09月22日曇り 火
早朝埼玉の自宅を出て上信越道から北陸道の黒部インターを08:50に出て宇奈月温泉を目指す。
当初は立山の無料の駐車場へと思ったが何日になるかも解らない事と、汗臭い格好で電車に乗らなくて良いことで、心配のない有料駐車場へ停めることにする。
駐車場は連休中とあって誘導されてはいった所は大きな立体駐車場だった。4日分という ことで4400円置いて預ける、実際は五泊六日になり5500円かかる。
宇奈月発10:12各停で宇奈月へ向かう。料金は2040円。寺田へ11:25着き、乗り換えの時間が12:06と40分もあるので昼食でもと思ったが駅前には何もない、
駅のおじさんいわく、全くお店などないそうだ、ここは農村集落でただの乗り換えの場所とのことだが、こちらとしては乗り換えのような駅なら当然、
賑やかだろうと思ったのは大間違いだった。何はともあれ12:50立山へ着く、ここからアルペンルートだ、我われは欅平に抜けるので室堂までの片道切符2360円を払う、
とにかくこのルートはお金がかかる。13:10立 山ケーブル、高原バスで14:10室堂へ着く。
以前もこの時期に尋ねたが紅葉にはまだ少し早いのではないかと思っていたが、今年は異常に早いらしく弥陀ヶ原一帯からはもう紅葉の真っ盛りで室堂なども素晴しい景色だ。
とはいっても弥陀ヶ原辺りからは霧がかかり始め室堂では霧雨が降っていた。残念ながら当然立山は雲の中に隠れ姿は見えないが付近は紅葉で綺麗だ。
15:00頃に予約していたミクリが池温泉に到着。雨で動けず。
09月23日雨 水
起きて見ると雨が降っている。予報を見ると
今日は一日雨模様で明日から好天が続きそうだ。
雨の悪天の中を剣沢の雪渓下りはやめたほうが
良さそうとの判断で停滞と決め、宿に連泊を頼む。
連休も最終日とありすぐにOKが出て、
午前中は風呂へ入ったりとのんびりする。
午後雨が止まないので合羽を着て室堂の散策へ
出かける。ターミナル〜玉殿の岩屋〜ミドリヶ池〜
雷鳥沢〜地獄谷とほぼ室堂の一周をして紅葉が
最高の室堂を楽しむ。
夕方遅くなってから雨が止みきりも晴れてきた。
立山が姿をあらわし、ドレスアップした姿を見せてくれた。
剣御前の肩には剱岳が少しだけその威容を見せ、
明日の天候回復は間違いなさそうだ。
ミクリが池温泉も山小屋ではなく普通の温泉といった感じで
食事なども美味しく連泊でも違ったメニューで大変良く、
昼食メニューなども安い、温泉はいうまでも無く、
最高の濁り湯だ。
09月24日晴れ 木
今日は綺麗に晴れ上がり気持ちが良い。朝食を済ませ6:40地獄谷から雷鳥沢を目指す、雷鳥沢も以前テントで泊まった折の想い出がよみがえり懐かしい。
雷鳥沢のテント場から称名川を渡り別山乗越への急坂を登り付くと剣御前の小屋がある、ここへも以前に泊まっている。
小屋の前からいよいよ剣沢の下降が始まる。剣沢の小屋のあるところまでは問題はない。
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別山乗越への登りからの奥大日岳 | 剣沢からの剱岳 | 剣沢の雪渓と紅葉 |
昨日真砂沢のロッジへ電話で問い合わせをしたところ、今年は雪渓の状態が悪く、いたるところクレパス、崩落があり、ほとんどが夏道で時間が掛かるといわれ、
注意箇所を尋ねると最初から最後までが注意で、一歩間違ったなら死ぬんでね・・・遊び半分で来て貰っては困ると驚かされる。
剣沢の小屋の前でこれを下りますかと小屋の人に尋ねられ、ハイというとアイゼンは持っていますか?と聞いてきて平蔵谷と長次郎谷の間が雪渓歩きで後は夏道と聞き、
下り始める。ここから平蔵谷の出会いまで夏道を下るがこの夏道が悪い、到底一般の登山道とは大違いで毎年雪渓で削られ様子が変わるのだろう。
とにかく足元が悪いので注意して進む。
平蔵谷の出会いは小屋での注意を聞く前に登ってきた人に聞きピンクのテープがあるところが雪渓の降り口と聞いてたのですぐに解りアイゼンを着けて歩き出す。
雪渓も小さなクレパスはいたるところ走っている。登ってきた人の話では雪渓歩きはほんの少しで長次郎谷近くと教わっていたので、長次郎の谷が見え出し夏道が見えると
すぐに夏道へあがりアイゼンを外し夏道が行き詰ってはアイゼンを付け再度雪渓へあがるを3度もやってしまい時間をだいぶロスする。
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雪渓を注意しながら下る | 長次郎谷の出会い | 中央の小高い所に真砂沢ロッジが見えてきた |
途中の夏道はあがるとロープやピンが雪渓の淵に無数にあり、雪渓が大きな口をあけているかと思えばそれらを雪渓が隠していたり大岩がルートをさえぎったりと、
いかに雪渓の状態次第でルートが変わるかを物語っている、状態が毎日違うんで自分の判断でと小屋の人がいうのが良く分かる。
とにかく何とか長次郎谷の出会いからの夏道を見つけ暫く歩くとやっと真砂沢ロッジに着き正直ホっとトする。本当に悪天には歩くべきじゃないとつくづく思う。
時間は充分あるのでいたるところでザックを下ろし一眼のデジカメを取り出しながら写真を沢山撮りながら13:30今宵の宿到着。
ロッジへ着くと小屋の主が沢を望遠鏡で見ていたみたいで○○さん、お疲れさん、といいながらすぐにお茶を出してくれて、内はかけ湯になっているが風呂が
沸いてるので汗を流しなさいと親切な応対に感激する。
その後ガイドをともなった女性の三人ずれと単独の二人ぐらいで小屋は空いており、一番の到着みたいで一番奥の部屋を二人だけで
使わしていただき風呂で汗も流せ食事も良く朝なども入れたてのコーヒーまで付いていて8500円と他所より500円安かった。
親父さんも一見取り付きにくそうだが良い山のベテランで、良い時期に良い小屋に来たと思いながらぐっすりと眠りに着いた。
09月25日晴れ 金
今日も良い天気の中、朝食をしっかりいただき06:30真砂沢を出発二股を目指す、相変わらず道は悪い、時にはとんでもない所へ鎖がかかり高巻のルートがあったりする。
雪渓の残り具合でルートが変わるのだろう、広い河原にでても全く印は無く石のゴロゴロ地帯を下るとまもなく大きな石のある二股へ着いた、二股には吊橋がかかり沢を渡る。
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二股の吊橋 | 三の窓の雪渓 | 小窓の雪渓 |
吊橋を渡ると今日一番の仙人峠への登りが待っている、あせらずじっくりと登る、やがて三の窓の雪渓が目に飛び込んできて、写真をたくさん撮りながら登り続けると
今度は小窓の雪渓が見え、徐々に山が姿を変え素晴しい。仙人峠から左へ池の平へ向かうとベンチがある展望台へ出た。尚も進み今度は暫く下り続けると池の平山を背に
池の平の小屋が見えさらに下には平の池が綺麗な紅葉の中我われを待っていてくれた。
小屋の主が池の周りを1周できるから今日のこの時間じゃ誰も来ないから貸切の絶景だと教えてくれる。まさに最高の紅葉と剱岳を拝むことが出来た、帰りに先ほどの
ベンチの展望台まで戻るとガイドに連れられた女性陣がたどり着きながら、つかれたので池の平は取りやめ昼食にガイドにここが景色が良いからと連れてこられたといいながら
見せ開きを始めたので一足早く我われは今宵の宿仙人池ヒュッテへ向かう。
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仙人峠付近の裏剱岳 | 平の池と剱岳 | 平の池の紅葉 |
12:30と早い到着で仙人池ヒュッテでも着くなり風呂が沸いてるから内のは、大きいから二人で入りなさいと進められる。ま〜後の人のこともあることなので二人ではいる。
本当に大きな檜の風呂で3人でも楽に入れそうだ、石鹸などは使えないが絞るほどかいてきた汗を流せるのは、山やにとっては最高の贅沢だろう、
その贅沢がこのコースは最後まで続き幸せだ〜
さっぱり汗を流し着替えを済ませ、コンロを持ち出し昼食に外へ出たら、名物お婆ちゃんがお父さんコンロ食堂で使っていいよ、外は暑いからと声をかけてくれ、
一度はあがって見たが外のほうが気持ちが良いのでとお礼をいい池のほとりで昼食のラーメンを作りコーヒーと共にゆっくりと楽しむ。
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五竜岳と鹿島槍ヶ岳の間の仙人池ヒュッテ | 仙人池の剱岳 | 後立山 白馬岳から唐松岳まで |
食べ終わる頃に女性陣も到着その後も数組来るが込むようなことは無かったが、私たちの部屋にその女性陣が相部屋となりさらに女性が一人入り、
女性5人に男は私だけなので、小屋番に相談しガイドさんが一人で部屋に入っているからと同宿させてもらう。
仙人池ヒュッテも食事は美味しく、牛のタタキ、ホタテのクリーム煮等が出てびっくり物だ。お婆ちゃんも気さくに誰にでも声をかけその人気の程がなるほどと思わせた。
唯一つ難点を言わせていただけば、トイレの臭いがしてたまらない、小屋の中にあると仕方がないのか昔はどこもそうだった。でも、それを差し引いても良い小屋であった。
09月26日晴れ 土
今日は起きて見る霧がかかり折角の剱岳が見えない、小屋の人が7時前後が一番いいよと言っていたので皆出発を遅らせて粘っている。
我われも粘っているとその甲斐があって7時近くになると雲が切れ剱岳がその勇姿を現した。でも空の色が青空になるまでにはまだ時間がかかりそうだ、
心残りだが昨日も今日も見ることが出来まずは納得、阿曽原めざし07:15出発する。仙人温泉小屋までも仙人谷に沿った道で決して良いとはいえない道で注意が必要だ、
やがてはるか下のほうに仙人温泉の源泉の湯煙が立ち上っているのが見えてくる、湯煙が見えてからでも温泉小屋は遠い、
温泉小屋は登山道の少し下にあり声をかけジュースを購入しのどを潤す、都会といえる埼玉の所沢の人が主を務める小屋だ。露天風呂は良い展望のなかにある。
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朝は霧がかかりやっと7時頃霧が晴れだす | 遠くに温泉の源泉からの湯煙が見えてくる | 仙人温泉小屋の露天風呂 |
温泉小屋を後に、ここから雲切新道の始まりだ、今までのルートは危険箇所が多く事故多発のために苦労して新道を作ったそうだ、小屋から仙人谷へ下り沢を渡り源泉の真下を通る
そこから雲切新道の最高点までの登りとなるが、こちらはたいした登りではなく、道も以前から小屋の人たちが利用していたようで結構踏まれていて今までで一番安心して歩けた。
でも最高点が近づくといかにも作ったばかりのフカフカの道でしばらく進み切り開いたなだらかな平坦地が続くと最高点だった。
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雲切新道はロープ・クサリ・急ハシゴの連続 | 仙人谷を渡り返す | 黒部川へまっすぐに下る連続のハシゴ |
最高点からは今度は一転やせた尾根が続き、ロープ・クサリ・いくつものハシゴの連続となり、凄い急傾斜のくだりが続く、ここは雲切谷と仙人谷の本当に狭いやせ尾根だ、
しかし良くもこんな所にルートを見つけ道を切り開いたものだと感心する。(阿曽原温泉小屋の人たちが作ったそうで阿曽原の小屋でその折のビデオテープを放映して見せてくれた)
仙人谷を渡り返してダムが見えてきてから、何個も続いたハシゴで黒部川へ真っ直ぐに下り少し横に進むと仙人ダムの堤防上だ。堤防上は今まで休憩を取れるような場所も無く、
歩いてきたので安心してゆっくりと休める。ダム上流を見ると遠くに大きく長い滝が見え下流は狭いゴルジュにものすごい勢いで放水がされていた。
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仙人ダムの電力会社の施設内を登山道は通っている | 施設内で高熱隧道付近でトロッコの線路を横断 | 阿曽原温泉の露天風呂 |
ダムからは電力会社の施設内通路に入っていくかんぬきで扉を開け電気のともった通路を進むとトロッコの線路がありそれを横断する辺りから凄い熱気を感じ出す
高熱隧道がこの辺りを通っているそうだ。再びかんぬきで扉を開け閉めし、外へでて宿舎の建物横を抜けて再び結構な登りになりトンネルをくぐり、さらに下ると阿曽原の温泉小屋へ13:00着く。
仙人小屋で予約しておいてくれたおかげで、受付もスムーズで、こちらも一番乗りみたいで一番奥の4号室へ案内される。すぐに風呂へ行ったらと薦められる、
今のうちなら二人で入れるよとまでいわれたので、すぐに入りにゆく。帰るとお客が到着しだして、その後三組の夫婦が相部屋になる。ここでもコンロで昼食にしながらコーヒーを入れてのんびりする。
風呂は1時間おきの交代であるが風呂までは意外に遠く15分はかかる下りだ。こんな風呂に夜中の3時半ごろ家内に誘われ懐中電灯片手に入りにいって来た。満天の星が輝き、半分怖く・・半分爽快・・
この小屋が今までの小屋で一番賑わっていた、欅平から来た人、仙人池からの人、下の廊下の人などが集まったせいだ。とはいっても混雑とまでは行かずゆったりと出来食事等も大変美味しく応対も良く
今回は本当に小屋が空いていた関係もあり、大満足だ。
09月27日晴れ 日
今日は最終日だ、最終日まで好天に恵まれ室堂で停滞をして良かった。このコースは悪天でなく普通の雨でも歩きたくはない道で好天の中を歩けたことに感謝する。
朝食を済ませ6:30に小屋を出る、小屋を出てすぐに二本の沢を渡りまたもや水平道へ向かっての登りとなり、やっと登り終え、折角登ったのにまた下って水平道となる。
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阿曽原温泉小屋プレハブで冬季はたたむ | 沢を2本渡る | 水平道への登り、登った今度か下ると水平道だ |
水平道といっても決して平らな道ばかりではなく細かいアップダウンが結構あり、途中には大きな滝あり、砂防堤に突き当たったと思うとそのなかを
トンネルで通りぬけたりしながら進むので結構楽しく飽きることはない。でも距離はかなりある。
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オリオ谷の大滝 | 砂防堤の中をトンネルで抜ける | コの字にくり貫かれたルート |
こんな道を9キロ以上行かなくては欅平には着かない。やがて奥鐘山の岸壁が見えてくると大太鼓というほぼ中間点に近いもの凄く高度感のある場所に着く
対岸には黒部の三大岩壁で黒部の怪人と呼ばれる奥鐘山の西壁が迫力で迫り足元とおくには黒部川の川面が光っていて、
素晴しい、良くもこんな所へこんな道を切り開いたものだと、先人にタダタダ驚きだ。
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曲がりくねりルートが続く | 岩場が無く丸太で足場がある凄い所 | 核心部の大太鼓 高度感が凄い |
大太鼓を過ぎると志合谷に突き当たる。この谷は夏の間は雪渓が詰まっているらしい。その谷の手前から裏側をグルリとトンネルが通っているのだ。
谷を回るので当然トンネルも曲がっていて長い距離があり真っ暗だ、入り口には懐中電灯必要の注意書きがしてある。懐中電灯をともしながら進むと狭く足元には
水がザアァーーザァ流れ、頭にも気をつけないと頭も打ちかねないし雨水もポタポタ落ちてくる。そんな、トンネルを抜けた後は短いトンネルを二本くぐりどんどん進むと
送電線が近づき欅平の音楽や放送が大きくなってくるが、まだ先は長い、今度は350メートル近い下りの末に鉄塔の足元を経て最後に工事の足場用の階段を下ると
そこは欅平の駅で観光客が大勢いる場所に12:00に降り立つ。
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志合谷の長いトンネル、出口から入り口を見る | 懐中電灯がいらないトンネルがさらに二本 | あの深い黒部川まで下ると欅平だ |
折角欅平まで来たので欅平の名勝地の猿飛峡まで行って見た。ザックを担いだままで歩いていると皆に奇異な目で見られ、
また戻るのだから下ろしてくれば良かったと反省・・そんなこんなで、時間を潰し13:30のトロッコへ(普通客車料金1660円)乗車し、
大勢の観光客と一緒に車窓を楽しみながら宇奈月へ戻り、食事をしてから駐車場で精算をした後、黒部インターより高速に乗り自宅には休み休み走行し23:30に着く。
高速代は行くときは休日で帰りは日曜とあり往復2000円と破格の安さに感謝・・好天に恵まれ紅葉と絶景を拝めたことに感謝・・無事長期の山行が出来たことにも感謝感謝・・・・・
山で出合った皆さん、山小屋の皆さんありがとう