Zwei Lieder für gemischten Chor Op.19 |
混声合唱のための2つの歌曲 |
1 Weiß wie Lilien,reine Kerzen
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1 ユリのように白く 清らかなロウソクが
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Sternen gleich,bescheidner Beugung, Leuchtet aus dem Mittelherzen, Rot gesäumt,die Glut der Neigung. So frühzeitige Narzissen Blühen reihenweis im Garten. Mögen wohl die Guten wissen, Wen sie so spaliert erwarten. |
星たちにひとしく そっとうつむきながら きらめかせている 心の芯から 赤い列を作って 愛情の輝きを そんな風に 早咲きのスイセンたちが 列を作って咲いている 庭の中で この善良な者たちは知っているのかも知れない 誰を彼らは並んで待っていれば良いのかを |
2 Ziehn die Schafe von der Wiese
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2 羊たちが牧場から去れば
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Liegt sie da,ein reines Grün, Aber bald zum Paradiese Wird sie bunt geblümt erblühn. Hoffnung breitet lichte Schleier Nebelhaft vor unsern Blick: Wunscherfüllung,Sonnenfeier, Wolkenteilung bring uns Glück. |
そこにあるのはただ 純粋な緑だけ けれどすぐにパラダイスへと 色とりどりの花たちが咲いて変わるのだろう 希望は軽やかなヴェールを広げる 私たちの目の前に霧となって 願いの充足 太陽の祝祭 雲が割れて 私たちに幸福をもたらすのだ |
器楽合奏(チェレスタ・ギター・ヴァイオリン・クラリネット・バスクラリネットとここまでの作品のユニークな編成の成果を生かしていますね)に混声合唱(独唱者4人による重唱に変えても構わないとのこと)ということで、Op.14から始まる器楽合奏付声楽曲の集大成といった感じの作品です。とても面白い響きで楽しく聴けますが、とりわけ面白かったのはロバート・クラフトの入れた最初の方の作品全集に収録されているもの(1957録音)。独唱者たちによる版なので声の動きがクリアに聞き取れるのと、録音のせいもあるのでしょう、各楽器が浮かび上がってきてとても尖がった響きになっています。あまり大編成の合唱で歌われるとどこかモサッとした感じになってこの曲の真価は捉えられないような気がします。
ゲーテの詩は「中国風ドイツ暦(Chinesisch-deutsche Jahres- und Tageszeiten 1827)」という珍しい連詩から。テーマが特に中国というわけではなく、漢詩のスタイルをゲーテが意識して書いたのでこういう題名がついたもののようです。14篇からなる簡潔でどこか飄々とした味わいの作品ですが、そこから2番目と3番目の詩を持ってきています。
( 2016.01.24 藤井宏行 )