『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊
監督 柴崎貴行


 初孫4歳男児の求めにより山口にまで赴き、その映画館デビューを長男とともに楽しんだ。仮面ライダーシリーズも現在の鎧武で15キャラになるらしい。仮面ライダー鎧武の脚本は、瞠目させられた劇場版 魔法少女まどか☆マギカのシリーズ構成・脚本を担っていた虚淵玄がその中心を担っている。長男の話では、回を追って面白くなり、戦国時代のキャラクターを取り入れていることへの必然性も窺え、出色の出来栄えのようなのだが、本作自体の脚本は米村正二であって、虚淵玄の参加はないようだ。

 僕が中学生の時に始まったシリーズ第1作の仮面ライダー、本郷猛を演じる藤岡弘の変身ポーズが何度か丁寧に繰り返されたせいか、仮面ライダーディケイドのファンである孫が初代のポーズを真似ているのを観て、仮面ライダー1号が同時代の世代となる僕としては、何だか感慨深いものがあった。

 数十年に渡る15人のライダーのすべてになれるという仮面ライダーフィフティーンを板尾創路が悪役として演じていたが、このキャラクターは映画オリジナルのようだ。また、キョウリュウジャーからトッキュウジャーといった現在のスーパー戦隊ものも総出で、まさにキャラクターの大バーゲンセールのような作品だったのだが、迂闊にも僕は菅田俊がライダー出身の役者とは知らなかった。そして、本来チームものではなかったはずの仮面ライダーが、すっかりスーパー戦隊ものに近くなっていることにも驚いた。

 長男宅に帰ってきてから、観てきたばかりの映画の反芻タイムが孫の求めによって設けられたのだが、僕の役どころは思い掛けなくも客席観賞者だった。これには大いに意表を突かれたのだが、初めて映画を観に行った孫としては、自分も含めた“観客”の存在があってこその映画ということなのだろう。我が孫ながら、なかなか天晴れな着眼点だ。部屋の入口に運んだ椅子に掛けさせられ、長男と孫が再現する対決シーンを観る役回りは楽と言えば、楽だった。

 ふと「それはそうとポップコーンがないんだけど…」と突っ込むと、「ちょっと待ってて」と言って、丸いケースにブロックを詰め合わせ、ブロックでこしらえたドリンク様のものも提げてきたのが可笑しかった。さっそく「次は何を観に行こうかなぁ」などと言っていたから、もしかすると僕の後を継いでくれるようになるのかもしれない。
by ヤマ

'14. 3.29. シネマ・スクエア7(宇部市)



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