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付録:ドイツ軍用オートバイ
ZUNDAPP KS750 WITH SIDECAR
(ESCI 1/9)

 ウェブページを作った時には10,000アクセスなど夢のまた夢だと思っていたのですが、おかげさまで1998/10/29に到達するに至りました。感謝に堪えません。大台突破の際に御礼記念CGでも描ければ良かったのですが絵の才能はまるで駄目、フッドの完成もはるか先、さりとて未公開の艦船の完成品はそれこそ誰も知らないかあまりにも古くて人様に出せないものばかり。そこで、艦船限定という事で公開を見送ったAFVを一つ引っぱり出してみました。

 これはホワイトエンサインのフッドに取り掛かる直前に作ったものです。この頃は船のキットを購入しても箱を開いただけで作欲が無くなって投げ出してしまう事が3,4隻たて続きに起こり、気分転換も兼ねて船以外のものを何か作ろうと模型屋の片隅でホコリをかぶっていたものを引き取ってきたものです。バイクのキットは子供の頃を除いて全く経験がなく、それほど力を入れて作るつもりもなかったのですが、実際に製作に入るとここもそこも手を入れようとなってしまい、手の遅さも加わって結局完成まで1年以上かかってしまいました。ただ、これができたことでフッドの製作が大分スムーズ(あれでも、です ^^;)に入る事ができるようになったのは確かです。


 キットは少なくとも20年以上前に出たものですが、大規模に補強を必要とした事と付属の細いコードが経年変化で使い物にならなかったこと、説明書の接着指示や細部の塗装説明が全体的にあいまいだった事以外に、組立でそれほど手こずった部分はありませんでした。
 キットのホイールのモールドは今一つで、バリやパーティングラインを消すのも面倒だったのでスポークを全て真鍮線で張り替えたらかなり印象が良くなりました。また、MG34機関銃の放熱部もこれだけ大きいスケールだとキットのモールドのままでは見栄えがしないので、真鍮パイプに穴を開けて仕上げています。他にも強度や事後変形の対策で真鍮線やパイプで作り替えた部品もありましたが、基本的にはストレート組みに近いものです。

 資料は博物館の実車写真が1枚きりで、特に作る為に資料を探したりはしませんでしたが、もう少し実車やバイクの知識が有れば手の込んだ模型になったかもしれません。キットでは写真の他に20Lのジェリカンと工具箱にMG34の弾倉が付属しています。また通常仕様と冬季仕様の2種類が選べるようになっており、後者の場合はヒーターとハンドルカバーが追加されます。フロントフォークの形や右側面の2段副変速機などは今のバイクには見られないもので、1/35では小さすぎてよくわからなかったから、その意味でも興味深い模型でした。


 塗装はキットの指定通りです。フィールドグレーの部分はMr.カラー、エンジン回りはタミヤカラーを主に使い、エンジン回りとフロントホイールの白を除いていずれも筆塗りで仕上げています。特に汚しやスミ入れは行っていませんが、若干暗めのジャーマングレーで影を付けています。半ツヤ仕上げですが汚しを行っていないので、他のバイク同様ツヤ有り磨き上げの方が見栄えが良くなったかもしれません。エンジン本体の塗装は鋳物の感じを出そうとして、エナメルのタミヤカラーを筆塗りした上から水性のフラットアルミを「粒子が荒れる感じで」吹いています。シリンダーが燃焼室の途中からアルミになっているのは説明書の塗装指示の通りですが、これはちと疑わしい所です。

 マーキングは説明書では車両番号と師団旅団マークの説明しかなく、車体のものはタコメーター以外は全くわかりません。フェンダーの1.75/2.75atuは空気圧?、サイドカーのスペアタイヤの下側に有るのは車両登録プレート?、サイドカーのフェンダーの後部に有るのはメンテナンスの注意書きと思うのですが、キットの指示通りに貼っています。車両番号や師団マーク等は特に付けていません。

 思うように仕上がらなかった部分もかなりありましたが、特にバイクの車体左側後部に付くマフラーはその前のパイプの角度に合わせたら後側がはねあがった形で付いてしまいました(トランクに隠れて見えませんが)。また塗装も説明書が曖昧だったこともあってカンで塗った部品もあります。加えて最も痛かったのはMr.カラー40番のフィールドグレーがいつの間にかジャーマングレーに名前が変わって色調も変わってしまい、買い置きの塗料が無くなった後は塗料を調合する羽目になった事で、写真では判りませんが実は一部の部品は若干色調が違っています。


 まあ専門の方々には色々あらが見えると思いますが、そこは艦船屋の工作ということで(^_^;)。エッシーの1/9は他にもハーレーやトライアンフの軍用タイプにケッテンクラートなどなかなか渋知なシリーズだったそうですが、現在模型店で入手できる可能性はほとんど無いと聞きます。このスケールのケッテンクラートは一度作ってみたいものですが…