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Waldeinsamkeit    
 
森の静寂  
    

詩: アルノルト (Robert Franz Arnold,1872-1938) ドイツ
       原詩: Jens Peter Jacobsen ヤコブセン

曲: シュレーカー (Franz Schreker,1878-1934) オーストリア   歌詞言語: ドイツ語


Wir müssen,Geliebteste,leise
Hinschreiten,ich und du,
Es schläft eine Sangesweise
In Waldes nächtlicher Ruh!

Verstummt sind Winde und Wellen
Und aller Singvöglein Mund,
Schweigend rinnen die Quellen
Blank über moosigen Grund.

Des Mondlichts stiller Reigen
Durchspielt das Buchengeheg,
Es schlummert in süßem Schweigen
Ein silberner Streif am Weg.

Die Wolken selber droben
Schweben auf Flügeln breit
Und schaun von Glanz umwoben
In die Waldeseinsamkeit.

最愛の人よ 僕らはそっと
歩んでいかねばならない
歌の調べも眠る
夜の森の静けさの中を!

風と波は沈黙し
歌鳥はみな口を閉ざしている
泉は音もなく白く輝き
苔むした大地を流れる

月光の静かな輪舞が
ブナの林を踊りゆき
道端の銀色の川筋は
甘美な沈黙にまどろむ

その上に浮かぶ
翼を広げた雲は
輝きに包まれて覗き込む
森の静寂の中を


イエンス・ペーター・ヤコブセン Jens Peter Jacobsen (1847-1885)
デンマークの詩人、小説家、植物学者。リルケやトーマス・マンは代表作の小説『ニールス・リューネ』を愛読し、シェーンベルクは未完の小説『サボテンの花開く』のドイツ語訳に作曲した(『グレの歌』)。
“Waldeinsamkeit”は、ロマン派の詩人ルートヴィヒ・ティークLudwig Tieck (1773-1853) のメルヒェン『金髪のエックベルト』で重要な役割を果たす小鳥の歌に用いられた詩語で、ティークによる造語とも言われる。その後アイヒェンドルフ(シューマンの『リーダークライス』作品39)、ハイネ、ワーグナー(『ジークフリート』、『パルジファル』)などの文学・音楽作品でも用いられた。直訳すれば「森の孤独」だが、疎外感より自然との一体感が重要であり、「森の静寂」とした。

今回のシュレーカー3曲の対訳は、今秋発売を予定する石井真紀さんのCDのために制作しましたが、石井さんのご厚意により、CD発売前に「詩と音楽」20周年記念投稿とさせていただきました。

( 2018.08.06 甲斐貴也 )


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