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著者・編者
Selma Lagerlöf(作)/Irene Lindh(朗読)
タイトル
Jerusalem ljudbok
出版地・出版社・出版年
Stockholm (Bonnier audio) 2007
ISBN
9173481564
紹介
 今回ご紹介するCDは、教材ではなく、ラーゲルレーヴの小説『エルサレム』を有名なスウェーデン人女優イレーネ・リンドが朗読したものです。『エルサレム』は、ラーゲルレーヴのノーベル文学賞受賞作で、日本語訳は500ページ弱の岩波文庫2冊という大著です。その大著を全て朗読した、CD16枚・全18時間の作品です。
 わたしは2007年度の1年間にドイツ、2008年度の半年間にスウェーデンに留学しましたが、その目的の一つは、資料収集でした。本として買えるものはいいのですが、現地の図書館でしか手に入らない資料は、コピーするしかありません。コピーにはかなりまとまった時間が必要なので、その間、ポータブルCDプレイヤーにこのCDを入れて、コピーをする間ひたすら流していました。コピーをする時のほか、資料の整理をする時、掃除や洗濯をする時など、手は使うけれど頭は使わない時に、ずっとこのCDを聞いていました。留学中に3~4周したように記憶しています。
 リスニングにおいて「聞き流す」というのはあまり効果がないと言われますし、わたしは今でもスウェーデン語の聞き取りがとても苦手なので、実際どこまで効果があったかは分かりませんが、スウェーデン語のリズムやアクセントに慣れるという点で、まったく無意味ではなかったと思います。単に「聞き流す」よりも良かった点があるとすれば、博士論文で扱う作品のCDを選んだこと。このレベルのスウェーデン語を聞いても、知らない文章ならばまず理解できませんが、博論のために何度も読んだ文章ならば、さすがにどの部分を読んでいるか、何を言っているか分かります。意味の分からないものを聞くより、効果はあったように思います。
 スウェーデンでは、日本よりも、朗読文化が盛んです。イレーネ・リンドも、『エルサレム』だけでなく、沢山の作品の朗読をしています(詳細は「出版社HP」欄)。ラーゲルレーヴの場合は、時代が古いので、自作朗読の音声はほとんど残っていませんが、リンドグレーンなど現代作家は、自作朗読のCDもたくさん出しています。聞き取りの練習のために、わざわざ時間を作って何か聞くなら、教材として作成された音声の方がいいと思いますが、あいた時間に効果を期待せずに聞くのであれば、好きな作品の朗読CDはお勧めです。スウェーデン語が好きになれます。
出版社HP
http://www.bonnieraudio.se/titlar/sasongens/Bok/?isbn=9789179535582
1分ほど試し聞きができます。
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