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昭和の選択『果たすべきは「国民との約束」〜首相・濱口雄幸 政治家の本懐〜』 https://www.nhk.jp/p/heroes/ts/2QVXZQV7NM/episode/te/W4XJ7R64G5/ | |||||
NHK BS「英雄たちの選択」
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奇しくも「選挙」なるものについて考えさせられる映画『お坊さまと鉄砲』を観たばかりだっただけに、殊更に響いてくるものがあった。 今の政党政治の言葉の空疎な堕落ぶりを観るにつけ、「言葉=演説」による選挙が有効に働くための条件として磯田氏が挙げていた【政府】正確な情報開示、【マスコミ】権力におもねらない客観的報道、【有権者】情報を正確に受け止める知性と欲得ずくではない投票、を目指した政治家としての生真面目さが支持されつつも、暗殺に倒れた濱口が眩しい。 利権に背を向け、理念に殉じた人物で、郷土の誇りでもある濱口をいま採り上げたのは、彼が軍拡を否とし、軍縮を国民との約束として推し進めた政治家だったからなのだろう。緊縮財政と軍縮を真正面から掲げて倒れた彼の目指していたものをいま問い直すことの意義を強く感じた。武器輸出解禁を産業政策のてこにすべく利権を漁る政治勢力の画策が着々と進んでいることへの木鐸というのが制作サイドの想いでもあるのだろう。 早々に自由民権記念館の筒井館長が登場して驚いた。まだ館長を続けていることに感心した。中盤で再登場し、民権記念館に保管されている、濱口雄幸が東京駅で銃弾に倒れた際に着ていた服を広げて説明していた。 濱口の残した言葉として「政党政治が衆愚政治になるか、それとも衆賢政治になるかは、政治家と国民の進歩を待たなければならない。」が紹介されていたが、百年のときを進んだ歩みが証しているのは、衆愚のほうだという気がしてならない。けれども、最後に磯田キャスターが語っていたように、たくさんの欠陥を抱えている民主主義ではあるけれど、これ以上にいいものを見せてみろと言われたら、まだ到達できていない。だからこの弱弱しくて時間のかかる効率の悪い民主主義を育てていかなきゃいけないと、僕も思っている。 | |||||
by ヤマ '25. 2.13. NHK BS録画 | |||||
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