朝日新聞「中国の旅」<競う二人の少尉>
「『これは日本でも当時一部で報道されたという有名な話なのですが』と姜さんはいって、二人の日本兵がやった次のような《殺人競争》を紹介した。
AとBの二人の少尉に対して、ある日上官が殺人ゲームをけしかけた。南京郊外の句容から湯山までの約十キロの間に、百人の中国人を先に殺した方に賞を出そう──。
二人はゲームを開始した。結果はAが八十九人、Bが七十八人にとどまった。湯山に着いた上官は、再び命令した。湯山から紫金山まで十五キロの間に、もう一度百人を殺せ、と。結果はAが百六人、Bが百五人だった。今度は二人とも目標に達したが、上官はいった。『どちらが先に百人に達したかわからんじゃないか。またやり直しだ。紫金山から南京城まで八キロで、今度は百五十人が目標だ』
この区間は城壁に近く、人口が多い。結果ははっきりしないが、二人はたぶん目標を達した可能性が強いと、姜さんはみている」
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