ソフトのウィニー関連の
ウイルスに感染し、流出したという。男性教諭は「データは個人的なバックアップのためだった。認識が甘かった」と
話しているという。


朝日新聞 2007年10月09日20時35分
明治製菓、1万5千人分の個人情報流出 ウィニー通じ

 明治製菓は9日、業務委託先の元社員のパソコンからファイル交換ソフト「winny(ウィニー)」を通じて、約1万5000人分の
顧客情報が流出したと発表した。04〜05年に「母の日花束プレゼントキャンペーン」などの企画に応募した人の氏名、住所、
電話番号、生年月日などが含まれているという。9月26日にインターネット掲示板に流出を知らせる書き込みがあり、同社が
調べて判明した。元社員の男性が顧客情報の入った外付けハードディスクを自宅に持ち帰って私有パソコンに接続していたという。
同社は対象者におわびの文書を配っているが、今のところ具体的な被害事例は報告されていないという。


産経新聞 2008.10.27
明治安田生命、ウィニー感染で採用試験応募者の個人情報流出

明治安田生命(東京都)の採用試験応募者数百人分の個人情報が、ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」を介して
インターネット上に流出したことが27日、分かった。今のところ情報流出による2次被害などは確認されていないという。
 流出したのは、確認されている範囲で、大阪で採用試験を受けた来春入社予定の女子学生40〜50人分の顔写真や
氏名などが記載された内定者ファイルと、採用試験に応募した数百人分の学生の氏名、住所、電話番号、採否などが
記載されたリスト。同社によると、採用担当だった大阪職域FC営業部(大阪市)の男性社員が、会社のパソコンから
外部記録媒体を使って自宅の個人パソコンに個人情報が入ったデータを移したのが原因とみられる。
 ネットの掲示板に個人情報が掲載されたことなどから、25日に同社が流出を把握。男性社員に事情を聴いたところ
「家で仕事をしようとして持ち出した」と、社内規定に違反してファイルを持ち帰ったことを認めたという。
同社は「ご迷惑をかけた学生には申し訳ないことをした。誠意を持って対応したい」と陳謝している。


読売新聞 09年7月29日12時14分
住友生保、職員情報が「ウィニー」流出

 住友生命保険は29日、職員がファイル交換ソフト「ウィニー」を使ったため、職員1652人の個人情報が外部に
流出したと発表した。保険契約者の個人情報は含まれていないという。同社によると、2005年9月〜09年6月に
同社横浜支社に在籍した職員の氏名や生年月日、所属部署などの情報がインターネット上に流れていることが28日、
内部調査などで発覚した。横浜支社の20歳代の男性職員がパソコンを持ち出して自宅で作業していた際、
パソコンに入っていた「ウィニー」でウイルス感染したとみられている。同社は男性職員の処分を検討するとともに、
「(個人情報の)取り扱いルールを再徹底する」としている。


日経新聞 '09.7.29 14:02
IBM著作物や個人情報、ネット流出の疑い 50歳男を警視庁逮捕

 日本IBMの著作物を含むファイルをファイル交換ソフト「シェア」を通じてインターネット上に流出させたとして、
警視庁は29日、東京都八王子市、無職、川嶋一洋容疑者(50)を著作権法違反(公衆送信可能化権侵害)の疑いで
逮捕した。同庁によると、ファイルには昨年流出が発覚した神奈川県立高校の生徒約2000人分の個人情報が含まれていた。
川嶋容疑者は「法律違反とは思わなかった」と容疑を否認している。同県立高校の情報流出を巡っては、昨年11月11日、
2006年度の授業料徴収システムに登録した生徒約11万人分の個人情報がネット上に流出していることが発覚。
同システムを開発した日本IBMの下請け業者のパソコンがウイルスに感染したのが原因だった。


読売新聞 09年9月8日00時12分
流出被害拡大…「ウィニー」より怖い「シェア」

 「シェア」と呼ばれるファイル交換ソフトによる映画の著作権侵害が相次いでいる。8月には京都府警と埼玉県警が、
インターネット上に新作映画の映像などを流したとして、それぞれ会社員と無職の男を著作権法違反(公衆送信権の侵害)容疑で
逮捕した。
 ファイル交換ソフトといえば「ウィニー」がよく知られるが、シェアのほうがタチが悪いという人もいる。一体どんなソフトなのか。
ファイル交換ソフトを使うと、個々のパソコン同士でファイルをやり取りできるようになる。ウィニーもシェアも基本的な仕組みは
同じだ。だが、日本国際映画著作権協会(JIMCA)の萩野正巳・広報室長は「ウィニーよりシェアのほうが怖い」と言い切る。
JIMCAが昨年11月、人気映画「アイアンマン」についてネット上への流出状況を調べたところ、ウィニーによるものが
3本だったのに対し、シェアは17本を数えた。
 ネットワークセキュリティー会社「ネットエージェント」(東京)によれば、シェアが一度に交換できるファイルの容量は、
ウィニーの約16倍。このため、映画のように容量の大きなソフトを短時間で交換することが可能という。また、ウィニーが
一つのファイルをまとまった形でやり取りするのに対し、シェアでは、ファイルが多くの断片に分かれて複数のパソコンに
流出するため、最初にファイルを流した人物が特定されにくい。
 2004年頃から国内を中心に出回り始めたシェアの開発者は不明だが、同社の調査では、現在約16万人が利用している。
ウィニーの約30万人には及ばないものの、ウィニーの利用者が減りつつあるのに対し、シェアはじわじわと増えている。
同社の杉浦隆幸社長は「ウィニーは開発者が逮捕されるなどして、危ないソフトというイメージが広がったため、シェアに
利用者が移っているのでは」と推測する。
 映画のほかにも、音楽、ゲーム、アニメ……。ファイル交換ソフトで流出するソフトの種類は多岐にわたる。
コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)などが06年に行った調査では、ウィニーだけでも、わずか6時間に
約416万件ものファイル流出が確認された。著作権侵害の被害額に換算すると、約100億円分に上る。
 では、シェアも含めた被害額は? 「天文学的数字になる」とACCSは頭を抱える。対策は急務だが、特効薬は
まだ見つかっていないのが実情のようだ。


読売新聞 2010年3月22日21時06分
校長のパソコンから生徒の個人情報流出…長崎

 長崎市教委は22日、市立江平中の相良澄友校長(51)の個人パソコンから、在校生全員と過去3年間の卒業生計約200人分の
個人情報を含むデータがインターネット上に流出した、と発表した。市教委によると、流出したのは生徒の氏名や住所、
電話番号などを記載した名簿など61のファイル。校長がネットからダウンロードしたわいせつ画像も含まれていた。
市教委に同日、「(インターネット上の掲示板)2ちゃんねるで話題になっている」と電話があり発覚した。市教委は校長が
21日、自宅のノートパソコンにファイル交換ソフト「Share」でセキュリティーソフトをインストールした際、ウイルスに
感染した可能性があるとみている。市教委はデータの校外持ち出しを禁止している。しかし、校長は約3年前からデータを
自宅パソコンに写して作業しており、「Shareでわいせつ画像などを入手していた。大変申し訳ない」と話しているという。


産経新聞 2010.7.4 20:18
約1万6千人の個人情報流出 徳島の農協、ウィニー通じ

 徳島市農業協同組合(徳島市)は4日、30代の男性職員の自宅パソコンからファイル共有ソフト「ウィニー」を通じ、
平成18年3月時点の出資者1万5660人(脱退者を含む)と同年6月までの役職員849人の個人情報が流出した、と発表した。
同農協によると、現段階で被害情報はない。自宅にデータを持ち帰ることを禁じており、同農協は「セキュリティーシステムを強化し、
再発防止策を講じる」としている。同農協によると、流出したのは出資者に関しては氏名や住所、生年月日、電話番号、出資額などの
情報。役職員については氏名などに加えて報酬などの情報も含まれる。システム関連の取引業者から6月29日、情報が
流出していると連絡があり発覚、同農協が調査していた。


産経新聞 2011.9.16 18:15
成績など卒業生400人の情報流出 鳥取東高校 教諭自宅のパソコンから

 鳥取県教育委員会は16日、県立鳥取東高校の平成19年度、21年度の卒業生約400人の氏名や成績などの個人情報が
インターネット上に流出したと発表した。住所や連絡先は含まれておらず、被害は確認されていない。県教委によると、
今年3月まで同校に勤務していた男性教諭(50)の自宅にあるパソコンから、ファイル交換ソフト「ウィニー」を通じ、
5月上旬に流出したとみられる。教諭が3月に同校からUSBメモリーで持ち帰った教材データの中に個人情報が含まれていた。
7日、県教委に「卒業生の情報がネットに流出しているようだ」と匿名のメールが届いたことで発覚した。県教委によると、
教諭は「教材だけを持ち帰ったつもりだった」と話している。