Pieśni muezina szalonego Op.42 |
気の触れたムエジンの歌 |
1 Allah Akbar
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1 アッラー・アクバル
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おいらは知ってるぞ よく知ってるぞ アッラーがお前たちを造られたのは 自分を讃えさせるためなんだ だけどお前がおいらのものでなけりゃ おいらは気の触れたムエジンじゃないんだろ? だっておいらは送ったんだ 天国にアッラーを讃える声を天国に 思いもしなかった その音がお前を目覚めさせるとは アッラー・アクバル アッラー! (詞は大意です) |
2 O ukochana ma!
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2 おお いとしいお前!
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お前への祈りで おいらの声は五倍になる アッラー・ビスミラ アッラー! おいらは知っているからな 夜も昼間も それから夜明けの星の時も お前が待っていると おいらの焦がれてる呼び声を! アッラー・ビスミラ アッラー! (詞は大意です) |
3 Ledwie blask słon'ca złoci
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3 ほとんど金色の太陽の光が
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おいらは声を送る お前に おいらは知ってる お前が朝 安らぎに身を任せているのを この銀色の響きで! 起きてくれ 起きてくれ そして送っておくれ 太陽と一緒に お前の最初の笑顔を ああ愛しいお前! アッラー アッラー! (詞は大意です) |
4 W południe
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4 正午
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噴水は穏やかに祈りの声を上げている おいらはアッラーへの賛美の声を上げる お前が浴衣を使えるように お前の水浴びに おいらの毎日の呼び声は奇跡を起こすのさ お前が裸になるっていう奇跡を! (詞は大意です) |
5 O tej godzinie,w której miasto śpi
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5 街が眠りにつく時に
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おおオラリ!おおオラリ!目を覚まして賛美せよ アッラーを! 起きろ 古い商人よ アッラーを讃えるため! 捧げろ お前たちの真珠を 起きろ 女よ アッラーを讃えるため 恋する男を待ちながら お前だけは おお愛らしいお前 眠りに寄り添うんだ おおオラリ!おおオラリ! 蓮の花ように つぼみを閉じて (詞は大意です) |
6 Odeszłaś w pustynię zachodnią!
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6 お前は行ってしまった 西の砂漠に!
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お前は行ってしまった 西の砂漠に! お お オリオ! 今この時に すでに お前の白い体は 知らぬのだ 一滴の銀の雫も お前の体の乾いた砂 西での お前は砂漠に潜り込み おいらの心は砂地に残る 飲むのを好むのだ 新鮮な水の代わりに! おおオリオ!おお おお |
ムエジンというのはイスラムの寺院で時を告げる役割を担っている男、「鐘撞き」と訳しているものも見かけますが、おそらくは朗々と声を張り上げて歌うのでしょう。ここではそんなムエジンが恋に狂って叫んでいます。呼びかけているのがアッラーの神さまなのか恋している女なのか判然としない部分もありますが、そのあたりが混然一体となってどこかありえないお伽の国のできごとのようになっています。
シマノフスキの音楽はシェーンベルクやベルクの無調時代の音楽に異国情緒を織り込んだ独特のスタイル。こんな歌詞にメロディをつけると実に見事な雰囲気を醸し出します。私は彼の音楽の中でもこの歌曲集は屈指の作品だと思っています。
( 2020.09.26 藤井宏行 )