小曲五章 |
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1 いづくにか
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2 うら淋し
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3 薔薇の花
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4 我が手の花
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みづからの さはれ、盛りの うすくれなゐを 淡き いと わが |
5 子供の踊
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桃と桜の 咲いたる庭で、 これも花かや、紫に 天をさし上げ、 地を踏みしめて、 みんな 物に 身をば斜めに 振れば 派手に優しい女の 糸引く姿、 そして世の中いつまでも |
1926年の作曲。2年前の夫、与謝野寛の和歌に続いて晶子の和歌からもまずは3首選ばれています。いずれも歌集「舞ごろも《(1916)より。しっとりと春の悲しい鐘の音を描き出す「いづくにか《、同じく春の桜散る情景を流れるようなメロディで嘆く「うら淋し《、一転して明るい夏のバラの華やかさとうきうきする気持ちを軽快に歌い上げる「薔薇の花《。いずれも印象的です。続いての2曲は和歌ではなく詩より選ばれています。「我が手の花《は単独でも良く取り上げられる傑作です。歌詞も人生の盛りの短さを手に持った萎れた花をみつめてしみじみとつぶやくもの。言葉がとても美しく響きます。
最後の「子供の踊り《は晶子のつけた副題に「唱歌用に《とありますが、信時の音楽はもっと調子の良いもので楽しく盛り上がります。
小川明子さんがYoutube上に自らの歌唱をアップして下さっていて、5曲全部聴けるのはたいへんにありがたいことです。ぜひこの楽しい歌曲集を多くの方に味わって頂ければと思います。
( 2015.12.16 藤井宏行 )