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六つの子供の歌  


曲: 中田喜直 (Nakada Yoshinao,1923-2000) 日本 日本語


1 うばぐるま (Saijyou Yaso)


詩:著作権のため掲載できません。ご了承ください

2 烏 (Ogawa Mimei)


風ふき烏
飛んで何処へ行く
海は暴(あ)れてゐるぞ

なんで鳴く
かあ かあ
山も暴れてゐるぞ

あんなに高く
あんなに低く
後になり先になり

みんなから きらはれて
鳴き 鳴き
飛んで行く

黒い衣(べべ)を着かへて来い
金の帯をしめて来い

今度の世には
王様にしてやるぞ


3 風の子供 (Takehisa Yumeji)


風の子供が 山へ出て
釣鐘草をふきました
釣鐘草は眼をさまし
ちんから ころりと 鳴り出すと
薄も桔梗も刈萱も
みんな夢からさめました

風の子供が 浜へ出て
やどかりの顔なでました
やどかり びっくり 戸をしめて
よんでも よんでも 出てはこず
さんまも 鯛も えびの子も
波にかくれてゆきました

4 たあんき ぽーんき (Yamamura Bochou)


たあんき ぽーんき
  たんころりん
たにしをつっつく鴉どん
はるのひながのたんぼなか

たあんき ぽーんき
  たんころりん
わァれもひとも生きもんだ
あんまりひどくしなさんな

たあんき ぽーんき
  たんころりん
鴉はきいても知らぬ顔
はるのひながのたんぼなか


5 ねむの木 (Noguchi Ujyou)


ねむれよ ねむれ
ねむの木よ ねむれ
夕闇ァきたぞ

ねむの木が ねむりゃ
雀もかへる 河原のやぶへ
すずめよ かへれ

夕星ァ出たぞ
雀がかへりゃ
ねむの木が ねむる


6 おやすみ (Miki Rofuu)


お眠(やす)み お眠み 雁がなく
親の雁か 子の雁か
青い月夜に なきわたる

雁のお山は 真っ白に
雪のあたまが とんがって
ひゅうる ひゅうる 風が吹く

おやすみ おやすみ 鐘がなる
風の絶間に 鐘がなる
聖寺(おてら)の屋根から 鐘がなる

枯れた 葉っぱは かさこそと
サンタクロスは こっそりと
窓をたたいて おりまする

お部屋の中は 明るい灯
毛糸の寝巻に くるまって
おやすみ おやすみ 鐘がなる



( 2017.10.27 藤井宏行 )