− シュラウドについて −
 帆船とは風を動力源として走る船です。そのため、風を受ける帆と、帆を固定するヤード、そして帆とヤードを固定するマスト、それらを固定したり操作するロープが最低限の構成になります。

 まず船体にマストを建てますが、ただ建てただけでは風圧に耐えられないので、マストをロープで固定補強します。この固定補強のロープの事を静索(Standing Rigging)と呼びます。

 一般的に帆船のマストは船首方向(右図(1))と両舷側方向(2)に静索を張って固定します。この両舷側の静索にラットラインと呼ばれるロープ(3)を張り、乗組員がマストに登れるようにした部分を総称して「シュラウド」と呼びます。
 プラ製の組立模型の場合、シュラウドは(4)のようなプラ部品か、(5)のような合成樹脂の糸を接着したもの(説明書の指示に従って切り取る)が入っています。(6)はエレールの帆船キットに入っているシュラウド作成用の治具で、フレームの左右両端と下端に一定の間隔で切り込みが入っていて、糸を切り込みに沿って縦と横に回すことによって(5)と同じようなものを自作します。

 最初に説明したようにシュラウドは縄はしごではなく、マストを固定している静索に便宜的に登る足場が付けられているものです。そのため、(4)や(5)は実感を損ねるだけで、使わない方が良いと思います。エレールの方式は他に比べればまだましですが、組んで後から付ける方法では縦方向のロープが緩んでバランスが崩れてしまう可能性があります。

 もしキットの構造的に可能であるならば、実際の帆船と同じようにマストからロープを船首と両舷側方向に張ってバランスを取ったあとで足場のラットラインを張ってゆく方が、手間は相当かかりますが、すっきりした仕上がりになります。またロープで固定することによってマスト自体の強度が非常に高くなるメリットもあります。なお、ラットラインは縦の静索よりも細いので、模型でもそのようにするとより実感が出てきます。