『不易流行』の自己流解釈・・・・・・・・・1999・12   む三四

 冒頭に挙げた「不易流行」は俳聖・松尾芭蕉の言葉と伝えられている。
 俳句はご承知のように十七音という世界一短い詩形であるため、絶えず新しい句材を求め、 新しい表現を心がけないと陳腐な類型的な句しか得られない。このように絶えず新しさを追求 して行くことが「流行」といわれる中身だ。
 一方「不易」の方は、俳句として存立する不変の条件、例えば五七五の十七音形であるとか 季語の存在、「切れ」と呼ばれる「詩」発生装置など、いくつかの原則を不変の鉄則として維持 して行こうということだ。
 そしてこの両者は「俳句」という作品のなかで止揚され、「風雅の誠」として根源においては 一に帰すべきものという。
 このように俳句の作法の原則を謳った「不易流行」であるが、実はあらゆる分野にこういう考 え方が重要だと思うのだ。
 在職中からもそうであったが、仕事を離れても老け込まないた めに「不易」と「流行」を意識して新しいことに挑戦して行こうと思っている。