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昭和の選択 『敗戦国日本の決断 マッカーサー「直接軍政」の危機』を観て https://www.nhk.jp/p/heroes/ts/2QVXZQV7NM/episode/te/4MJW61938G/ | |||||
英雄たちの選択 - NHK
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とても面白かった。大事なことを語っていたように思う。最後の最後に、更生戦車を引いて武装を解くことの実利と価値を静かに力強く語っていた。 中心になっていたのは、八年前に読んだ『戦後史の正体 1945-2012』(孫崎 亨 著<創元社 「戦後再発見」双書①>)の感想に記してあった「日本の占領政策は、①日本政府による間接管理ではなく、米軍による直接管理のもと、公用語は英語とする、②米軍に対する違反は軍事裁判で処分、③通貨は米軍の軍票という内容の三布告から始められようとしていたのを、降伏文書調印の日の午後四時の通告を鈴木九萬公使が受けてから、翌朝一〇時の布告予定までの十八時間の間に、重光葵外相がマッカーサーとの直接交渉により取りやめさせる運びに漕ぎ付けていたことを『劇的外交』(岡崎勝男終戦連絡事務局長官)や『日本外交史26 終戦から講和まで』(鈴木九萬公使)、『続 重光葵日記』『昭和の動乱』(重光葵外相)といった当時の直接関係者の残した記録や『トルーマン回顧録』からの引用による状況説明に基づき記してあった(P30~P35)。」の部分だった。 作家の真山仁が知られざることのように語っていたが、こうして書籍にはなっていることだ。だが、指摘どおり「一般的には」知られていないことなのだろう。こういうことはきちんと教科書に掲載して教えるべきだとも言っていたが、その通りだと思う。 番組で岡崎勝男が後に語った言葉として「この軍政布告に等しいようなポスターはすでに時代おくれ。前からこの政策は変えるべきであるという意見もあったところへたまたま日本側の強い要望があり政策の変更を行ったものとしか考えられない。しかし結果においてはもしあのときわれわれが躊躇して泣き寝入りでもしたならば先方としてはすでに決定した政策でもあり今にして偶然とはいえ結果は非常によかった」というものを紹介していたが、なんという謙虚で冷静な言葉だろう。感慨深く思うとともに、米国から要求されるままに巨額の武器購入を首相が約束し、そのための増税まで企てていることの窺える現政府の「国賊」ぶりが何とも情けない。 無条件降伏下でも武力を用いずに外交によってこれだけのことが果たせるわけだ。岡崎が「たまたま」だと謙虚に述べたなかでも、午後四時から翌朝十時までの必死の折衝がなければ決して叶わなかったことだ。そしてそれは、どうにかこうにか武装解除を間に合わせられたことによって果たせたことだった点が、とても重要だという気がする。 | |||||
by ヤマ '24.10.23. NHKBS録画 | |||||
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