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青島1/700新版 航空母艦飛龍について(暫定版)
2003/05/19 本文記述

 5月の初頭に発売された青島の航空母艦飛龍ですが、キットの内容は良いのですが、説明書には説明不足や誤植が目立ちます。そこで、気が付いた部分を下に記しておきます(雑感そのものはかなり後になる予定です)。 

組立説明書の注意点
・組み立て図
  1. 過程1の「天蓋の組み立て」は「マストの組み立ての誤りです。
  2. 過程2の高角砲は5組製作します。
  3. 過程3の「高角砲の組み立て」は「シールド付機銃の組み立て」の誤りです。なお、この機銃は3組製作します。
  4. 過程4の艦橋には60cm信号灯(部品No.W2)が2基付きます。場所は防空指揮所(56)のブルワークが欠けている部分の角の端と、艦橋左舷側(47)の張り出しの膨らんでいる部分になります。探照灯は足を切って接着しますが、小さい部品なのでピンパイスで足の大きさに穴を開けて付けた方が良いと思います。
  5. 艦橋の1.5m測距儀(19)のすぐ左側にはループアンテナ(W42)が付きますが、これもキットでは考慮されていないので、ピンパイスで穴を開けて接着すると良いと思います。
  6. 過程5の船体右舷側の組み立てに於いて、艦首側の煙突(52/53)の先端に付ける整流板(39)の取り付け指示がありません。これは後方の煙突と同じ要領で組む必要があります。
  7. また、煙突の接着位置の指定も非常に曖昧で、キットには位置を固定させるガイドがないため、接着には充分な注意が必要です。艦首側の煙突は部品7の機銃台の端に合わせ、また艦尾側は部品7の後半部の下側に位置する船体の小さい膨らみのモールドに合わせて接着します。それと、煙突が浮いて固定されると飛行甲板がつかえて船体に接着できなくなるため、煙突の接着の際には飛行甲板がはまるかどうかの確認も必要です。
  8. 同じく過程5に於いて、部品7の下に付ける張り出し(6)には9mカッター(W29)が付きます。これは箱絵が参考になります。
  9. 無線用アンテナ(61)は立てて接着するように指示されていますが、甲板に航空機を並べて戦闘状態を設定する場合には、水平に接着する必要があります。またクレーンも戦闘状態では倒されている(カバー)ので、注意が必要です。
  10. 過程6と7の中間に描かれている(1)に意味はありません。
  11. 過程8の船体左舷の組み立てに於いて、錨(W27)の取り付け指示が抜けています。これは艦首先端の楕円状のモールドの位置に接着します。なお、飛龍にはアンカーレセスが無いため、巡洋艦のように錨の形に艦首を彫り込む必要はありません。
  12. 同じく過程8に於いて、中部機銃甲板(9)に9mカッターとボートダビッド(W38/W23)を組んで接着するよう指示されていますが、非常に小さい部品で、かつ甲板にボートダビッドを接着する考慮がないため、もし組み立てに自信が無ければW29のカッターを甲板上に直接接着するだけでも良いと思います。
  13. 艦橋前の飛行甲板上にもループアンテナ(W42)が装備されていましたが、キットには考慮がありません。位置は部品9に付ける射撃指揮装置(W43)の背後、飛行甲板の端になります。厳密にはアンテナ用に小さい張り出しがあったのですが、端に付けても良いと思います。
  14. 艦首先端の菊花紋章に関しては取り付けそのものが考慮されていません。艦首のフェアリーダーを大型に作り替えてW16を接着するか、多少はみ出すのを承知でW15を付けると良いと思います。
・全体図
  1. 飛行甲板上の110cm探照灯が、平面図では引き出された状態に描かれています(艦首側のエレベーターの前方両端と、艦尾側のエレベーターの両脇)。キットは収納状態しか設定できないので、これは無視して良いと思います。
・塗装説明
  1. <日本海軍の塗装指示につきまして>で始まる文章は巡洋艦の一般的な説明で、航空母艦のそれとは大きく異なるものです。
  2. 飛行甲板の中央部は「ウッドブラウンかレッドブラウン」と書かれていますが、ここは木張りだったのでタン系統の色で塗る必要があります。
  3. 喫水線下の艦底色の指示がありません。キットの船体に水線位置のモールドがあるので、それに合わせてマスキングして塗る必要があります。
  4. 無線用アンテナとクレーンは「つや消し暗い灰色」と書かれていますが、これは他の部分と同様に軍艦色で良いと思います。
  5. 「シール」とあるのは「スライドマーク(デカール)」の誤りです。
  6. 飛行甲板用のスライドマークに着艦停止線がありません。これは2本の煙突の間付近で、甲板を横切る形で白線が描かれていたので、マスキングして塗る必要があります。
  7. 対空識別記号(マーク13)の「ヒ」の文字は、ミッドウエー海戦の航空写真を見る限り少し大きめで、描かれていた位置ももっとエレベーター寄りのように見えます。これも気になる人はマスキングして塗り直すと良いと思います。
  8. ミッドウエー海戦当時、飛行甲板の前方に白フチ付の日の丸が描かれていた事は多くの証言があります。しかし、それ以前に同じ位置に白円が描かれていたという確証はありません。飛行甲板上の白円は航空機の着艦接地位置を示すもので、本来は艦尾側に描かれるものであり、艦首側に描く意味はないと思います。そのためミッドウエーの状態であればマーク15を貼りますが、それ以前の状態ではマーク16の白円は無かったのではないかと考えます。なお、ミッドウエー海戦当時に飛龍の艦尾側に白円が無かった事は航空写真から明白ですが、それに代わる標識があったのか否かは、当時の乗員の証言も割れていて明確なことはわかっていないようです。
  9. 艦載機の塗装説明がありません。ミッドウェー海戦当時、零戦は全面明灰緑色、97式艦上攻撃機と99式艦上爆撃機は上面が濃緑色、下面が明灰緑色で、茶色の斑点迷彩は施されていなかったようです。カウリングは共に黒で塗ると共に、飛龍は第2航空戦隊の旗艦だったため、艦載機の胴体には青色の帯が1本描かれていました。

2003年05月19日 記