日本の歴史認識南京事件 > 1.1 背景・経緯

第1章 概要

この章では、本レポート全体を概説する。この章を読めば、南京事件がどのような事件で否定/肯定の議論の概要はどのようなものかを知ることができる。

1.1 背景・経緯

図表1.1 南京事件の背景と経緯

南京事件の背景と経緯

(1) 日中戦争開戦

満州事変(1931年(昭和6年))以降、日本軍は華北(中国北部)に進出し、1935年(昭和10年)傀儡政権「冀東防共自治委員会」を設立した。一方、中国は国民党が本土統一をほぼ果たしたが、日本の進出に対して排日・抗日運動が活発化していった。日中関係が緊迫する中で、1937年(昭和12年)7月7日、盧溝橋事件が起き、同年8月13日には上海に駐留する日本の海軍陸戦隊を中国軍が攻撃して、全面戦争へと拡大した。日本政府は8月15日松井石根大将を司令官とする上海派遣軍を編成し、8月23日上海北部に上陸したが、中国軍の精鋭に阻まれ、苦戦を強いられた。数回にわたって援軍を追加派遣し、11月上旬になってようやく上海全域の掌握に成功、中国軍は退却した。

(2) 上海から南京へ

上海に派遣された軍の使命は上海から中国軍を追い払うことであったが、軍の一部が独断で南京を目指して進撃を始めた。もともと南京攻略すべし、との考えを持っていた松井司令官もこれに同調し、軍中央部に南京攻撃を認めるよう具申した。軍中央および政府もこれを追認することになり、12月1日、正式な南京攻略命令が松井司令官のもとに届いた。
松井司令官らは、首都南京を落とせば中国は屈服するという希望的観測を持っていたが、11月20日、蒋介石は首都を重慶に移し、徹底抗戦の決意を示した。

図表1.2 中国全図

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