主要寸法の検討



はじめに

商談中の22m上海観光船の主要寸法を検討する。小型客船のデータが無いので、類似
船としてヨーロッパおよびアメリカの50FT以上のプレジャーボートデータを流用し72FTクラスの観光船の主要寸法を検討する。                 
1. 全長、全幅(L/B)

小型船舶は全長が大きくなると一般的には細長い船型になるがFig1はその全長と全長/全幅の関係を実際に示しており示している。
計画する観光船の全長は22mであるが、グラフから全長/全幅(L/B)は約3.9である読み取ることができる。全幅は22m/3.9=5.64mとなるが企画を優先させるので全幅は5mとする。
   全長L:22.0m の場合
   全幅B:5.0m と仮定する。

2. 全長、全幅 収集したデータの完成重量の詳細は不明であるが水、油を搭載しない状態であると判 断し軽荷重量とは区別する。また速力との関係は無視しているので搭載エンジンによ りグラフから読み取った数値は増減することになる。全長22mの場合はFig2から完成 重量は約38,000kgと推定する。今回の観光船はプレジャーボートより全幅も細身で低 速で内装は簡素なので15%軽くなると推定。詳細検討は開発過程で再確認する。   計画完成重量W: 32,500kg                        
  3. 搭載エンジンの検討 Fig3は速長比と馬力荷重の関係を示している。満載排水量(37.5t)での計画最高速 力を11ktとすると速長比V/√L=11/√22=2.34となる。 このときの馬力荷重 BHP/Ton=10〜15と推定すれば必要なエンジン出力BHPは次のように求められる。 満載排水量(37.5t)でBHP=10x37.5=375(PS)となる。(375〜560PS)  企画はディーゼル電気推進を考慮しているので 推進モーターの出力は275〜412KW となる。発電効率は85%程度なので発電用ディーゼル機関は324〜485KW(440〜 660PS)程度必要である。実際はトリマラン船型を採用するので水槽試験の結果で修正する。                                  
4. 燃料タンク容量の検討 燃料タンク容量は搭載エンジンにより変化するがFig4は全長が22mで4000リッター を示している。企画は低速力なので前項のディーゼル機関の燃料消費量から燃料容量 を検討する。馬力あたりの燃料消費量を0.23L/PS、1日に8時間運行し1日分のタンク 容量とすると0.23x765x8x1=1408(リッター)となる。           燃料タンク容量 1500リッター                          
    5. 清水タンク容量の検討 清水タンク容量は生活用水の使用量となるがあまり容量を増やすと重量が増し速力が 低下することになる。そこで標準装備としてはFig5で示す平均量500リッターとす る。