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子供の歌  


詩: 北原白秋 (Kitahara Hakusyuu,1885-1942) 日本

曲: 山田耕筰 (Yamada Kousaku,1886-1965) 日本 日本語


子供の大工


夏が来た、夏が、
すずしい夏が。
  杉の板、小板、
  すうすと削ろ。

芥子が咲いた、芥子が、
白い白い芥子が。
  杉の板、小板、
  すうすと削ろ。

蝶蝶も飛べよ。
かんなくづは軽い。
  杉の板、小板、
  すうすと削ろ。

わたしは大工、
鉢巻しめて、
  杉の板、小板、
  すうすと削ろ。

造ろよ、造ろ、
子どもの村を。
  杉の板、小板、
  すうすと削ろ。

夏が来た、夏が、
芥子が咲いた、芥子が。
  杉の板、小板、
  すうすと削ろ。


新入生


小さな子どもさん。
新入生の子どもさん。
学校へ行くなら、
連れてつてあげよ。
げんげの原つぱを
近道しましよ。

小さな制帽さん。
うれしさうな子どもさん。
杏の木かげを、
連れてつてあげよ。
雨雨ふるなら、
お傘に入れよ。

小さな鞄さん。
小さなお靴さん。
お友だちになりましよ。
連れてつてあげよ。
子どもの燕も
おさそひしましよ。


かんなくづの笛


みんなは草ぶえ、葦のふえ、
わたしのお笛はかんなくづ。

巻いてりやすずしいかんなくづ、
紅ばなたたいて染めましよか。

みんなのかあさん草刈りに、
わたしの父さん船大工。

父さんお船はいつできる、
兄さん海見にいつ連れる。

わたしのお笛はかんなくづ、
吹いてりや楊の絮(わた)が飛ぶ。


あの子のお家(うち)


あの子のお家はどんな家。
野茨が咲いたと言うてゐた。
仔馬もゐるよと言うてゐた。

あの子のお家はどこいらか。
雲雀よ。空から見ておくれ。
よしきり。よしきり。行て見よよ。

あの子のお家はどのお家。
土手から土手へとのぼつても、
つばなやよもぎの風ばかり。

あの子のお家は葦の中、
向うの向うの沼のへり。
仔馬もゐるよと言うてゐた。


ころころ蛙(かはづ)


ころころ蛙が
はや鳴くよ。
お池のそばまで出て見よか。

ころころ蛙が
また鳴くよ。
おしめりしめりに出て見よか。

ころころ蛙は
どこにゐる。
ちらちら桜のかげにゐる。

ころころ蛙が
ほれ、ゐたぞ。
菱の葉めくつて、ほれ、出たぞ。

ころころ蛙の
のどぶくろ、
ころころ鳴くたび膨れてる。



個々の曲にコメントを記載しています。作曲家のページよりご覧ください。
   Yamada Kousaku 山田耕筰

( 2015.10.11 藤井宏行 )