Four Songs for Voice and Violin Op.35 |
声とヴァイオリンのための4つの歌 |
1 Jesu Sweet
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1 やさしきイエスよ
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To Thee a song of love longing; Do in my heart a quick well spring Thee to love above all thing. Jesu Sweet,my dim heart's gleam Brighter than the sunnèbeam! As thou wert born in Bethlehem Make in me thy lovèdream. Jesu Sweet,my dark heart's light Thou art day withouten night; Give me strength and eke might For to loven Thee aright. Jesu Sweet,well may he be That in Thy bliss Thyself shall see: With love cords then draw Thou me That I may come and dwell with Thee. |
御身に愛の憧れの歌を わがの心うちに 静かな泉を湧かせたまえ 御身を愛するために すべてのもの以上に やさしきイエスよ わが暗き心のかすかな光明 太陽の光よりも輝かしいのだ! 御身がベツレヘムでお生まれになったとき われのうちに御身の愛の夢を作られた やさしきイエスよ わが暗き心の光 御身は真昼 夜のない われに力を与えたまえ あるいは能力を 御身を正しく愛するために やさしきイエスよ 神なるお方 すなわち 御身の至福のうちに御身をご覧になられる 愛の絆は その時御身よりわれに繋がれる われは来たりて 御身とともに生きるのだ |
2 My soul has nought but fire and ice
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2 私の魂はただ火と氷を持つに過ぎぬ
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And my body earth and wood: Pray we all the Most High King Who is the Lord of our last doom, That He should give us just one thing That we may do His will. |
そして私の肉体はたた大地と森を われらは皆祈る いと高き王に われらの最後の運命を司るお方に 主はわれらにただ一つのことをお与えくださる 主の御意志に従うべしということを |
3 I sing of a maiden
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3 私は聖処女のことを歌う
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That matchless is. King of all Kings Was her Son iwis. He came all so still, Where His mother was As dew in April That falleth on the grass: He came all so still, To His mother's bower As dew in April That falleth on flower. He came all so still, Where His mother lay As dew in April That formeth on spray. Mother and maiden Was ne'er none but she: Well may such a lady God's mother be. |
他に比べ者のなきお方を すべての王の中の王が 確かにその息子だったのだから 御子は静かにやってくられたのだ 御母のおわしますところへと それはまるで四月の露が 芝の上に降りて来るように 御子は静かにやってくられたのだ 御母のおわしますあずまやへと それはまるで四月の露が 花の上に降りて来るように 御子は静かにやってくられたのだ 御母の休まれているところへと それはまるで四月の露が 霧となるかのように 母にして処女なる方は あの方をおいて他にはいない あのような女性こそが 神の御母であるのだ |
4 My Leman is so true
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4 わが愛するお方は真なるお方なり
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Of love and full steadfast Yet seemeth ever new His love is on us cast. I would that all Him knew And loved Him firm and fast, They never would it rue But happy be at last. He lovingly abides Although I stay full long He will me never chide Although I choose the wrong. He says “Behold,my side And why on Rood I hung;” For my love leave thy pride And I thee underfong. I'll dwell with Thee believe, Leman,under Thy tree. May no pain e'er me grieve Nor make me from Thee flee. I will in at Thy sleeve All in Thine heart to be; Mine heart shall burst and cleave Ere untrue Thou me see. |
愛において 確固たる だが 常に新しいように思われるのだ その愛のわれらの上への投げかけは あの方のすべてを知ることができたなら そしてあの方をしっかりと愛することができたなら それは決して後悔とはならぬであろう 最後には幸せとなるだろう あの方は愛情を込めてお守り下さる たとえわれがずっと留まっていようとも あの方がわれをたしなめることはない たとえわれが誤った選択をしようとも あの方はおっしゃる「見よ わが脇腹を そして何ゆえにわれが十字架にかけられたのかを《 私の愛のためにあなたのプライドを残す そして、私はあなたを取り戻す。 われは御身と共に信じて暮らさん 愛するお方よ 御身の木の下に どんな苦しみもわれを悲しませぬように そしてわれを御身のもとから逃げ出させぬように われはあなたの袖のうちで すっかりあなたの心とならん わが心は破裂し 裂けてしまうであろう もしも偽りなるあなたを見るならば |
ヴァイオリンのソロと清楚なソプラノによって歌われる上思議な雰囲気の歌曲集です。詞はメアリー・シーガーという人の編纂した中世のアンソロジー(A Medieval Anthology)より。いずれも宗教的なものを四篇ホルストは選び出しています。エオリアンやフリギアなどの古典旋法で書かれているので、詩の書かれた中世のたたずまいもしますが、決して先祖がえりしているだけの曲ではありません。豊満なメロディは現代的でもあり、とても優しいヒーリングミュージックになっています。Collinsレーベルで出ていたホルスト歌曲集(現在はNaxosからリリース)で、スーザン・グリットンのソプラノにルイザ・フラーのヴァイオリンで収録されておりました。他に録音があるのかどうかは分かりません。
( 2014.12.13 藤井宏行 )