『東京タワー』をめぐる未鑑賞の女性三人との対話
映画通信」:ケイケイさん
飽きっぽい女のブログトライアスロン実験」:タンミノワさん
TAOさん
ヤマ(管理人)


  No.5296から(2005/01/29 23:29):ケイケイさん

(ケイケイさん)
 ヤマさん、こんばんわ。

ヤマ(管理人)
 ようこそ、ケイケイさん。

(ケイケイさん)
 『東京タワー』、ヤマさんは好感触なんですね。ほぉ〜。

ヤマ(管理人)
 ほぉ〜、ですか(苦笑)。でも、そうかもしれませんね(笑)。いろいろやっかみ招きそうな話ではあります(笑)。

(ケイケイさん)
 この作品は、友人が試写会で観てきてご立腹だったんです。友曰く、「結局中年女が若い子を弄んでるねんよ。」との事。

ヤマ(管理人)
 まぁ、そう言っちゃ身も蓋もないですが、…そうですよね(笑)。でも、それなりのものは負ってたようには思うんですよ。

(ケイケイさん)
 岡田クン21歳の役ですよね? 友人と私の長男は、4月で21歳なんです。いくら相手が天下の黒木瞳でも、そりゃあきません。

ヤマ(管理人)
 お母さん、などと呼ばれたらかなわんでしょうな(笑)。僕の息子も22歳と20歳やから、それ、わかりますよ。

(ケイケイさん)
 「孫の顔見られへんやんかなぁー。」と、二人で『約三十の嘘』を観たあと、ご飯を食べながら、観てもないのに盛り上がっていました(笑)。

ヤマ(管理人)
 そう言えば、詩史さんも喜美子さんも子持ちじゃない設定でしたよ。

(ケイケイさん)
 でもヤマさんの感想を読んだら、ちょっと気になってきました。

ヤマ(管理人)
 これはこれは、恐れ入ります。
 でも、御覧になると楽しめないかもしれませんよ(笑)。


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No.5299から(2005/01/31 16:09):タンミノワさん

(タンミノワさん)
 ヤマさん 更新拝読しました。

ヤマ(管理人)
 ようこそ、タンミノワさん。ありがとうございます。

(タンミノワさん)
 離婚2連発ですね〜。

ヤマ(管理人)
 そう言えば、トスカーナの休日』『ル・ディヴォース パリに恋して併せ、3作品ともそうだ(苦笑)。

(タンミノワさん)
 『東京タワー』褒めてらして、いつもながらちょっと新鮮でした。

ヤマ(管理人)
 ってことは、ケイケイさんの話からしても、僕は異端っぽいな(おろ)。

(タンミノワさん)
 黒木瞳だから成立するストーリーだよなああああ・・・と身もフタもない感想を持ったりして(笑)。

ヤマ(管理人)
 おや? 御覧になってるんですか? まさか、ですよね(笑)。
 でも、思えば僕が劇場で観たときは、そこそこの年齢の女性連れか若いカップルか で、中年男単独ってのは僕だけ。かな〜り肩身の狭い思いをしたのものでした(苦笑)。
 岡田くん目当てと思われるのも、瞳さん目当てと思われるのも、ちょっと恥ずかしいかなって(笑)。でも、こういうことってしょっちゅうなんで、実は大して気にもしてないんですけどね。

(タンミノワさん)
 まさか見てませんよ〜>『東京タワー』(笑)。

ヤマ(管理人)
 そうでしたか(やはり)。

(タンミノワさん)
 ヤマさんのレビュウで満足しましたし。

ヤマ(管理人)
 恐れ入ります(笑)。

(タンミノワさん)
 中年女と若い男、という組み合わせをウブな若い女と中年男に見立てて、という構図。なるほどなあって思いました。

ヤマ(管理人)
 僕も思ったんですよ、映画観て。だから、感心もして、ひょっとしたら皮肉? とか(笑)。

(タンミノワさん)
 あ、世の中年男性へのですか? そんな映画なんでしょうかね。

ヤマ(管理人)
 そういう映画というわけではないと思います(笑)。でも、そういう部分を触発するところがなくはない映画でもあったようには思いますが、ま、中年男の被害妄想みたいなモンじゃないでしょうか(たは)。

(タンミノワさん)
 それはともかく、恋愛には、きっかけとなる最初の情熱ってのが火種として必要ですが、それには若いモンがいりますが、別に男女どちらだっていいわけですよね。

ヤマ(管理人)
 別にどっちかが若くなければ、恋愛が始まらないというものでもないんでは?(笑)

(タンミノワさん)
 まあそうではありますが、年齢いった人の恋愛って、まずは恋愛してること、している自分を否定しながら進行していきますから、どっちも年齢いってると、ブレイクしにくいですよね(笑)。否定しあってるわけですから。

ヤマ(管理人)
 へぇ〜、そうなんですかねぇ?(笑) 躊躇は若いときよりも強くなるかもしれませんが、「している自分」といった段階に至れば、何か別の禁止令が働く要素もないまま、恋愛であること自体で否定したくなるとも思えないんだけどな〜。

(タンミノワさん)
 禁止令がなければね。でも、中年男女の場合は既婚者であるケースが自然に多いので、やっぱ禁止令が働きますよね(笑)。

ヤマ(管理人)
 近頃は中高年でもシングル多いし、他方、ヤンママもたくさんいるし、既婚っていうことでの禁止令に年齢差はあまりないんじゃないですか? それに既婚が禁止令として掛からない人もかなりいるでしょうし(笑)。まぁ、相対的にはおっしゃるような傾向にはあるでしょうけどね。
 でも、若ければ若いで、まだそんな歳じゃないとか、そんなことに現を抜かしている状況じゃないみたいな禁止令が出ることもままありますし、

(タンミノワさん)
 あはは、その通りですよね。どんな時だって口実を作って飛び込まないようにしたりするものですよね。

ヤマ(管理人)
 何にしたって、原因があって結果があるとは限らず、結果からの求めに応じて、原因が指定されたりするもんですよね(笑)。結論と理由の関係なんて、大半はそういうものだと僕は思ってますよ(笑)。ま、説明責任への備えみたいなもんですわな。

(タンミノワさん)
 恋愛なんて別に説明責任もないことですしね。自分の中で腑に落ちればいいんだから。

ヤマ(管理人)
 そりゃそうです。ただ、自分の中で腑に落とすために自分自身への説明責任として、口実であっても課するのが人間のサガってことですよ(笑)。
 禁止令ってことでは、それどころか、歳にかかわらず禁止令が掛かっているほうが却って燃えさかるっていう面もありますし(笑)、まぁ、一筋縄ではいきませんわね、この道ばかりは…。

(タンミノワさん)
 それもアリですね。若い頃には、目の前に茫洋たる未来が広がっていて、とらえどころもあてどもなく歩いている感じで、何がかけがえがないのかちっともわかりませんが、年とってくると、自分の限界とかもええかげん見えてきますし、未来も大海の如く横たわっている・・というのとちょっと違ってきますしね。向こう岸も霞んではいるけれど、少し見えてくるというか。

ヤマ(管理人)
 僕は若い頃にこういう感じを実感として持ったことが一度もありませんでしたね(苦笑)。拗ね者なんでしょうね(笑)。広がっている未来なんてのを感じることもなかったし、とらえどころのないとこを歩く度胸もなく、自分なりに捉えながらしか歩くことが出来なかったし、あてどもなく歩く律儀さや素直さを欠いていて自分なりの有形無形の目印をおかずには歩くことが出来ませんでしたよ(苦笑)。だから、しょっちゅう若者らしくないって言われてたんだな〜(笑)。

(タンミノワさん)
 そういや、オフでも年寄り呼ばわりしてイジメてましたね、私(笑)。

ヤマ(管理人)
 即身成仏を勧められたり?(笑)
 そういう意味では、僕は、自分に対しても外界[海]に対しても、あまり眺望が昔と今とで大きな違いがないんですよね。
 ただ歳くってくると役回りだけは確実に増すんで(とほ)、そいつを回避する幸運に何とか恵まれないかと思案するんですが、ま、個人的には子供三人も作っといて、職業的には組織に属しておいて、そんな虫のイイこと考えても、なかなかそうはいかないのが道理なんですがね(たは)。
 それはともかく、タンミノワさんがおっしゃるように、どっちも年齢いってると、ブレイクしにくいって面はありそうにも思いますね。気恥ずかしいってとこや臆病さは、むしろ若いときより増している気もしますし、ね(笑)。

(タンミノワさん)
 私は余り、年下の男性に夢中になる中年女の図というのが、元々好きでないというか、自分に置き換えるとかなり気恥ずかしいのですが、逆にこういう映画を若い男性が観るとどう思うのかな〜と思ったりしますね。

ヤマ(管理人)
 気恥ずかしさを感じちゃあ、とてもファンタジー効果なんか得られないですよね〜(笑)。でも、若い男が観るとどう思うのかってのは僕も興味あるところですね、僕はもう資格なしだから(笑)。

(タンミノワさん)
 あ、そうか〜。そのへん、マーケット外ですか(笑)。

ヤマ(管理人)
 四捨五入で五十を数える歳になって、若い男の意見を代弁する資格はさすがにないでしょう(笑)。

(タンミノワさん)
 まあ、私もどうやらマーケット外ですが。それにしても、あっちにとっても性的に成熟した女性とつきあうのはファンタジーなのかなあ。

ヤマ(管理人)
 中年女性の側とも同様に、ファンタジーになる若者とならない若者と両方いるんでしょうけどね。

(タンミノワさん)
 なんとなく最後は卒業されちゃいそうな気がして怖いですけど。(笑)

ヤマ(管理人)
 そうとも限らないでしょう、レニ・リーフェンシュタールとか(笑)。

(タンミノワさん)
 ここまでいったら人間国宝ですってば(笑)。もはや恋愛超えて、人類への貢献とかいう感じしますが。


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No.5305から(2005/02/01 09:55):TAOさん

(TAOさん)
 ヤマさん、おひさしぶりです。

ヤマ(管理人)
 ようこそ、TAOさん。ちょっとご無沙汰でしたね。

(TAOさん)
 『東京タワー』は自分ではなかなか見る気がしないので、ヤマさんのようなチャレンジャーはとても貴重です(笑)。

ヤマ(管理人)
 悪食とも呼ばれておりますが(苦笑)、面白かったですよ(笑)。

(TAOさん)
 中年女の恋の相手にウブで一途な若い青年を配するのは、中年男が若い女に投影する幻想と同じだというご指摘、なるほどそのとおりですねえ。

ヤマ(管理人)
 日誌に綴ったような皮肉の意図まであったか、あるいは単純に女性側ファンタジーとしての造形なのかってとこは不明ですが、ここんとこには確かに確信的なものがあったように思います。

(TAOさん)
 恋愛適齢期のキアヌにもファンタジーを感じましたが、

ヤマ(管理人)
 確かに確かに。

(TAOさん)
 でもあれは、職業は医者という女性ならではの願望も入ってましたね、30代だったし(笑)。

ヤマ(管理人)
 ですね〜。あれも作り手は女性でしたよね。男が作るとせいぜいでが『ノッティングヒルの恋人』ってとこですかね(笑)。

(TAOさん)
 『東京タワー』とは趣きがちがうのかもしれませんが、分別ある中年女が若者と恋をして最終的に自分から身を引くという話なら、ヨーロッパではずいぶん昔からある話ですよねえ。

ヤマ(管理人)
 『年上の女』とか『個人教授』とか?(笑)

(TAOさん)
 オペラの「バラの騎士」とか。あの手だったらお話としてすでに洗練されてるので、安心して見られます。

ヤマ(管理人)
 僕はオペラの「バラの騎士」というのは知らないのですが、ジャンル的に洗練されてて安心して見られるってのは分かりますよ。でも、おっしゃるように確かに『東京タワー』はちょっと趣が違っているように思います。シリアスとの匙加減に味がある作品でしたからね。

(TAOさん)
 「シラノ・ド・ベルジュラック」女性版みたいなもので、女のダンディズムがかっこいいからでしょうね。

ヤマ(管理人)
 こういうとこは、かなり濃厚にありましたよ。

(TAOさん)
 とはいえ、安心して見られないような掟破りのすごい恋愛映画もいつかは見てみたいものです。『東京タワー』はたぶんパスだけど(笑)。

ヤマ(管理人)
 そうおっしゃらずにチャレンジされてみては?(笑)
by ヤマ(編集採録)



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