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A Ceremony of Carols   Op.28
キャロルの祭典

曲: ブリテン (Edward Benjamin Britten,1913-1976) イギリス ラテン語


1 Procession (Hymn)
1 入堂 (聖歌)

Hodie Christus natus est:
hodie Salvator apparuit:
hodie in terra canunt Angeli,
laetantur Archangeli:
hodie exsultant justi,dicentes:
Gloria in excelsis Deo,
Alleluia!
今日 キリストがお生まれになる
今日 救い主が現れる
今日 地上で天使たちは歌い
大天使もお喜びになる
今日 正しき人々も喜び こう言うのだ
栄光あれ いと高きところにおわします神に と
アレルヤ

2 Wolcum Yole! (Unknown)
2 ようこそ クリスマスよ! (上詳)

Wolcum,Wolcum,
Wolcum be thou hevenè king,
Wolcum Yole!
Wolcum,born in one morning,
Wolcum for whom we sall sing!

Wolcum be ye,Stevene and Jon,
Wolcum,Innocentes eveyone,
Wolcum,Thomas marter one,
Wolcum be ye,good Newe Yere,
Wolcum,Twelfth Day both in fere,
Wolcum,seintes lefe and dere,
Wolcum Yole!

Candelmese,Quene of bliss,
Wolcum bothe to more and lesse.
Wolcum be ye that are here.
Wolcum Yole!

Wolcum alle and make good cheer.
Wolcum alle another year.
Wolcum Yole. Wolcum!

ようこそ ようこそ
ようこそ 御身天の王よ
ようこそ クリスマスよ!
ようこそ この朝に生まれたお方よ 
ようこそ その方のため私たちは歌いましょう!

ようこそ 聖ステファンとジョンよ 
ようこそ 無垢なる嬰児 皆よ
ようこそ 殉教者トマスよ 
ようこそ 良き新しい年よ
ようこそ 十二日節を皆で
ようこそ 親愛なる聖人たちよ 
ようこそ クリスマスよ!

聖燭節よ 至福の女王よ 
ようこそ 富める者も貧しき者も共に
ようこそ ここにおられるあなた方 
ようこそ クリスマス!

ようこそ 皆様 歓呼しましょう 
ようこそ 皆様 新年を
ようこそ クリスマス ようこそ!


3 There is no rose (Unknown)
3 これほどのバラはない (上詳)

There is no rose of such virtu,
As is the rose that bare Jesu.
Alleluia.

For in this rose contained was
Heaven and earth in litel space,
Res miranda.

By that rose we may well see
There be one God in persons three,
Pares forma.

The aungels sungen the shepherds to:
Gloria in excelsis Deo:
Gaudeamus.

Leave we all this worldly mirth,
And follow we this joyful birth;
Transeamus. Transeamus.

Alleluia.
Res miranda.
Pares forma.
Gaudeamus.
Transeamus.


これほど徳の高いバラはありません
イエス様をお産みになられたこのバラほどの
アレルヤ

なぜならバラの中には含んでいるのですから
天と大地を この小さな隙間の中に
何と上思議なことでしょう

このバラによって私たちは知るのです
三位一体の神様がおられるということを
人の姿をなさっている

天使たちは羊飼いに歌いかけたのです
“いと高きところに神の栄光あれ!”と
さあ 喜びましょう

われら皆 この世の悦楽など捨てて
この喜びあふれる誕生につき従って行きましょう
さあ 行きましょう

アレルヤ、
何と上思議なこと。
人の姿をなさっている、
さあ 喜びましょう
さあ 行きましょう

4a That yonge child (Unknown)
4a かの幼な児が (上詳)

That yongë child when it gan weep
With song she lulled him asleep;
That was so sweet a melody
It passèd alle minstrelsy.

The nightingalë sang also:
Her song is hoarse and nought thereto:
Whoso attendeth to her song
And leaveth the first then doth he wrong.

かの幼な児がお泣きになられたとき
歌声で 御母は眠りにお誘いになられました
それはとても美しいメロディで
いかなる吟遊詩人も敵わないものでした

ナイティンゲールも歌いましたが
その歌は粗野で 何の役にも立ちません
その歌声ばかり一所懸命に聴いて
御母の歌を聴かぬなら その人は間違っているのです

4b Balulalow (The brothers Wedderburn)
4b 子守歌 (ウエッダーバーン兄弟)

O my deir hert,young Jesus sweit,
Prepare thy creddil in my spreit,
And I sall rock thee in my hert
And never mair from thee depart.

But I sall praise thee evermoir
With sangis sweit unto thy gloir;
The knees of my heart sall I bow,
And sing that richt Balulalow!

おおわが愛しき心 幼く愛らしいイエスよ
あなたの揺りかごを私の心の中にご用意ください
そうすれば私はあなたをこの胸の中で揺らしましょう
そして決してあなたから離れることはありません

私はあなたを永遠に讃えます
あなたの栄光に寄せた歌によって
私の心の膝はひざまずくことでしょう
そして気高き子守歌を歌うのです!

5 As dew in Aprile (Unknown)
5 四月の露のように (上詳)

I sing of a maiden
that is makèles:
King of all kings
to her son she ches.

He came al so stille
there his moder was,
As dew in Aprille
that falleth on the grass.

He came al so stille
to his moder bour,
As dew in Aprille
that falleth on the flour.

He came al so stille
there his moder lay,
As dew in Aprille
that falleth on the spray.

Moder and mayden
was never none but she;
Well may such a lady
Goddes moder be.


私は歌います ひとりの乙女
類い稀なるお方のことを。
王の中の王であるお方に
彼女の息子を 彼女はなし給うたのです

彼はひそやかにやって来られました
御母の居られるもとへと
まるで四月の露が
草の上に降りるように

彼はひそやかにやって来られました
御母の居られる馬屋へと
まるで四月の露が
花の上に降りるように

彼はひそやかにやって来られました
御母の休まれているもとへと
まるで四月の露が
枝の上に降りるように

母にして乙女であるのは
彼女の他にはひとりとして居られませんでした
このような高貴な女性こそがふさわしいのです
神の母となられるのには

6 This little Babe (Robert Southwell)
6 この小さな赤子は (サウスウェル)

This little Babe so few days old
is come to rifle Satan's fold;
All hell doth at his presence quake
though he himself for cold do shake;
For in this weak unarmèd wise
the gates of hell he will surprise.

With tears he fights and wins the field,
his naked breast stands for a shield;
His battering shot are babish cries,
his arrows looks of weeping eyes,
His martial ensigns Cold and Need
and feeble Flesh his warrior's steed.

His camp is pitchèd in a stall,
his bulwark but a broken wall;
The crib his trench,haystacks his stakes;
of shepherds he his muster makes;
And thus,as sure his foe to wound,
the angels' trump alarum sound.

My soul,with Christ join thou in fight,
stick to the tents that he hath pight.
Within his crib is surest ward,
this little Babe will be thy guard.
If thou wilt foil thy foes with joy,
then flit not from this heavenly Boy


生まれて数日のこの小さな赤子は
サタンの一団を討つためにやって来られました
地獄中がこの御子の存在におののいていますが
御子ご自身もまた寒さに震えられているのです
このように弱く武器も持たないやり方で
御子は地獄の門を驚かすのです

涙をもって御子は戦い、戦場で勝利を収め
その裸の胸が彼の楯となります
大砲の一撃は赤ん坊の泣き声
その矢は泣き濡れた眼差し
御子の軍旗は寒さと貧しさです
そして弱々しい肉体が御子の軍馬

御子の陣は馬屋の中に張られ
御子の砦はただの壊れた壁です
飼い葉桶が塹壕 干し草の束が防杭
羊飼いたちを兵として呼び集め
こうして 確固として敵を倒すのです
天使たちは戦いのラッパを鳴らします

私の魂よ キリストと共にお前も戦うのです
御子の張り給うた天幕を守り
飼い葉桶は確かな護り
この小さな赤子はお前の守り手
お前は敵を喜びと共に打ち砕くことはできるでしょう
だがこの天から来た少年からは逃げることはできないのです

8 In freezing winter night (Robert Southwell)
8 凍り付く冬の夜に (サウスウェル)

Behold,a silly tender babe
in freezing winter night,
In homely manger trembling lies;
alas,a piteous sight!

The inns are full,no man will yield
this little pilgrim bed.
But forced he is with silly beast,
in crib to shroud his head.

This stable is a Prince's court,
this crib his chair of State;
The beast are parcel of his pomp,
this wooden dish his plate.

The persons in that poor attire
his royal liveries wear;
The Prince himself is come from Heav'n;
this pomp is prizèd there.

With joy approach o Christian wight,
do homage to thy King;
And highly praise his humble pomp,
wich he from Heav'n doth bring.

ご覧なさい 無邪気な幼い赤子を
凍り付く冬の夜
粗末な飼い葉桶の中で震えて眠っておられます
ああ、なんと気の毒な光景でしょう!

宿は客でいっぱいで 誰も譲る者はありません
この小さな巡礼者にベッドを
代わりに彼は愚かな獣共と一緒に
飼い葉桶の中にその頭を覆わねばならぬのです

この馬小屋は王子様の宮殿、
この飼い葉桶は彼の玉座
獣どもは彼の廷臣の一団
この木の皿は銀の食器です

貧しい朊を纏った人々は
彼の王宮の制朊を着ているのです
この王子は天からやって来たお方
その壮麗はそこで讃えられるのです

喜びと共に近づきなさい おお キリスト者よ
あなたの王を誉めたたえましょう
そして高らかに誇りましょう 御子の慎ましい壮麗さを
彼が天から持って来られたものを

9 Spring carol (William Cornysh)
9 春のキャロル (コーニッシュ)

Pleasure it is to hear iwis,
the birdís sing.
The deer in the dale,the sheep in the vale,
the corn springing.
God's purveyance for sustenance,
it is for man,it is for man.
Then we always to Him give praise,and thank Him then.

楽しいことです 聞くことは、
鳥たちが歌っているのや
谷間の鹿や 谷間の羊、
小麦が芽吹く音を
神は用意されるのです 糧として
これは人間のためのもの これは人間のためのもの
さればわれらは常に神を讃え 神に感謝するのです

10 Deo gracias (Unknown)
10 神に感謝せよ (上詳)

Deo gracias! Deo gracias!

Adam lay ybounden,
Bounden in a bond,
Four thousand winter
Thought he not too long;
Deo gracias!

And all was for an apple,
An apple that he took,
As clerkës finden
Written in their book.
Deo gracias!

Né had one apple taken been,
The apple taken been,
Né had never Our Lady
A been Heaven's Queen.

Blessèd be the time
That apple takèn was.
Therefore we moun singen:
Deo gratias!


神に感謝を! 神に感謝を!

アダムは束縛されておりました
あの約束に縛られておりました
四千回もの冬も
彼は長すぎるとは考えなかったのです
神に感謝しましょう!

そう すべてはひとつのリンゴのため
彼がもぎ取ったリンゴでした
聖職者たちが見つけ出したように
聖書の中に書かれていることを
神に感謝しましょう!

もしもそのリンゴが取られることがなかったなら
そのもぎ取られたリンゴが
われらの聖女様は決して
天の女王様になられることはなかったでしょう

その時よ 祝福されなさい
かのリンゴがもぎ取られた時よ
だから私たちは歌わねばなりません
神に感謝しましょう!


11 Recession (Hymn)
11 退堂 (聖歌)

Hodie Christus natus est:
hodie Salvator apparuit:
hodie in terra canunt Angeli,
laetantur Archangeli:
hodie exsultant justi,dicentes:
Gloria in excelsis Deo,
Alleluia!
今日 キリストがお生まれになる
今日 救い主が現れる
今日 地上で天使たちは歌い
大天使もお喜びになる
今日 正しき人々も喜び こう言うのだ
栄光あれ いと高きところにおわします神に と
アレルヤ


個々の曲にコメントを記載しています。作曲家のページよりご覧ください。
   Edward Benjamin Britten ブリテン

( 2013.12.23 藤井宏行 )