超高速水上タクシーの検討
1.はじめに
水上を小型高速で移動する乗り物の需要はあるが実例は極めて少ない。
理由は30KT以上で走行する滑走艇は小波でも乗り心地が悪く燃費も悪いので
海上タクシーの商業化は難しい。
そこで水面効果を利用し、乗り心地と低燃費で高速が実現できる可能性がある
超高速海上タクシーの可能性を検討する。2. 水面効果翼船とは
水面効果の原理は地表や水面を近く飛行する際に高揚力及び高揚抗比が得られる。
水面効果翼船は総じてWIG(Wing In Ground-effect)と呼ばれるが、船舶として
大型化を考慮しWISES (Wing-in-Surface-Effect-Ship)と呼称する場合もある。超高速海上タクシーの企画 水面効果翼船は数種類のタイプに分類できる。
●ラムウィングタイプ:翼面下部を流れる動圧を積極的に利用するタイプ。
● トンネルフロータイプ:低高度域(IGE)では積極的に水面効果を利用し、
更に高高度域(OGE)では水面効果を使用しないで自由飛行も可能なタイプ。● 複合タイプの水面効果翼船:離水までの速度域まではPAR効果や
エアクッション装置を採用した水面効果翼船。![]()
3. 水面効果翼海上タクシーの企画 3-1 企画
水面効果翼船の技術的課題を知るには実用化を前提に具体的な企画を設定する。3-2 企画実現までの課題(技術、経済性、安全性):
1.総合的な外観形状の検討:
実用化を目指した研究には実際の乗り物を開発した知見や経験
が役立ち技術上の裏付けがある魅力ある外観が必要。
2.動力性能の検討:
目標の性能を実現させるには経済性と安全性および環境を
重視する。
3.直接運航費、間接運航費、就航率の検討:
採算性を重視し、直接運航費はもちろん保守点検の維持管理
(間接運航費)の把握が重要となる。
(採算性を考慮した就航路線の策定や就航率の推定)
●海上空港-主要都市(中部国際空港-名古屋都心、中部国際空港-三重)
●海上空港-テーマパーク施設(長崎空港とハウステンボス)
●海上空港-主要地域(長崎-熊本、鹿児島、関西空港-神戸空港、
関西空港-徳島、大分-愛媛、羽田空港-ディズニーランド)4.安全基準の検討
現在の海上交通では水上を200KTで航行する乗り物は想定していない。
安全性を確立するには段階的に実証試験を行いながら問題点を把握して
ルール策定や安全装置を開発することが重要。5. 就航航路とモデル開発
5-1就航航路 ●水面効果翼船の実用化は段階的に開発されるのが望ましい。
●無人の実証モデルを制作し可能性を公開する。
●実証試験ができる適当な航路で海上タクシーとして運航しデータを取得。![]()
5-2モデル開発 モデル1:水面効果が期待できる速度領域で既存の技術で可能な60KTモデル。 大馬力ガソリン船外機仕様 モデル2:本格的に水面効果を利用した高速80KTモデル。 本格的に飛行制御と推進装置を開発
モデル3:接岸施設がない地域でも使用可能な高速80KTモデル。 エアクッション装置で砂浜等に上陸
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6. 水面効果翼船の課題 水面効果翼船の原理は単純で優れているが、水上を航行する船舶としての実用化
には解決すべき技術上の課題や航法の課題も多い。6-1 水面からの離水 水面から離水すると水力抵抗がなくなり高速化が容易になるが水面効果
は可能な限り水面近くを航行することが望ましい。6-2 水面からの高度をとる必要性 船舶と同じ海域を航行すると通常の船舶を障害物として避けて航行しなければならず
旋回し方向変更や高度を上げる方法を開発する。
荒天時は船体に与える波の衝撃を避けるために必然的に飛行高度を高くし自由飛行す
ることが必要である。6-3自律航行、制御技術開発: ●航空機、船舶、自動車の自動運転、障害物回避などの制御技術を応用 ●近距離の中小型水面効果翼船はドローンの制御技術を応用(無人化) 6-4軽量構造設計: ●航空機やプレジャーボートのCFRP、FRP、アルミ軽量構造の実績を応用可能。 6-5環境対策と動力設計: ●持続可能なエネルギーを使用する内燃機関やガスタービン機関の採用。 ●ハイブリッド仕様として推進や補機の動力に電気モーターや内燃機関を採用。
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