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AIYANの歌  


詩: 北原白秋 (Kitahara Hakusyuu,1885-1942) 日本

曲: 山田耕筰 (Yamada Kousaku,1886-1965) 日本 日本語


1 NOSKAI


堀のBANKOをかたよせて
なにをおもふぞ。花あやめ
かをるゆふべに、しんなりと
ひとり出て見る、花あやめ。


2 かきつばた


柳河の
古きながれのかきつばた
晝はONGOの手にかをり、
夜は萎(しを)れて
三味線の
細い吐息(といき)に泣きあかす。
(鳰(ケエツグリ)のあたまに火が點(つ) いた、.
 潜(す)んだと思ふたらちよいと消えた。)


3 AIYANの歌


いぢらしや、
ちゆうまえんだのゆふぐれに
蜘蛛(コブ)が疲れて身をかくす、
ほんに薊の紫に
刺(とげ)が光るぢやないかいな。
(UNTEREGAN のあん畜生はふたごころ。
 わしやひとすじに。)


4 曼珠沙華(ひがんばな)


GONSHAN. GONSHAN. 何處へゆく、
赤い、御墓の曼珠沙華(ひがんばな)、
曼珠沙華(ひがんばな)、
けふも手折りに來たわいな。
GONSHAN. GONSHAN. 何本か、
地には七本、血のやうに、
血のやうに、
ちやうど、あの兒の年の數。
GONSHAN. GONSHAN. 氣をつけな、
ひとつ摘んでも、日は眞晝、
日は眞晝、
ひとつあとからまたひらく。
GONSHAN. GONSHAN. 何故泣くろ、
何時まで取っても曼珠沙華(ひがんばな)、
曼珠沙華、
恐や、赤しや、まだ七つ。


5 気まぐれ


逢ひに來たちの
日の照り雨のふるなかを、
Odan mo iya,Tinco Sa!

しやりむり別れたそのあとで、
未練な牡丹がまたひらく。
Odan mo iya,Tinco Sa!



個々の曲にコメントを記載しています。作曲家のページよりご覧ください。
   Yamada Kousaku 山田耕筰

( 2010.11.07 藤井宏行 )