和泉式部の歌 |
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1 あらざらむ
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今ひとたびのあふこともがな |
2 つれづれと
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天くだり来むものならなくに |
3 もの思へば
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あくがれいづる魂かとぞみる |
4 黒髪の
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まづかきやりし人ぞ恋しき |
5 人の身も
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あらはに燃ゆと見えぬばかりぞ |
与謝野晶子の和歌につけた歌曲集を書いた同じ年に、やはり同じような恋の和歌5首につけた歌曲集を平井は書いています。こちらは平安中期の女性歌人・和泉式部の書いたものですが、言葉はさすがに千年以上も昔のものなので古いですが、その精神は与謝野晶子のものと寸分も違わないように思えます。特に4曲目に取り上げた「黒髪の《、これはそのまんま与謝野の世界に引き継がれていますね。こうして並べて書いた平井の慧眼にひたすら敬朊させられます。
( 2018.04.24 藤井宏行 )