前後の艦橋は透明パーツで窓の部分を除いて塗装するよう指示されていましたが、後部艦橋は1964年の改装前の状態で、前面が張り出した形になっていません。また前部艦橋もモールドが今三つだったので、いずれも木製帆船用の図面と写真を元に図面を書き、プラ板を切り貼りして作っています。前部艦橋の前の部分は天井がガラスになっていて、落下物を防止するために上にネットが張られています。
煙突の両側にある内火艇とランチは、キットでは奥側に見えている内火艇に「似たような」形のものが2隻分入っています。1964年の改装前に撮影された航空写真ではその通り2隻搭載されているのでこれは誤りではないのですが、一応模型の状態とした1976年7月には手前に内火ランチが搭載されていたので、部品の底の部分だけを使い白く見えている部分は型を作ってエンビ板のヒートプレスで仕上げています。また内火艇もあまりモールドが良くなかったのでこれも部品は底の部分だけを使い、上部は全て作り直しています。
後部艦橋で、模型はシャッターを下ろした状態にしてごまかした(^_^;)のです
が、実艦ではこの中に手動の舵輪があります。帆走(風の力だけで航海すること)する時に帆の状態を見ながら舵を取る必要があるため、手動の舵輪は全ての帆を見渡せる場所に付いているのが普通ですが、この艦の場合は帆の状態を上まで見通すことが難しい後部艦橋の中にあります。実際この艦がどのようにして帆走するのかはわかりませんが、普通舵輪の前に有るコンパスが後部艦橋の上にあることや、その周囲にスピーカーや投光器らしきものが装備されていることから見ても、実際の操艦指揮は後部艦橋の上で行い、伝声管やスピーカーなどで艦橋の中の舵輪に指示を与えているのではないかと思いますが、その場合でもミズンマスト(いちばん艦尾寄りのマスト)の帆の状態をどうやって把握しているのか疑問が残ります。
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