青島1/700新版 戦艦扶桑/山城について(暫定版) |
2007/03/12 本文記述
2007/11/03 一部訂正 |
2月の中旬に発売された青島の新版の戦艦扶桑/山城ですが、キットの内容は良いと思うのですが、説明書には若干説明不足な点があり、またいつものように塗装説明は非常に曖昧で、指示通りの塗装では精密なモールドの価値も半減です。そこで、気が付いた部分やもう少し詳しい塗装説明を下に記しておきます(雑感そのものは少し後になる予定です)。 |
組立説明書の注意点 |
・両艦共通
- このキットの組立に当たっては1.0及び1.5ミリの穴を開ける道具が必要です。100円ショップで売られているハンドドリルで良いのですが、キリなどで開ける場合は穴が大きくなり過ぎないよう注意して下さい。
- 25mm連装機銃は全てW41を使うよう指示されていますが、キットのW41は12個しかなく扶桑は4個、山城は5個足りません。そのために部品番号J1として10個追加されているほか、山城には更に117番として2個が加えられているのですが、表現がどれもわずかに異なる上に、説明書にはこの点に関する記述がありません。混ぜて使う事になりますが、もし気になる方は他のキットの余りか別売のウォーターライン装備セット(大型艦用)からW41を調達して揃えると良いと思います。
- また13mm単装機銃は全て省略されていて、キットに部品はありません。ただし、他のウォーターラインの大半のキットでも省略されている兵装であるため、これに関しては間違いとは言えません。よって説明も省略します。
- 過程2・3・4の主砲の組立で、砲身(68)のフラットホワイトを塗る範囲の指定が誤っています。正しい指定はこのページ下の塗装図その2を参照して下さい。
- 過程11で、穴開けの指示に使われている図は左が艦首側です。
- 同じく、過程11で接着する67番の副砲は鋭く出っ張っている側が上になります
(塗装説明がある右下隅の分図は上下が逆です-※現在出荷分の説明書では訂正されています)また、フラットホワイトを塗る範囲はキットの説明よりも若干短くなります(このページ下の塗装図その2を参照して下さい)。
- 過程12で、主砲塔に付ける機銃座の番号(扶桑:分図(D)(E)/山城:分図(C)(D))が良く判りません。説明書に書かれている右2とはJとして割り振られている部分の、部品番号が見えている側の向かって左側に配置されたNo.2の部品4個、左2とは右側の部品No.2という意味になります(下図参照)。異なる部品に同じ番号を振り分けている上にパーツ配置も左右逆、加えて説明書にあるようにこの部品には根元に角度が付けられている以外に違いがないため、ランナーから切り離したあとは混ぜたり見分けがつかなくならないように何か印を付けた上で砲塔に接着するまで区別して置いておく必要があります。
- 艦載機の説明が全くありません。最終時は両艦共に零式水上観測機(W4,5,7,10)を2機搭載していたと考えられているため、組立塗装の上で艦尾のカタパルト(W44)や運搬軌条の上に付けると良いと思います。
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扶桑/山城の主砲塔機銃座のパーツ配置
(説明書の過程12で使用)
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・扶桑分
- 全体図の機銃配置が一部間違っています。2番主砲塔上には3連装ではなく連装機銃が、その直後の艦橋機銃台には連装ではなく3連装機銃が付きます。
- 過程5で、煙突両側の13号電探の右舷側の取り付け指示が抜けています。左舷側と同様に接着します
部品49、50を接着する穴のそれぞれ艦尾側の脇にある縦のハシゴのモールドの、中段付近で切れている部分にW17の部品を接着します(箱絵も参考になります)。
- 過程6のK2に付ける部品が一部抜けています。船首側に突き出した2つの丸い突起の上に7番の部品(副砲方位盤)を付けます。
- 過程10で、前下の艦橋機銃台にはW41ではなくW40の3連装機銃を付けます。
同じく過程10で、艦橋の22号電探の取り付け指示が抜けています。防空指揮所(部品No.21)の艦尾側にある張り出しにW1の部品を、ラッパのように広がった部分を艦首側に向けて、左右それぞれ1個ずつ付けます。
- 同じく過程10で、艦橋の方位探知アンテナの部品が省略されています。もし可能ならW42の部品を上から2mmの位置で切り、防空指揮所(21)の前方に突き出した台の上にある突起のようなモールドを削って平らにした上で付けます。無理なら省略してもかまいません。
- 過程12の分図(D)と(E)で
機銃の指示に一部誤りがあります。機銃座に付ける機銃は右2・左2共に連装機銃(W41または1)を3個と、残りの1個には3連装機銃(W40)を付け、3連装機銃を付けたものは前から5番目の砲塔の上に付けます。
- 同じく過程12で、部品55の接着位置が曖昧です。これは過程11で開けた最も艦首側の穴2つに、部品番号の側(へこんでいる部分)を艦首側に向けて差込みます。
※打ち消し線は初回出荷分の誤記で、現在出荷分の説明書では訂正されています。また、機銃配置に関しては諸説ありという注釈が付けられています。
・山城分
- 過程5で、煙突台座(101)の裏側から3連装機銃の取り付け穴を開ける指示が抜けています。場所は船体甲板への取り付け棒がある脇の、円形にくぼんだ部分(2ヶ所)になります。ここに1.0mmドリルで穴を開けた上で、W40を付けます。
- 過程9で、反対側に付ける艦橋支柱は部品83を使います。
過程10で、艦橋の22号電探の取り付けの指示がなく、考慮もされていません。戦闘艦橋(95)の両脇にあったと考えられるため、95番の番号がある側の部品の切り離しを、部品側一杯ではなく1.5ミリ程度離して切り、小さな張り出しとした上で、ここに部品W1を付けます。向きはラッパ状に広がった部分が艦首側になります。
- 同じく過程10で、艦橋の方位探知アンテナの部品が省略されています。もし可能ならW42の部品を上から2.5mmの位置で切り、それを防空指揮所(89)の前方に突き出した台の先端に付けます。無理なら省略してもかまいません。
- 過程12の分図(A)(C)(D)の機銃の指示が誤っています。分図(A)で78番に付ける部品はW40、(C)(D)で右2と左2に付ける部品はW41または1になります。
- 同じく過程12で、部品109の接着位置が曖昧です。これは過程11で開けた3番砲塔の艦尾側の穴2つに、隅に切り欠きがない部分を艦首側に向けて差込みます。
- 過程13で、艦橋脇の甲板上に設置されていたとされる13mm連装機銃3基が省略されています。これはキットに部品がないので、1番の部品の銃身からはみ出る部分の台座を削り、銃尾も少し切り詰めた上で銃身を細く削るとそれらしくなります。塗装は他の機銃と同じで、設置位置は3番砲塔両脇の土のう付き3連装機銃と同じ列で艦首側の3連装機銃と艦橋との間に、右舷側は1基、左舷側は2基付けます。
- 艦載艇の指定は扶桑のものです。山城の場合は比島沖海戦の直前まで陸軍の強襲上陸艦として準備され上陸用舟艇を搭載していたため、最終時の艦載艇のはっきりした構成はわかりません。推測はいろいろできますし、判断がつかなければキットに従って作るしかありません。ただ、少なくとも上陸用舟艇は艦から下ろされ、また西村祥治第二戦隊司令長官が座乗していたため、長官艇もそれに伴って装備されたものと考えられます。そのためどのような構成であっても15メートル内火艇を1隻加えると良いと思います。これはキットには部品がありませんが、ピットロードの日本海軍艦艇装備セットIIから調達できます。
※打ち消し線は初回出荷分の誤記で、現在出荷分の説明書では訂正されています。また、機銃配置に関しては諸説ありという注釈が付けられています。
・塗装補足説明(扶桑/山城併記)
キットの説明書に書かれていない事や誤っている部分などの説明です。
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